~静岡市道池田日本平線 日本平パークウェイ~

【バイクで巡るニッポン絶景道】富嶽一望! 日本平パークウェイ[静岡県]#モトツー

『バイクで巡るニッポン絶景道』シリーズは、ヤングマシンの姉妹誌であるモトツーリング編集長カン吉(神田英俊)が案内人。第35回は、かつての観光有料道路だが現在は交通量も少なく爽快に走れる富士展望ロードをご紹介。久能山東照宮など観光も楽しめる。

TEXT:Hidetoshi KANDA

これぞ天下の大絶景! 駿河湾を遠望する爽快ロード

富嶽一望の絶景を堪能できるスポットとして富士山好きには有名だが、絶景ロードとしての全国的知名度は低めなルート。かつては観光有料道路だったことから展望良好なスポットが多く、また現在は原付も含め、全車種無料通行可能となっているのもポイント。静岡と清水をつなぐ信号皆無のルートながら、幹線道路としてはそれほど利用価値が高くないため、交通量は全体に少なく爽快な走行が楽しめる。

タイトルにあるとおり、ハイライトは間違いなく富士山の展望だ。頂上にあるデジタルタワーの周辺からは富嶽と駿河湾を一望し、誰もが思い描く富士山のイメージを堪能することができる。たとえコアな富士山ファンでなくとも一度は眺めておきたい景色だ。絶景に“正統派”なるものがあるとすれば、まさにこれがそうだと言える。

この道路が供用開始されたのは昭和39年と古く、ゆえに昭和の匂いが色濃く残る道路線形もまた魅力。ルートの総延長は約9.6kmと短めながらテクニカルなコーナーが連続し、複合コーナーも点在するため、地元ライダーにとっては定番のツーリングスポットにもなっている。ただし、昭和感のある線形のため、比較的見通しの悪いポイントも多く、スピードには十分に注意して走行して欲しいところだ。特に休日の地元ライダー達は比較的速度が高めなので、無理は絶対に禁物だ。休日の休憩ポイントには多数のライダーが集まっており、人気の高さを感じられるほか、全体的に雰囲気も明るく初心者ライダーでも気軽に楽しめるルートながら、全線にわたって路肩は狭い。休憩スポット以外での駐輪は大変危険なので絶対に避けてほしい。

このルートの頂上からは、徳川家康の墓所でもある久能山東照宮へアクセス可能なロープウェイも運行されている。観光バス多数の定番観光スポットながら、ロープウェイでの空中散歩は格別の絶景を楽しめる。ただ走り応えがあるロードというだけではないのだ。

ルート上で展望が開けるポイントはわずかのなので、全てが絶景! というわけではないが、さまざまな魅力が少しずつ詰まった飽きのないバランスが好印象。駿河湾を抜けるかすかな潮と茶畑の香りは、爽快感に彩りを添える最高のエッセンスだろう。周辺にはもうつの富士見スポットの大定番、三保松原があり、ここも富士見ツーリングを楽しむには外せない。なにより、“絶景”という言葉が親しまれる以前から数多の旅人達を魅了してきた日本平。絶景の原点はココにあると言っても過言ではないほど正統派の絶景を、一度は眺めに出かけてみよう。

間道から見渡す駿河湾と茶畑。ほぼ同じ景色がルート上からも展望可能だ。日本平パークウェイを走りながら楽しめる展望ポイントは少ないが、この風景は必見のハイライト!
茶畑と駿河湾。遠方には雄大な富嶽。空気の澄んだ晴天なら訪れるだれもが目にする事ができる絶景だ。これぞ正統派。日本人なら一度は見ておきたい、魂揺さぶる風景である。
地元ライダーには大人気の定番ルート。休日には多くのライダー達が訪れ、とても賑やかだが、くれぐれも安全には留意して走行しよう!
かつては観光有料道路だったものの、道路線形は昭和の匂いを残す。路肩は狭く、緊急時以外でのルート上の駐輪は大変危険。総延長は約9.6km。ゆっくり流す程度でも十分楽しいぞ!
日本平の頂上からは久能山東照宮へアクセス可能なロープウェイもある。久能山東照宮へはここからのアクセスがオススメだ。登山ルートの階段はかなりキツイ!
日光の東照宮と比べ、久能山東照宮は比較的地味な存在ながら、徳川家康の霊廟として遺骸が納められているとも言われる。国宝指定の社殿は一見の価値アリ。

ロード情報

交通量:久能山東照宮へ参拝する観光客の車両は走っているものの、全体的に交通量は少なめ。しかし、休日は地元ライダーも含め飛ばしがちな方々も多く、走行には十分注意が必要だ。

路面:路側帯は狭いながら、舗装状態は良好。信号皆無のため飛ばす車両は多いが、地元農耕車両が土塊を落としている場合もあるので、十分な安全マージンを保った走行を心掛けたい。

~日本平パークウェイ~
秘境感★
天空感★★★
潮風感★★★
爽快感★★★★
根性感★
開放感★★★

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