ロードレースを追いかけること20年以上のフリーライター・佐藤寿宏さんの「寿(ことぶき)通信」をお届け。国内外、レースの様々な現場から届く「寿通信」は、日本人選手の動向を中心にレポートする。今回はヨシムラに続きホンダ(HRC)が鈴鹿8耐 第42回大会の参戦体制を発表したことについて解説してもらおう。
今年もRed Bullカラーで臨むHRC
Hondaは6月13日(木)に鈴鹿8時間耐久ロードレースの参戦体制を発表した。6月3日(月)、4日(火)に行われた鈴鹿テストでは、チームの軸となる高橋巧とMotoGP™開発ライダーのステファン・ブラドル、火曜にはイタリアGPを終えたばかりの長島哲太が走行した。長島は、1日だけの走行ながら、まずまずのパフォーマンスを見せ、有力候補かと思われたが、今回は残念ながら選ばれず、高橋巧、清成龍一、ブラドルという3人がRed Bull Hondaとして参戦することが明らかになった。
今シーズン、全日本JSB1000クラスでは、高橋巧が驚異的な速さを見せている。とりわけ4月の鈴鹿2&4レースで見せた2分03秒874というタイムはインパクトがあった。ワークスとして復帰して2年目にかけるTeam HRCの意地を感じさせたが、高橋巧自身が“ノレている状態”ということも大きいだろう。この勢いを持ち込めばヤマハの連勝を阻止することも現実味を帯びてくる。だが、今のところ耐久仕様のCBR1000RRWは、スプリント仕様ほどの速さを見せていないだけに、急ピッチで仕上げて来ることが予想される。
長島は、もともと走る予定だったau・テルル SAG RTから秋吉耕佑、羽田太河と参戦。MuSASHi RT HARC-PRO.は、水野涼とブリティッシュスーパーバイクのチャビ・フォレスが組むことが発表された。昨年までドゥカティでワールドスーパーバイク(SBK)を走っていたライダーでシャビ・フォレスという表記が多かったが、Honda発表に合わせてチャビとしておこう。鈴鹿8耐は初参戦となるため未知数な部分が大きいが速さはありそうだ。3人目のライダーは未定だが、ドミニク・エガーターといううわさもある。
KYB MORIWAKI RACINGは、高橋裕紀と“コヤマックス”こと小山知良がペアを組んで出場する。この2人は、ミニバイク時代からライバルとして切磋琢磨し、世界まで上り詰めたライダー。プライベートでも仲がよかったが、どちらかと言えば小山の方がアウトローな道を辿っていたため、同じチームで走ることはなかったが、ここにきて名門モリワキで2人が組むというのは、感慨深いものがある。2人とも小柄なのでポジションもバッチリ。本番での走りが今から楽しみだ。こちらも3人目のライダーは未定だ。
世界耐久選手権のチャンピオンチームであるF.C.C. TSR Honda Franceは、2勝を挙げ、第4戦終了時現在でトップのTEAM KAWASAKI FRANCEに23ポイント差のランキング3位につけ逆転タイトルを狙っている。ライダーは、当然ながらレギュラーのジョシュ・フック、フレディ・フォレイ、マイク・ディ・メリオで最終戦決戦に臨む。
Team ATJは全日本JSB1000を戦う関口太郎を中心に岩田悟と國峰啄磨が加わった。Honda DREAM RT 桜井ホンダは、濱原颯道と伊藤真一という昨年と同じ2人に全日本J-GP2クラスで活躍中の作本輝介が起用された。Honda Asia-Dream Racing with SHOWAは、アジアロードレース選手権ASB1000を戦うザクワン・ザイディとSS600クラスのアンディ・イズディハールの2名が発表されている。
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