新作の空冷エンジンに心地よく酔いしれる

ロイヤルエンフィールド INT650/コンチネンタルGT650 試乗インプレッション×2車

  • 2019/6/7

INT650

東京MCショーで日本初公開され、この6月には日本国内でも発売となるロイヤルエンフィールドの新型空冷2気筒に、和歌山利宏が海外で先行試乗。南国の自然に溶け込むストレスフリーな2台をレポートする。

TEXT:Toshihiro WAKAYAMA

寄り添ってくれる相棒にバイク本来の魅力を再発見

650ツインの試乗会が行われるタイのプーケット島に向かいながら、僕はいつになく高揚していた。新型車にワクワクするのはいつものことだが、それには性能や魅力を引き出さなければならないという重圧感も伴う。でも今回はそれがない。バイクが主役にあるのではなく、主役の自分にバイクが従ってくれればいいと思ったのだ。不謹慎ながら、タイの熱帯の自然を満喫してやろうと思った次第である。

そして、走り出した新しい650のINTとGTは、そんな今回の僕のバイクへのスタンスを、裏切ることがなかったのである。

足着き性が抜群というほどではない。が、跨ったままサイドスタンドを出し入れできて、低重心感もあって安心感がある。空冷(シリンダー内にオイルを噴射しており厳密には空油冷)エンジンは頭回りに重量感がなく、4バルブであってもSOHCで、シリンダーは軽く前傾しているから、なお更だ。

エンジンは極低回転からスムーズで粘りもあって、クラッチミートの瞬間からバイクに信頼を寄せることができ、トコトコ走りもいとわない。それでいて、270度クランクの不等間隔爆発によるトラクションが心地よく、いい気分にさせてくれる。

何より、この車格は日常的に使うのに程よい大きさだ。今ではレトロ指向の2気筒車も大排気量化や水冷化を余儀なくされているだけに、改めて本来の姿を思い知らされる。さらに、ハンドル切れ角は片側37度もあって、昔のバイクのように小回りもしやすい。

おかげで走り出して間もなく、今日1日、自分にストレスを感じさせることなく、付き合ってくれる相棒に巡り合った気分にさせられる。

エンジンは、一般道において必要かつ十分な動力性能を発揮。トルクフルで、3000から7000rpmの広範囲で最大値の90%のトルクを発揮してくれるから、中回転域を多用して、コーナーをメリハリよくこなしていくことができる。最高出力も47psあって、自動車道路を120〜130km/hで無理なく走り抜けていく。

振動は国産のミドルクラスの2気筒には敵わないかもしれないが、少なくとも不快な振動もないから、日本の高速道路での移動も問題なさそうだ。

コーナリングは立ちが強めで、ハンドリングに軽快なキビキビ感はないが、昔の実用車のようと思えば、納得できないこともない。ただ、そのことでステアリングをこじりがちなこともあり、120km/h辺りで車体がヨレ気味になるが、他のレトロツインのレベルからすると取り分け悪くもない。

Continental GT650

さて、かつての標準車的なINTと、カフェレーサースタイルのGTを比べると、どちらも長短なくまとめられている。ハンドル位置のみならず、ステップ位置や燃料タンク形状も最適化されており、どちらもライディングポジションがピタリと決まり、それぞれの良さを引き出すことができる。

 極的に体重移動して、コーナリング性能を引き出しやすいのはGTだし、より快適に使えるのはINTのほうだが、GTにしても上体の前傾度は決して極端ではなく、3時間程度の走りで疲労を感じることはない。だから、好みや見た目のインスピレーションで決めればいいと思う。

バイクは乗り手にストレスを感じさせることなく、あくまでも追随してくれるべきもの。そんなバイク本来の姿を感じさせてくれたのである。

バランサー付き270度ツイン

エンジンは排気量648ccで、空油冷式4バルブSOHCの並列2気筒。外観は伝統的なフォルムにデザインされるが、今日主流の270°クランク式で、クランク軸前方に1軸偶力バランサーを備える。

CEOは生粋のバイク好き

プレゼンテーションでスピーチを行うのは、ロイヤルエンフィールド社のCEOであるシッダールタ・ラル氏。ジャーナリストの試乗にも丸一日、付き合うバイク好きだ。

Royal Enfield Continental GT650 & INT650

【ROYAL ENFIELD】左:CONTINENTAL GT 650(6月頃発売) ●価格:83万9000円~88万9000円 / 右:INT 650 ●価格:83万9000円~88万9000円(7月頃発売)

【共通】INTのメーターはGTとも共通で、アナログ式の回転計と速度計を左右に独立して並べた2眼式。伝統的な構成である。その内部にはトリップ、オド、燃料計が設けられる。

【INT】INTのハンドルバーは大型のアップタイプで、中央部にボルトオンの補強ブリッジを備える。オプションでプロテクターも用意される。

【GT】GTのハンドルバーはクリップオンされるセパレートタイプ。ただし、グリップ位置はアッパーブラケットよりも上側にある。

【INT】INTのシートは、タンデムも考慮された前後長の長いダブルタイプ。表皮も快適性を重視したものが選ばれている。

【GT】試乗車のGTに装着されたシートは、オプションのストッパー付きシングルタイプ。標準品は小さい段差が設けられたダブルタイプだ。

ライディングポジション[身長161cm/体重56kg]

足着き性は抜群でないにしろ悪くはなく、両車に差異はない。INTは上体がかなり起きているのに対しGTは前傾するが、前傾度は昨今のスポーツネイキッドに近く、ツーリングにも使える水準にある。

Specifications

【ROYAL ENFIELD CONTINENTAL GT 650 2019】主要諸元■全長2119 全幅745 全高1067 軸距1398 シート高820(各mm) 車重208kg(90%装備)■空冷4スト並列2気筒SOHC4バルブ 648cc 47bhp/7250rpm 5.3kg-m/5250rpm 変速機6段 燃料タンク容量12.5L■ブレーキF=φ320mmディスク R=φ240mmディスク タイヤサイズF=100/90-18 R=130/70-18 ●価格:83万9000円~88万9000円

【ROYAL ENFIELD INT 650】主要諸元■全長2119 全幅788 全高1120 軸距1398 シート高805(各mm) 車重213kg(半乾)■空冷4スト並列2気筒SOHC4バルブ 648cc 47bhp/7250rpm 5.3kg-m/5250rpm 変速機6段 燃料タンク容量12.5L■ブレーキF=φ320mmディスク+2ポットキャリパー R=φ240mmディスク+1ポットキャリパー タイヤサイズF=100/90-18 R=130/70-18●価格:83万9000円~88万9000円

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帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)