バイクでもクルマでもないBRPの3輪モデルにライカー600/900が2019年モデルで新登場した。普通4輪免許でもバイクの解放感が味わえる珍しい存在に、外国車試乗会で初搭乗。試乗はフリーライターの谷田貝洋暁(ヤタガイヒロアキ)が担当した。
従来のスパイダーシリーズに比べ重量半減
BRP社のカンナムシリーズは、ウィッシュボーンサスペンションを採用する3ホイールマシン。今回試乗したライカーは、600ccと900ccのエンジンが選べるモデルで、従来のスパイダーシリーズと比べると、半分近い軽量化(600ccモデル)と、プライスダウンが魅力的なモデルだ。またこの乗り物、面白いのは、免許が普通自動車免許でOKなこと。つまり車の免許があれば運転できてしまえるうえに、購入にあたっては車庫証明なども必要ないという面白い立ち位置にある。
バイクとは違う横Gを味わう3輪
今回試乗したのは600ccエンジンを搭載したライカーだが、リーンしないウイッシュボーンサスペンションの独特な乗り味が非常に面白い。というのも、バイクは車速に合わせてリーンしながら走るため、乗り手が横Gを受けることはない。ところがこのライカーはリーンせずに曲がるため、モロに横Gを受けながら走ることになる。そのため急旋回やハイスピードコーナーでは浮き上がろうとするイン側の車体を抑え込むように重心移動させながら運転する。それがバイク乗りからしてみるとかなり新鮮に感じる部分だ。また、タイトコーナーでは内輪と外輪の回転差が大きくなるため、ステアリングが重くなったり、タイトコーナではイン側のタイヤがスキール音を発するのが印象的だった。転倒リスクが低く、バイクのような開放感が魅力のいいとこ取りで、価格もバイク並みなのでこれは検討してもいい一台だろう。
主要諸元■全長2352 全幅1509 全高1062 軸距1709 シート高599(各mm) 車重270㎏(乾燥)■水冷4スト並列2気筒600㏄ 50㎰/7300rpm 5㎏-m/6200rpm 変速機CVT 燃料タンク容量20L ブレーキF=ダブルディスク R=ディスク タイヤサイズF=145/60R16 R=205/45R16
文:谷田貝洋暁 写真:真弓悟史
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