両クラスともに期待の新星がデビュー

令和に買いたい!【450/600cc〜オフロード&スーパーモタード】2019ニューモデル大集合

前述のアドベンチャークラスより、グッと不整地での走破性を高めたオフロードクラス。大排気量モデルはラリー的なハイスピードでのロングランが得意だ。今年は、ついに待望のテネレが登場する。オフ車をベースにオンロードタイヤを履くモタードは、舗装路でのスパルタンな走りが自慢。大型は希少種だが、ドゥカティが新型を投入する。

久々にブランニュー登場、究極マシンにも動きアリ

オンロード寄りのアドベンチャー系に対して、ダートでの走りを重視し、余裕の排気量による走破性を併せ持つのが大型オフの魅力だ。250ccのオフ車に比べ、高速道路やフラット気味のダートを長時間走るのが得意。車重があるためスキルは必要だが、多少のヒルクライムやガレ場もこなせる。

’19最新潮流
・大型モタードが活性化
・ついに3年越しでテネレ700が登場
・コンペ指向はCRF450Lが唯一無二

2019年は、レーサーのCRF450Rをベースに、最小限の変更のみで公道走行可能にしたCRF450Lが話題に。今年はラリー仕様の市販化に期待がかかる。こうした究極のコンペティション指向に他社が追随する動きはなく、存在感をますます強めていきそうだ。

より間口の広いモデルとして、’19年はテネレ700が登場する。’16年秋のコンセプトモデル発表から待ち続けていたライダーも多いと思うが、ついに今年後半、欧州で市販化が決定。国内導入も決定的となった。

オフ車に前後17インチのオンロードタイヤを履くモタードは、軽快さを活かした舗装路でのクイックな旋回性が真骨頂。以前より車種は減ったが、ドゥカティがハイパーモタードの新型を投入。KTM、ハスクバーナもモデルチェンジで戦闘力をアップさせる。

ドゥカティ ハイパーモタード950/SP:アドレナリン沸騰マシンが全面改良で過激度アップ

シャープなハンドリングが美点のハイパーモタード939が全面刷新。後継の950が投入された。水冷Lツインは、排気量937ccはそのままに4ps増の115.6psへ。軽量化したトレリスフレームなどで、車重は4kg減を果たした。さらにスタイルも一段と洗練。マフラーをアップ化し、新設計のフラット&スリムシート、より鋭くなったクチバシ状カウルなどを入手した。上級版のSPは、専用シートのほか、オーリンズ製サス、マルケジーニ製アルミ鍛造ホイール、クイックシフターなどを標準装備。SPは前後ホイールトラベル量を増し、最大バンク角も+3度と深い。

【DUCATI HYPERMOTARD 950/SP 2019】主要諸元■水冷4ストL型2気筒 DOHC4バルブ 937cc 115.6ps/9000rpm 9.8kg-m/7250rpm 178kg(乾) 14.5L シート高890mm ※諸元はSP ●価格:SP=210万円/STD=165万円
従来型は1本出しのダウンマフラーだったが、950ではセンターアップのデュアルタイプに。集合方式は2in1in2で複雑な形状のエキパイが見物だ。
サスはSTDがザックス製。SPはよりロングストロークな設定のオーリンズ製で、Fフォークは極太のφ48mm、リヤはフル調整式。
メーターはモノクロ液晶からフルカラーTFTに変更。スマホ連動のほか、6軸IMU、コーナリングABSなど電脳が充実した。
ナックルガードに埋め込んだLEDウインカーが本作の特徴。顔は一新され、印象的なデイライトを導入。ハンドル幅も広げた。
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2019/04/13

フルモデルチェンジとともに扱いやすさを増したというハイパーモタード950だが、それでもひと味違った“ハイパーモタードらしさ”、そして“ドゥカティらしさ”を失ってはいなかった。そして、STDとSPの違い[…]

ヤマハ テネレ700:全身を丹念に磨き上げた入魂ラリーレイド

まるでダカールマシンと見紛うスタイル。その外観を裏切らない本格的な走りを想定して造り込んだ新作がテネレ700だ。MT-07譲りの689cc並列ツインはセッティングを見直し、専用設計の鋼管ダブルクレードルフレームに搭載される。足まわりも万全で、フロントはストローク量210mmを確保したフルアジャスタブルのφ43mm倒立フォークに21インチのワイヤースポークホイールを採用。リヤサスは、リモートイニシャルアジャスター付きのリンク式でストローク量は200mm。これに18インチホイールを組み合わせる。ABSはオン&オフも可能だ。’19年後半、まずは欧州で走り出す。

【YAMAHA TENERE 700 2020】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 DOHC4バルブ 689cc 73.4ps/9000rpm 6.9kg-m/6500rpm 車重未発表 16L シート高880mm ●価格未発表
ラリーのコマ図ボックスを模した液晶メーター。ハンドルはテーパードタイプだ。
スクエアなケースに収めた4眼LEDライトに、立ち気味のスクリーンはまさにパリダカレプリカの趣。
270度クランクのパラレルツインは、出力特性やファイナルをオフ向けに再設定。航続距離は350km+αを誇る。
最低地上高は240mmとかなり高め。アップめのマフラーも専用品だ。車体色は、黒×銀×青、白×赤、黒の3タイプ。
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ホンダ CRF450L/ラリーコンセプト:禁断の公道レーサー、ダカール版も出る?

競技専用のCRF450Rをベースに、公道走行可能にした異色作。449cc単気筒は最高出力24psに留まるが、低回転&高トルク型の特性がダートで威力を発揮。5→6速化によって高速道路にも対応する。フレームはアルミ製で、車重は250のオフ車を凌ぐ131kg。これにコンペ譲りの高級サスを組み合わせる。’18秋のショーでは、ダカールレーサーのCRF450ラリーをモチーフにしたコンセプト車も登場し、忠実な再現度で評判を呼んだ。市販化は未定。

【HONDA CRF450L 2019】主要諸元■水冷4スト単気筒 SOHC4バルブ 449cc 24ps/7500rpm 3.3kg-m/3500rpm 131kg 7.6L シート高895mm ●価格:129万6000円
タコメーターを省略したシンプルなデジタルメーターや専用設計ハンドルスイッチで、徹底して小型軽量化を追求した。
灯火器は全てLEDで軽量コンパクト&省電力化を達成。リチウムイオンバッテリーも採用。
タンクはRと同様チタン製。心臓はバルタイや圧縮比、フレームはヘッド周辺などを変更。
[CRF450 RALLY Concept]
コマ図風の液晶パネルを追加。大型スクリーンやインストルメントタワーも雰囲気がある。タンクも20Lに増量した。
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KTM 690エンデューロR/SMC-R:75psに電脳を満載、最強シングルが誕生

690cc単気筒を積む本格派で、エンデューロはF21&R18インチのオフ向け、SMCは前後17インチのモタードとなる。’19年モデルで伝統のLC4エンジンを改良し、8psもの大幅増で74.7psに到達した。加えて電制スロットルおよびIMUの採用により、2種の走行モードや、コーナリングABS、トラコン、シフターを備えるなど電脳化が進んだ。クロモリ鋼フレームは剛性を最適化し、タンク容量は1.5L増に。

【KTM 690 ENDURO R】主要諸元■水冷4スト単気筒 690cc 74.7ps 7.49kg-m 146kg(半乾) 13.5L シート高910mm ●価格:142万円
[690 SMC R]●価格:142万円(6月発売)

ハスクバーナ 701エンデューロ/スーパーモト:690をベースに独自のエッセンスを注入

’13年からKTMの傘下に入ったハスクバーナ。701シリーズはKTM690がベースで、洗練された外装や独自設定の脚などでベース車と差別化を図る。スーパーモトは前後17インチ、エンデューロはF21&R18インチを採用。’19では新型690と同様、心臓部のショートストローク化などで8psアップ。2車とも690より前後サスストロークがロングなのが特徴だ。さらにシュラウドの色を青→白に変更した。

【HUSQVARNA 701 SUPERMOTO 2019】主要諸元■水冷4スト単気筒 692.7cc 74.7ps 7.49kg-m 145kg(半乾) 13.5L シート高890mm ●価格:134万円
[701 ENDURO]●価格:134万円