フルバンク&フルステアで小道路旋回

【動画あり】白バイに学ぶ『究極のストリートライディング』 #02 『究極の小回り』

  • 2019/5/16

白バイ大会にて行われる小道路旋回とは、違反車両の取り締まりを行うための緊急発進を想定した競技種目で、完全停止状態から道幅往復約5mのエリアで発進と同時にUターンを行う。ターンの際に足を着くことが認められている。

最速最小で曲がるための妙技

Uターンを苦手とするライダーは多い。それは、低速でバランスを取る必要があるからだ。速度が低すぎれば失速してよろけてしまうし、反対に高すぎればコースをはみ出してしまう。Uターンを成功させるためには、旋回半径に見合った適切な速度とバンク角が求められるのだ。

小道路旋回:フルバンク&フルステア 究極の『小回り』

普段、我々が一般公道でUターンをする場合は、ムリをする必要もないので、車体を立てて両足をベッタリ着いてもいいし、降車して取り回しても構わない。だが、白バイは取り締まりの任務の中で、狭い路地での急転回が求められることも多い。

そこで、行うのが「小道路発進」というテクニックだ。発進と同時に車体を寝かせつつ、ハンドルをフルに切って最小半径で曲がる究極のUターンである。通常、Uターンにおける速度調整は、スロットルを開けながらリヤブレーキを踏む、いわゆるパワー制御が有効だが、白バイでは発進と同時に車体を倒し込むため、ブレーキペダルを踏む余裕がない。そこで、スロットルを多めに開けて回転数を上げてパワーをキープしつつ、リヤブレーキの代わりに半クラッチで速度調整を行っている。最速最小の方向転換が求められる白バイならではの高度な技である。

発進と同時に寝かせて切る[連続写真]

発進時に後方確認。競技では係員が掲げた車種名を読み上げる。外肘を高く上げると振り向きやすい。

発進と同時にスロットルオンのまま半クラをキープ。最初に逆操舵を使って倒し込む場合もある。

車体を倒し込みつつ内足を出していく。踵から足を出すイメージで、目線も前半はそこを見ている。

ここでハンドルはフルステアの状態。内足を着くが、実際は地面を軽くタッチする感じで着いている。

着いた足はすぐに戻す。フルステアのままスロットルと半クラを一定にキープしてターンを安定させる。

ここで目線を切り替えて意識は加速方向へ。リーンアウトで遠心力とのバランスをキープ。

クラッチをつなげつつ車体を起こしにかかる。が、曲がり切るまではフルステアをキープ。リヤブレーキも使う。

ほぼ車体は垂直になり、完全な加速状態に。上体を前傾させて加速Gに備えつつ、次の目標にロックオン。

なぜ足を着くのか? それは早く向きを変えるため

白バイ隊員が見せる独特のスタイルが足着きUターンである。Uターンの頂点あたりで内足を地面に着く隊員が多いが、これはリーンアウトで車体を傾けるためのバランスを保持したり、バンクさせすぎないようにタイミングを計ったりするのが主な目的。フルバンク&フルステアで素早く方向転換するための手段なのだ。ただし、あくまでも補助的なもので、着いた足で車重を支えたり、これを軸に車体を回したりといった意識はないようだ。

すべては早い向き変えのため。足は着いても車重を支えたりはしないのだ。

本当のスゴさは繊細さを極めたクラッチワークにあり

白バイのUターンでは、車体を大きく寝かせた独特の足着きフォームに目を奪われがちだが、本当に見てほしいのは左手の使い方。フルステア&フルバンクによる極小旋回におけるキモはパワーと速度のコントロールだが、右足を出しているのでリヤブレーキを使う余地がない。その分を、白バイ隊員は半クラッチで行っているのだ、まさに究極のクラッチワークと言えるだろう。ちなみに、発進時の逆操舵はその直後に切り直す必要があるため、うまくできないと逆効果になる場合もある。

動画はこちらから!

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続編記事は順次公開予定

  • 寝かさずに曲がる「コーナリング」
  • 「走」「止」「曲」の限界に挑む「8の字」
  • 人車一体でリズムを刻む「連続切り返し」
  • 電光石火で危険を避ける「瞬間向き変え」
  • 紙一重でにける車両感覚「低速バランス」
  • 大胆なアクションと繊細な操作「トライアル」
  • 滑りの中でのコントロール「モトクロス」

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ヨ

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帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)