2004年に初代が発売されたロケット3(TRIUMPH ROCKET III)は、まるで建造物のような存在感を放つ巨大な3気筒エンジンを搭載したモンスターバイクだった。そして今、2458ccの新型トリプルエンジンを新設計のフレームに搭載した新型ロケット3 TFCが、トライアンフの最新型ファクトリーカスタムとして登場したのだ!
ファクトリーカスタムの限定車が続けざまに登場
2019年型のニューモデルとして登場するとされ、ティーザーも流れていた新型ロケット3 TFC。末尾のTFCは、トライアンフ・ファクトリー・カスタムの略で、通常のラインナップに対して最高水準の高級仕様装備が奢られているのが特徴だ。TFCの第1弾として先行登場したスラクストン TFCはすでに発表済みだが、こちらもパワーおよび重量の最終仕様が決定、最高出力と乾燥重量の数値が新たに明らかになった。
規格外のモンスターバイクが、最新の電子制御を手に入れた
さて、ロケット3 TFCはファクトリーカスタムの第2弾となるが、トライアンフによれば「比類のないクラス最高峰のテクノロジー」「究極の走行体験」を提供するとしている。従来型のロケット3からは全てが変更を受け、例えばフルカラーTFTディスプレイ(オプションのブルートゥース接続モジュールで機能拡張可能)の採用や、デイタイムランニングライト(DRL:日本市場への導入は未確定)を特徴とするフルLEDツインヘッドライトなどで、全体の雰囲気は保ちながら機能性もデザイン性も最新世代のものとされた。
世界最大(量産二輪車)の3気筒エンジンを15%も軽い車体に搭載
量産二輪車で最大となる2458cc(従来型は2294cc)の縦置きクランク直列3気筒エンジンを搭載するだけでも十二分なトピックだが、電子制御の充実も最新モデルらしく、最適化されたコーナリングABS、トラクションコントロールシステムを採用。170ps以上/22.5kg-m以上とされるパワー&トルクを手なずけることも可能なのだ。そして4つのライディングモード(ロード、レイン、スポーツ、ライダー設定)によりパワー特性とトラコンの設定を走行条件やライダーの好みに合わせて変更することもできる。また、クルーズコントロールも標準装備するほか、キーレスイグニッションやタイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)、USB電源ソケットも装備。
アップ/ダウン対応のトライアンフシフトアシスト(いわゆるクイックシフター)や、坂道発進を容易にするヒルホールドコントロールを備えているというのも朗報だ。
車両全体で大幅な軽量化を達成したロケット3 TFCは、エンジンを剛性部材として使うアルミフレーム、片持ちスイングアーム、カーボン製ボディワークなどにより従来モデルよりも15%以上、じつに40kg以上ものシェイプアップを実現。数値的には正式発表に至っていないものの、小柄なタンデムライダーひとり分を削り落としたのだから走りっぷりも変わらないわけがないだろう。
足まわりはブレンボ製Stylemaキャリパーのほか、ショーワ製φ47mm倒立カートリッジ式フロントフォークとピギーバックリザーバータンク付きのフルアジャスタブルモノショックなどを装備している。
正式な発売日や価格は未発表だが、公式サイトでは『間もなくの誕生』が示唆されている。
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