スプリントにおける究極の「走る・曲がる・止まる」を追求したカテゴリー。1000ccは、スーパーバイク世界選手権(SBK)や世界耐久などレースを視野に入れた公認取得マシンとしての性格も併せ持つ。今や200psが標準となり、+αをどれだけ絞り出せるかがトレンド。さらに、モトGP譲りの「ウイング」まで登場した。
WEBヤングマシンで全33回にわたってお送りした新車アルバムをまとめたのがこのページ。カテゴリー別に分け、さらには排気量区分によりライバル車を直接比較しやすいように各ページにまとめてある。記事があるも[…]
超高回転化で限界越え! 公道に翼まで降りてきた
各社自慢の最先端メカを満載する大型スーパースポーツ=SS。’10年代はIMU(慣性センサー)を用いた高度な電子制御技術が一大トレンドとなったが、今や広く行き渡り、’19年はさらなる「パワー競争」と「ウイング」が新潮流となっている。
’19最新潮流は?
・可変バルタイ&フィンガーフォロワーが主流へ
・サーキット向け仕様を設定
・公道ウイングレットが登場
近年のリッターSSは、’90年代には夢だった200psが一般的。もはや限界と思われたが、高回転化に対応するフィンガーフォロワーやドゥカティのお家芸であるデスモドロミック機構などに磨きをかけ、大台を大きく超えるマシンが続々出現してきた。もちろん厳しい排ガス規制もクリア済みである。
GSX-R1000の可変バルブタイミングに続き、S1000RRに搭載されたシフトカムも話題。低中速トルクと高回転パワーを両立できる注目の機構だ。
ウイングは、ダウンフォースを稼ぐための整流板。MotoGPが源流のデバイスで、’19ではついに公道モデルのパニガーレV4R、RSV4 1100に搭載され、今後さらに広まりそうだ。
加えて、レース参戦を見据えた上級仕様が追加設定されるのも最近のトレンド。R1らにキットパーツを組み込んだコンプリート車まで登場してきた。
カワサキ ニンジャ ZX-10R/RR/SE/KRTエディション:SBK4連覇中の最強マシン本気バージョンは204psへ
’04年のデビュー以来、「サーキット最速」を命題に進化を重ね、’11でいち早く200psに到達したカワサキの最高峰スーパースポーツ。’16年型ではSBKワークスマシンのノウハウを注入し、リザーバータンク付きのショーワ製バランスフリー フロントフォークをはじめ、電子制御スロットルやボッシュ製6軸センサーなどを獲得した。さらに’19年型では、高回転化を促進するフィンガーフォロワーロッカーアームを新採用。STDは+3ps、レースを想定したRRは従来より102g量なチタンコンロッドも与え、+4psを達成した。SBKで’15年から4連覇している常勝マシンの片鱗を一般ライダーも味わえる。RRは世界500台限定で生産されるSBK向けのレース対応モデルだ。チタンコンロッドを採用し、サス設定も見直した。
「誰が乗っても扱いやすく、そして速いモーターサイクルでありたい」「サーキットにおいて誰が乗っても扱いやすく乗りやすいということを追求していけば、結果として速いマシンができ上がる」という“RIDEOLO[…]
ヤマハ YZF-R1/GYTR/R1M:8耐4連覇、今だ強い国産SSの革命児
’98年の初代から21周年を迎えたYZF-R1。現行型は’15年に全面刷新した8代目で、MotoGPマシンの血統を色濃く継いだサーキット志向のマシンとなる。クラス唯一の不等間隔爆発を採用したクロスプレーン直4は、圧巻のトラクション性能を発揮し、チタンコンロッドなどの装備で200psをマーク。国産スーパースポーツ勢の先陣を切った電子制御も特徴で、10段階トラクションコントロールや横スライドをも検知する6軸センサーなど充実の一言だ。’18鈴鹿8耐ではヤマハ初の4連覇も達成した。’19では色変更を実施。
2015年の登場から4年目を迎えたYZF-R1M。その戦闘力は現在においても未だ最強クラスだが、さらに磨きをかけるべくモデルチェンジを受けた。丸山浩が新旧モデル乗り比べで中身をチェックだ。 ※ヤングマ[…]
スズキ GSX-R1000/R/竜洋:サーキットの覇者が現行型初のマイチェン
「OWN THE RACETRACK(レーストラックを我がものに)」を標榜し、’01年にデビュー。’17でMotoGPマシン譲りの技術を継承する6代目に進化した。エンジンは、可変バルブのSR-VVTなどにより、従来から自慢の低中速トルクを活かしたまま圧巻の高回転パワーを獲得している。’19モデルでは初のマイチェンを実施。マフラーのヒートガードを大型化し、色を銀→黒に。STDは上下対応のクイックシフターを標準で備え、上級版のRは新たに可変ピボット機構やステンメッシュのフロントブレーキホースを採用した。
「No.1スポーツバイク」をコンセプトとして、エンジンと車体が調和した「走る・曲がる・止まる」の基本設計を徹底的に見直すとともに、MotoGPで培った技術を採用することでさらに進化させ、高次元でバラン[…]
ホンダ CBR1000RR/SP:熟成を極めし駿馬
’92年の初代900から数え、27年目を迎えたSSの元祖。’17の全面刷新で15kgもの減量に成功し、直4エンジンを搭載するスーパースポーツでは最軽量級に躍進した。’19モデルでは電脳をブラッシュアップ。9段階式のトラコン=HSTCは、旋回中のタイヤ周長変化を感知し、精緻な制御が可能に。ウイリーの抑制が独立制御となったほか、電スロの駆動速度向上によってアクセルの応答性も高めた。同時に車体色の一部を変更している。
水冷4スト直4DOHC1000ccエンジンを搭載する大型スーパースポーツモデル・CBR1000RR&CBR1000RR SP。"操る楽しみ"をさらに進化させるために電子制御機能がブラッシュアップされる[…]
カワサキ ニンジャH2カーボン/H2R:231馬力で異次元に突入
2輪市販車で世界初のスーパーチャージャーを搭載し、圧倒的な加速という独自の世界観を追求。登場5年目の’19では26ps増で驚異の231psに到達し、最新のブレンボ製Stylemaキャリパーを獲得した。さらに同社初のスマホ接続機能やETC2.0車載器も導入。全グレードで小傷を自己修復するハイリーデュラブルペイントを採用した。’19年からH2カーボンの国内仕様も設定(受注販売)。
2018年9月2日、カワサキが231psにパワーアップを果たした2019年型NinjaH2カーボンが、国内販売予定であることを発表した。価格や発売日については、「準備が整い順次配信」するとされている。[…]
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