2018年10月のインターモトショーから11月のミラノショーにかけて、世界のニューモデルが一気に登場したことは記憶に新しいだろう。WEBヤングマシンでは新車情報を逐一お届けしてきたが、本特集「2019世界の新車総図鑑」にてここまで判明しているラインナップをあらためて整理しておきたい。本稿ではヤマハのLMW、トレーサー、XSRシリーズ等の2019年モデル情報についてまとめた。
[新型]NIKEN GT:異色の大排気量3輪モデルにツアラー版
日本でも発売開始されたばかりのスポーツLMW・NIKENに早くもバリエーションモデルが設定された。ツーリング性能を高めたモデルで、ハイスクリーンや片側25Lのサイドケース、コンフォートシートやタンデムグリップを兼ねるリヤキャリアベース、さらにグリップヒーターやメインスタンド、セカンドDC12Vソケットといった装備が奢られる。さらにグレーとブルーのニューカラー2色が設定され、NIKENの世界をより魅力的なものとしているのが特徴だ。日本仕様への導入時期は未定。NIKEN購入を検討していたライダーには気になるところだ。
[コンセプトモデル]3CT:LMW第4弾はミドルスクーター
TRICITY125/155、NIKENに続くLMW第4弾となるマシンがいよいよ見えてきた。発表された3CTは3Dプリンターで出力されたシートにLEDライトをあしらうなど、まだコンセプトモデルだが、ミドルスクーターであるXMAX300をベースとし、より迅速に&より遠くまでアーバンコミューターとしての能力拡大を目指していることを明らかにした。XMAXは300の他にも共通プラットフォームで400、250、125と展開している世界戦略モデル。3CT市販化の際には一気にLMWを広めることが可能となる。その市販時期については未発表。’19東京モーターショー時に具体的な姿が見えるか。
[新型]テネレ700:ついに市販版が正式発表
MT-07譲りの689cc並列2気筒エンジンを搭載した本格アドベンチャーモデル。そのエンジンはFIセッティング等独自のチューンが施されておりファイナルも最適化されている。フレームは専用の鋼管ダブルクレードル。これにフルアジャスタブルのφ43mmフロントフォークやリヤショックが組み合わされ、リヤのプリロードは工具いらずのリモートアジャスターで調整できるようになっている。本格オフ対応のためABSのオン/オフ切替も可能だ。ヘッドライトは異形のLED4眼。欧州での発売時期は’19年下半期としばらく先。カラーリングは3色となる。
[新型]トレーサー700/GT
MT-07系エンジンとシャーシを持つトレーサー700は、本格アドベンチャーのテネレ700に対し、オンロード寄りのクロスオーバーツアラーとなるモデルで’16に登場。日本では未発売だ。欧州’19ではこのトレーサー700に新たにボディ同色の20Lサイドケースとハイスクリーンそれにコンフォートシートを装備した上級版のGTを追加。ラインナップを強化した。カラーリングはGT、STDともに新色のニンバスグレーと従来継続のファントムブルーの2つを設定。
[新色]トレーサー900/GT
MT-09の兄弟車となるトレーサー900とサイドケースなどを装備した旅バージョンのGTは、ともに’19モデルでニンバスグレー(日本ではブルーイッシュグレーソリッド4)と名付けられているメインカラーを色名そのままに差し色の白を赤に変更。従来よりも高級感が増した印象となった。その他の車体色についてはホイールがブルーのブラックがSTDとGTに、GTにはさらにブルーも設定されている。スクリーンは10段階、シート高は2段階に調整可能なのも900の特徴だ。
[新型]XSR700 Xトリビュート:XSR700のスクランブラー仕様
往年のXT500のカラーリングをモチーフとしたXSR700のスクランブラーバージョンで’19ブランニュー。オフロード走行に対応したワイドハンドルバーやフットペグ、フラットタイプシートを備え、タイヤもピレリ製MT60RSをチョイス。オプションで上の写真のアクラポヴィッチ製アップマウントマフラーも用意されている。このXTributeの登場で、XSRによるネオレトロの世界がダートの世界まで広がった。欧州では’19年4月より発売開始。
[新色]XSR900
ヘリテイジ(伝統・遺産)を標榜するXSRシリーズは、’19ニューカラーとして“ガレージメタル”にグラフィックを施した新色を発表。ヤマハが’70年代のGPレーサーに用いていた赤×白のカラーリングをモチーフとしたもので、まさにヘリテイジにふさわしいものとなっている。同時にシートには赤色のステッチが施された。なお、欧州では’18に登場した赤がなくなり、黒は継続。その他の諸元や車体寸法への変更はない。
[新色]XSR700
XSRは700にも、900と同じく’70年代ヤマハGPマシンカラーをモチーフとしたガレージメタルの新色を設定。ディープアルミニウムシルバーのタンクボディーにソリッドブラックで縁取った赤い横ストライプがあしらわれている。この新色は900ともども欧州では’19年3月から発売開始。欧州700には、ほかに単色のブラックも設定される。なお、’19モデルはカラーリング以外の諸元や仕様に関して変更はなしだ。
[新型]XMAX300 アイアンマックス
共通プラットフォームをベースに多排気量展開を行っているグローバル戦略モデルのXMAX。欧州では300と125および400に“IRON MAX”と名付けた上級バリエーションを’19で追加。ソードグレーのボディカラーに、バックレストの付いたスペシャルシートやアルミニウムのフットレストを装着。他にもレザー調のインナーパネルとクロムリングが施されたメーター、テールランプもスモークレンズになるなど、大幅に質感が高められている。
[新色]VMAX
ユーロ4未対応のVMAXは日本と欧州では生産終了となったが、規制基準の異なる米国では販売継続となる。’19 モデルは全身ブラックにまとめあげたカラーリングを設定。怒涛のトルクや迫力のボディサイズと相まって、VMAXのマッシブな魅力が満ち溢れた仕上がりとなっている。1700cc V4エンジンや6ポットのフロントキャリパーなど、仕様や諸元は従来から変わりなし。電子制御スロットルを装備しているが、トラコンやパワーモードはなしだ。
※ヤングマシン2019年1月号掲載記事をベースに再構成
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