221psという驚異のスペックで2019年モデルの話題をさらったドゥカティの新型PANIGALE V4R(パニガーレV4R)の試乗会がスペインのへレスサーキットで実施された。そこで収録されたオンボード映像をお届けしよう。
1万7000rpmのメーターはダテじゃなかった
2018年11月30日、スペイン南西部のへレスサーキットで新型パニガーレV4Rの試乗会が実施された。そこで収録されたオンボード映像には、驚異の高回転型エンジンの実力が映し出されていた。へレスは、スペインGPでお馴染みのテクニカルコースで6速全開領域は見ることはできない。それでも他のスーパースポーツモデルでは見られない回転域での走行は異様と言ってもいいもの。11月5日に発表された公式リリースでは、レブリミッターは1万6000rpmで6速のみ1万6500rpmと記載されていたが、バックストレートでは4速でも1万6500rpmまで引っ張り切っており(トップ画像は5速に入った瞬間)、1万7000rpmスケールのメーターをほぼ完全に使い切っていたのだ。
気になるラップタイムは?!
へレスサーキットでは、11月末にスーパーバイクとモトGPのテストも実施され、その期間に記録されたドゥカティ勢のラップタイムで比較してみたい。まず、11月26~27日にかけて実施されたのがスーパーバイクチームのテストで、アルバロ・バウティスタ選手がパニガーレV4Rレーサーで1分39秒845をマーク。そして、11月28~29日に実施されたモトGPのテストにスーパーバイクライダーのバウティスタ選手も参加しデスモセディチGPで1分38秒830。そして、今回のパニガーレV4Rのオンボード動画は1分44秒93を記録している。
同じリッターV4エンジンのモデル違いではあるが、まず、デスモセディチGPとパニガーレV4Rレーサーのタイム差が約1秒しかなく、さらにパフォーマンスキットを装着したパニガーレV4Rは同ワークスレーサーの5秒落ちという結果に。色々な解釈ができそうだが、デスモドロミックというバルブ機構がモトGPマシンと共通のパニガーレV4RはモトGPマシンに最も近い位置にいると言えるのではないだろうか。
パニガーレV4Rは乾式クラッチの採用を追加発表
11月5日に正式発表時から約1か月が経過し、今回新たに乾式クラッチの採用が追加発表された。パニガーレV4Rは、48Tのディスクセットを備えたSTM EVO-SBKクラッチを採用。ディスク径は138mmで、9枚のクラッチプレートと9枚のフリクションディスクから構成されている。乾式クラッチは、アグレッシブなシフトダウン時にもスリッパー機能がより効果的に働き、スロットルオフ時のあらゆる状況でより滑らかな挙動を実現する。これはドゥカティパフォーマンスアクセサリーから入手可能な、標準仕様とは異なるセカンダリースプリングを装着することによって、エンジンブレーキのレベルを機械的に調整することが可能だ。また、エンジンオイルによる潤滑がないためオイルの抵抗を受けないこと、ディスクの摩耗カスが潤滑回路に混入しないためエンジンオイルの汚れが少なくなるのもメリットとして挙げられる。
ニュース提供:ドゥカティ
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