打倒CBR250RRのスーパースポーツ

【スクープ】スズキGSX-R250 謎の特許を徹底分析

2015年9月号で本誌がスクープしたスズキGSX-R250と思われるモデルの特許が2018年5月に公開された。そこに掲載された図面によるとメカニズムはCBR250RRに肉薄するもの。果たしてGSX-R250のポテンシャルは?! ※ヤングマシン2018年7月号(5月24日発売)より

公開された特許公報に戦闘的なスタイルを掲載

フルモデルチェンジしたニンジャ250の登場で、ますます熱くなっているニーゴースーパースポーツクラス。その中にあって、本誌は度々、スズキがGSX-Rシリーズの末弟として、新開発の水冷ツインを搭載したGSX-R250を開発していることを過去報じてきた。そして今回、スズキが新たに公開した特許の中に、その存在を確信させるものを発見したのだ。

メカニズムについては次の本文で詳細に解説しているが、まず見ていただきたいのが特許公報に掲載されていた車体の外観図。本誌がこれまで追い続けてきたGSX-R250(仮称)であろう姿が、スズキの手によって描かれていたのだ。それは、GSR250をベースにした既存のGSX250Rとはまったく異なる戦闘的なスタイルで、低く前に突き出たノーズから高く吊り上がったテールカウルにつながる、いわゆるウェッジシェイプを採用。さらに、シートカウルから吊り下げられたテールランプは、プロダクションレーサーに改造しやすいようにする、独自の工夫と思われる。

【SUZUKI GSX-R250(仮称)】スズキが公開した特許に掲載されていた図面。ハンドル位置も低いことから、ライバルはズバリCBR250RRだろう。

【HONDA CBR250RR】並べてみるとシルエットはそっくり。かなりレーシーだ。

勝つための要素は全て揃えた

新たに公開された特許の内容は、「エアクリーナー配置構造」と「燃料配管構造」というものだが、それを説明するために様々な図版が用いられている。そして、我々はそれらの図版を精査。すると、GSX-R250の装備の数々を解明することができたのだ。まず、エンジンについて。既存のGSX250Rが、低中速を重視したロングストロークの水冷SOHC2バルブ並列2気筒なのに対し、GSX-R250は同じ水冷並列2気筒でもDOHC4バルブを採用しているだろう。吸気、排気それぞれ2本のバルブを備えた4バルブは、それぞれ1本の2バルブと比べてはるかに充填効率が高い。そして、吸気、排気それぞれにカムシャフトを備えたDOHCは高回転化に必須の装備といえる。

さらに、フューエルインジェクションのスロットルボディにも注目。GSX250Rは、後ろからへ吸気が流れるホリゾンタルだが、GSX-R250は上から下へ吸気が流れるダウンドラフトを採用。吸気通路が直線的になるので、充填効率の高いエンジンにすることができる。また、レースのAP(アジア・プロダクション)250で認められているラムエアシステム(走行風圧を利用して加給する機構)を装着しやすいのもポイントだ。

【右 GSX-R250】エキゾーストポートが2つあることから並列2気筒と判明。ステアリングヘッドの後ろから下側に伸びたエンジンハンガーが、シリンダーヘッドを左右から挟み込むようにマウント。捩れ剛性は高いと思われる。【左 GSX-R250】YZF-R25 では1本しか走らせていないメインフレームはCBR250RRで2本となったが、それと同構造を採用している。ただし、上下を渡すパイプの本数はCBRより少ない。

ラジアルマウントキャリパーはCBRより上の装備

一方、車体も最新のスペックに迫るものだ。すなわち、フレームは上下に並べた丸パイプをメインチューブとしたツインスパータイプで、エンジンをリジッドマウントすることで軽さと高剛性を両立。これに、リヤはリンク式のモノサス(GSX250Rはリンクレスのモノサス)、フロントに倒立フォーク(同じく正立フォーク)を装備。プロダクションレースでも十分に勝てる内容としている。さらにブレーキは、倒立フォークの形状からしてラジアルマウントであるのは間違いなさそう。この点は通常のブレーキとなるCBR250RRを上回る部分だ。もちろんABSも装着するハズだ。

【CBR250RR】2本のパイプを上下に渡すことによってアルミツインチューブなみの剛性を確保した鋼管トラスフレーム。剛性や軽さを高次元でバランスさせている。

【右 GSX-R250】この図では分かりにくいが、他の図ではスロットルボディの横にプーリーが描かれている。つまりワイヤー作動なのだ。【左 CBR250RR】電子制御スロットルを採用することで、上質な加速フィールを実現。3種類のライディングモード設定も可能だ。

新しい油冷方式を導入したシングルスポーツも開発中

特許の公開で、そのメカニズムの細部にわたって白日の下にさらされたGSX-R250。だが、スズキには、もう1つの新型250スポーツの存在が噂されている。油冷シングルスポーツのジクサー250(仮称)だ。同車については5月号に詳しいが、改めて紹介すると、エンジンは燃焼室付近にオイルの冷却通路や、吸排気ポートの間にオイルジャケットを設けた〝循環型油冷方式〞を採用。初代GSX-R750をはじめとする従来の油冷方式とくらべ、オイルを速い速度で循環させることで、シンプルでありながら効率的な冷却効果を達成。結果的に、軽量・高性能なエンジンを実現することが可能なのだ。

そして、この循環型油冷方式の特許公報にはサリーガード(インドの女性が着用するサリーがリヤホイールに巻き込まないようにするもの)が装着されたネイキッドスポーツの側面図を掲載。このことから本誌では、インドで生産されるジクサー(155cc)の次を見据えたシングルスポーツに採用されると予想。さらに、現行のジクサーと同様にフルカウル仕様(SF)が設定されると考えるのが自然だ。では、水冷2気筒のGSX-R250と循環型油冷単気筒のジクサー250のどちらが市販されるのだろうか。GSX-R150はインドネシアで、またジクサー(155cc)はインドで生産され大ヒットした。そのことから、発展型の250もそれぞれの地域で別々に生産され、日本へ導入される可能性も残されているが…。

【SUZUKI GSX-R250(仮称) 登場時期:調査中 デビュー可能性:5%】特許公報に掲載されていた側面図を元に、GSX-Rシリーズのグラフィックを書き入れて仕上げたのがこのCG 。

【SUZUKI GIXXER250(仮称) 予想登場時期:2018年秋 デビュー可能性:50%】もう1つの新型250スポーツ、油冷シングルスポーツのジクサー250(仮称)がウワサされている。詳しくはこちらへ。

ニュース提供:ヤングマシン2018年7月号(5月24日発売)
「ヤングマシン誌スクープが海外にも波及」記事はこちら

いち

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本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

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