マシン・オブ・ザ・イヤー2018
欧州で試乗会が開催

【第2弾】NIKEN=ナイケンの試乗インプレッション

トリシティに次ぐヤマハ3輪の本命がついに走り出した。2018年5月中旬からオーストリアで実施された試乗会にスペインの「SOLO MOTO」誌が参加し、本誌にレポートを提供してくれた。前回の英国メディアに次いでその内容をお届けしよう。

2輪と同等の俊敏さに3輪の安心感が共存

数週間前、二輪業界に詳しい知人がもうすぐヤマハのナイケンが発売するだろうと教えてくれた。すでに私はヤマハの人に聞いて言いて、疑うことはなかったが、知人は少し信じていないような感じではあった。まあいいだろう。私はナイケンでオーストリアのアルプス地方、チロルで300㎞以上の走行を終えた。だから、私はナイケンが存在していることを身をもって証明できるし、ヤマハは私たち全てのジャーナリストにナイケンが発表時と変わらぬ姿を貫いていることを示してくれた。
ナイケンは特殊なバイクで個人的にも試乗したいと強く願っていたが、実際に乗っても落胆することはなかった。それどころか、ナイケンに乗ったことは驚きだった。そして愉快だ。ナイケンをテストする前、幸運なことに現在発売している前2輪の3輪モデルに試乗することができた。そしてそれらのモデルは、フロントの安定性と安全性を考慮する一方、コーナリングでの俊敏性が犠牲になっている感じだった。しかし、ナイケンで驚いたのは通常の2輪と同等の俊敏さを確保していたことだ。だが、同時に3輪スクーターの特徴でもあるフロントの接地感と安心感もあって、その感覚が私の手を通して明確に伝わってきた。
ヤマハの目的はまさにそこにあって、全ての人にハイパフォーマンスな走りをセーフティに楽しめるバイクを提案することだ。この安心感に並ぶものは現在のところないだろう。最初の数kmはフロント2輪に慣れる必要があったとはいえ、今日走ったワインディングで、ナイケンは非の打ち所のない走りを見せてくれた。

【YAMAHA NIKEN 2018年型欧州仕様 価格:1万6349ユーロ(約204万円、スペイン)】イギリスでは1万3499ポンド(約195万円)イタリアでは1万4990ユーロ(約187万円)で発売する。為替の変動で、前回のインプレ掲載時より円での価格は下がっている。スペインの価格は少し高めだ。写真はストリップ状態のもの。

ナイケンは3つのホイールを持ったバイクだ

ナイケンは見た目のイメージ程重くはない。車重が263㎏あるのは事実でやはり軽いとは言えないが、長距離ツアラーよりは軽快なのだ。そして、動きには制限があり、ナイケンのバンク角は45度(フットレストのバンクセンサーが知らせてくれる)までだ。天候の変化には強く、雨が降っても(ルート最初の部分では実際に降っていた)グッドコンディションでも路上で素晴らしい時間を過ごすことができる。これは前2輪の大きなアドバンテージだ。加えてエレクトロニクスもナイケンに投入されており、快適性を高めている。特にフルバンクでアクセルを開けた時にはトラクションコントロールがあるのはありがたい。他にはクイックシフトや3段階のモード切替、ABSなど…。
走りだけではなく、ライディングポジションも親しみやすかった。300㎞以上走行した後、夕食を共にしたジャーナリスト仲間も同意見だ。比較対象としてトレーサー900を挙げてみると、ナイケンはバイクとの一体感が高い。パイプハンドルはかなり幅広で、力を使わなくてもハンドル操作が容易になっている。また、大きなスクリーンを装備していないにも関わらず、走行風は肩に当たるだけだった。試乗でアルプスの美しいルートを走っている時、私はナイケンをスポーツバイクというよりはスポーツツアラーという印象を受けた。どんなにハードなコーナーでも不安になることがなく、この個性は他のバイクにはないものだ。
純粋なライダーはナイケンのことをバイクではないと言うかも知れないが、私はそんな過激な考えではない。私にとってナイケンは3つのホイールを持ったバイクである。実際乗ってみれば私の言っていることが納得できるだろう。そして2輪に不安がある人にとっては、新たな選択肢ができたと言えるだろう。ナイケンに乗って旅をしたら必ず気持ちが変化するはずだ。価格は1万6349ユーロ。ここまで革新的なコンセプトのモデルにしては決して高くはない、でしょ?

主要諸元■全長2150 全幅885 全高1250 シート高820 軸距1510 最低地上高150(各mm) キャスター/トレール=20°/74mm 車重263㎏(装備)■水冷4スト並列3気筒DOHC4バルブ847cc 115ps/10000rpm 8.9㎏-m/8500rpm 燃料タンク容量18L■タイヤF=120/70R15 R=190/55R17

ニュース提供:SOLO MOTO(スペイン)
テスター:Jordi Mondelo
「NIKEN=ナイケンはアッカーマンステアで旋回」記事はこちら
「NIKEN=ナイケンの試乗インプレッション①」記事はこちら

いち

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本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

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