2018年5月23~25日に横浜で開催された人とくるまのテクノロジー展でSHOWA(ショーワ)が新しいステアリングダンパーとリヤショックを発表した。ともに電子制御式で設定が自動調整のライダー支援技術となる。
ステダンの特徴も「早さ」にあり
SHOWAの電子制御ステアリングダンパー「SHOWA EERAステアリング」は、デモ機が展示された。実際にハンドルを左右に切ることができて、設定をHARD←→SOFTに振ることができる。最もハードな設定にするとかなり強くダンパー(減衰力)が効くようになり、高速走行では安定しそうだ。逆に最もソフトにするとほとんど抵抗がなくなった。交差点などではこの方が自然に曲がれるはずだ。機械式のステアリングダンパーでは、走行しながらダンパー調整をすることはできないので、速度に応じて硬さを調整する電子制御式がこの10年くらいでハイエンドモデルに普及している。SHOWAも電子制御が進んだ現代のニーズに応える形でイーラ―ステアリングを開発。特徴は、既にZX-10R SEに搭載されている電子制御サスと同じソレノイドバルブでダンパーの調整をしていることで反応が早いのがウリだ。また、制御ソフトも一体で開発されていることから速度だけでなく、もっと複雑な状況に対応してくれることもありそう。今回は、システムの詳細は発表されなかったが、2018年のミラノショーで続報がありそうだ。
リヤショックは自動プリロード調整
2018年型のカワサキZX-10R SEに採用されたショーワの電子制御サスペンションは、前後サスのダンパーを自動で調整する「SHOWA EERAバランスフリーダンピングフォース」というもので、スプリングの硬さの強弱は機械調整式だ。そして、今回ショーワが展示した「SHOWA EERAライドハイト」はスプリングの硬さの調整を自動で行うシステムで、実際に作動する様子をデモ展示していた。このシステムの目的は、足つき性の調整をリヤサスのプリロード調整で行うというもの。すでに新型ゴールドウイングがSHOWAの電動油圧式のプリロード調整をリヤショックに採用しているが、こちらは二人乗りなどの設定によって硬さを調整するのが目的だ。メーカーやモデルによって活用法は様々なものが想定されるが、技術自体は確立されているので、スポーツバイクにダンパー&プリロードが電子制御のフルアクティブサスが実現する可能性もあるかも知れない。
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