マシン・オブ・ザ・イヤー2018
前後サスが改良された

2018新型MT-07を旧型と比較試乗インプレ

2018年4月10日発売した新型MT-07が編集部にやってきた。外観をよりマッシブに刷新しただけでなく、足まわりが強化された走りはいかに?! 当WEB執筆メンバーの「いち」がレポートする。

乗り比べると新型の方がいい

4月14日に記事にしたMT-09とMT-09SP比較に続いて、今度はMT-07の新旧比較をお届けしたい。前回の09と同じく走りに影響するのはサスの改良が大きい。ヤマハの発表によると新型MT-07はフロントサスはバネ定数と減衰力を高めに設定、リヤサスは伸び側減衰力の調整機構を追加し、バネ定数を高めたとされている。また、欧州のソロモト誌によると「フロントフォークは減衰力が16%向上しスプリングが6%硬くなった。リヤショックはスプリングが11%硬く、伸び側が27%、圧側では40%減衰力が高められている」というデータがある。

それでは従来型と新型を乗り比べてみた印象はというと、新型は確かに腰がある足まわりになっているのが確認できた。跨るとMT-09SPほどどっしりとはしていないが、初期の柔らかい動きのなかにもしっとりとしたダンパー(減衰力)が効いており上質感がアップ。走ってみても前後のピッチングの動きが少なく、ブレーキングでもフロントサスが沈み込む量が抑えられている。またギャップに対する振られにも強かった。

モタード的なコンセプトでスタートしたMTシリーズのサスは、よく動くようにセッティングされており、従来型の走りにも熱中できるものがあるのは間違いない。しかし、どちらがいいかいうと安定感のある新型に軍配が上がるだろう。ライディングでバイクとの一体感が高まるだけでなく、より体格が大きなライダーにも対応するだろう。

フロントフォークは内部だけを変更、リヤショックは伸び側減衰力調整がついている新しいものに入れ替えられた。これらだけでも随分走りの印象が変わるのだ。

シートの改良もよく分かる

快適性とライダーの自由度を高めたシートは着座面積が30%拡大していると発表された。実際跨ってみると、前側部分のフィット感が増しているような感じで、ニーグリップ部分もぴったりくるのは新型の方だった。だが、筆者が良かったと感じたのはシートの後ろの部分で、初めてMT-07に乗った時から気になっていたレプリカモデルのようなカウルから伝わるダイレクトな硬さが解消されたのだ。前傾してコーナリング中に腰を預ける時の感触が優しく、、というか標準的なものになった。

見比べると前方も後方もシート面積が拡大されていることがよく分かる。タンク下のニーグリップ部分も新型の方がフィット感が高い。

スパルタンなのは従来型の方

サスやシートの改良で完成度が増した新型MT-07だが、よく動くサスやオフロードバイクのようなシートなど、個性が強いのは従来型だ。MTシリーズの当初の志は否定すべきものではなく、新たな提案だったと言えるだろう。対して新型は王道のまとまりへと向かう方向性となっており、CB400SFが熟成していたった流れに近い感じだ。もっともこれはMT-07の素性がいいからに他ならず、新型の進化は今後MT-07がスタンダードモデルとして地位を確立していく第一歩となるかも知れない。

欧州におけるMTシリーズの販売台数の推移。MT-07の支持率(灰色の部分)は圧倒的で、日本におけるCB400SFのような存在とも言えそうだ。それだけに王道的進化が求められるのだろう。

「2018新型MT-07は外観&サス刷新で4/10発売」記事はこちら

撮影:長谷川徹(トップ写真)

いち

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本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

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