マシン・オブ・ザ・イヤー2018
ブリスターカウルの攻防

モトGP空力戦争2018の陣

2018年1月26日の記事でホンダの新型ブリスターカウルを速報したが、オフィシャルテスト2日目が終了し、ヤマハやKTM、アプリリアなど各メーカーのエアロ対策が見えてきた。それらをまとめて紹介しよう。

HONDA

エアロに消極的なペドロサもテスト

青山博一監督が先陣を切って走らせたブリスターカウルをレギュラーライダーもテスト。2017年シーズンは、M・マルケス選手よりもかなり小ぶりなインナーカウル型ウイングを使用していたD・ペドロサ選手は、このブリスターカウルをどう評価するのだろうか?

上段がCGでカラーリングを施した2018年型RC213Vのブリスターカウルで下が2017年タイプ。大きく横に張り出して風を受けやすい構造になったことが分かる。2017年タイプはカウルの内側にウイングを2枚セットしているが、2018年型でも内側の空間にウイングを追加してダウンフォースを調整することもありそうだ。

YAMAHA

2017年末の改良版を投入

ヤマハのブリスターカウルはドゥカティやホンダのボックス形状のタイプとは異なり、横に張り出した細身の三角形状だ。2017年11月に実施されたバレンシアでのテストで初めて登場した時から改良されていると言うが、大きな方向性の違いはなさそう。ヤマハによると昨年テストされたものも「事前にテクニカルダイレクターの承認を受けた2018シーズン用のプロトタイプフェアリング」だったという。

SUZUKI

現状は2017年末仕様を継続

スズキは2017年10月の日本GPからヒゲのような形状のブリスターカウルを投入。まだ実戦投入してから間もないからか、2018年型もこれを継続してテストを開始した。しかし、情報によるとスズキも新形状のフェアリングを開発しており、いずれ新たなタイプがお目見えしそうだ。

DUCATI

ドゥカティも2017年カウルを継承

2017年のプレシーズンテストでなかなか手の内を見せなかったドゥカティは、8月のチェコGPでようやくブリスターカウルを実戦投入した。最後発だけあってサイズは当時最大。ライバルメーカーとしては「これでもOKなのか?!」という心境だっただろうか。2018年になって各メーカーがこぞってブリスターカウルを投入するきっかけとなったのは間違いない。

KTM

ドゥカティやホンダと同タイプだか長さは最大?!

KTMのRC16がテストに投入したのは、ドゥカティやホンダと同じボックス形状で縦に長いのが特徴。間に一枚ウイングを挟んでおり、最大限ダウンフォースを稼ぐ構造となっているようだ。

APRILIA

シンプルなボックス形状を採用

カウルの横に四角い箱をつけただけといったシンプルさのアプリリアは2017年末にこれを投入。アプリリアのすごいところはこれをいち早くRSV4のキットにしてしまったことだ。市販車でもブリスターカウルの効果を確かめることができる?!

【APRILIA RSV4 KIT FACTORY WORKS】2017年11月のミラノショーでRSV4RFにキットパーツが組み込まれたモデルが展示されており、それがこのブリスターカウルを装着していた。形状はモトGPマシンのRS-GPとそっくりだ。

今後は市販車のアクセントにウイングが投入される?!

すでに’17GSX-R125/150のアクセサリーにあり、アプリリアの’18 RSV4 KITファクトリーワークス車にも採用されたウイングやブリスターカウルの類。ブレーキレバーのレバーガードのようにモトGPのトレンドはすぐに市販車に反映されるのが常、すぐにでもパーツが製作・販売されそうだ。

【SUZUKI GSX-R150】2016年11月のインドネシアモーターサイクルショーに出展されたGSX-R150のカスタム。モトGPのウイング最終年の作とあって装着されているのは後付けウイングだが、これがRSV4のようにボックスになることもあるだろう。実用性はともかくファッション感覚でも楽しめそうだ。

撮影:佐藤寿宏(セパンテスト分)

いち

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本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

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