エンジン以外も全てが野心作

完成間近の2スト250スポーツが超先進的

イタリアは北部のマラネッロに位置するバイクメーカーのVINS MOTORS(ヴィンスモータース)が、2017年11月のミラノショーで世界初公開したDUECINQUANTA(ドゥエチンクアンタ)はV型2気筒の2スト250ccモデル。排ガス規制のユーロ4をクリアする公道モデルで、現在もベンチテストを行っている。

レーサー仕様は80psと発表

2017年夏にKTMが2ストロークFIで公道走行も可能なエンデューロモデル250EXC TPIを国内で発表して話題となったが、今度はロードスポーツで排ガス規制のユーロ4をクリアするという2ストマシンがミラノショーで登場した。直噴FIを採用し最高出力は未発表ながら約70psとされ最高速は200㎞/hを謳う。さらに排気量が288ccに拡大されたレーサー仕様(Competizione)は80psで最高速は240㎞/hと発表されている。エンジンは90度V型2気筒で逆回転クランク方式だ。

【VINS MOTORS DUECINQUANTA 2017ミラノショー発表プロトタイプ 価格:公道仕様4万ユーロ(約536万円)、レーサー仕様5万ユーロ(約670万円)】イエローに塗装されたモデルが公道仕様。タンク部にはシリアルナンバーも刻印されている。ヘッドライトやナンバープレートホルダーが装備されており、公道走行を前提に開発されているのが分かる。

エンジン以上に車体設計にも注目

ドゥエチンクアンタは車体設計が独創的なのも注目で、フロントサスマウントとダクト入口を一体化した金属フレームを核とし、ラジエターはダクト内に設置、フロントサスはダブルウィッシュボーン方式を採用している。車体の後半セクションはカーボンモノコックフレームとし前後スイングアーム、ホイールもカーボン製となっており車重は公道仕様が95㎏、レーサーが85㎏という超軽量な仕上がりだ。リヤサスペンションもユニークでフルフローターの水平横置き方式とも言える設計。リヤショックを左右のリンクが挟み込むようにマウントし、スイングアームが上昇すると両側から圧縮する。

水冷エンジンのラジエターは一般的なモデルだとエアクリーナーエレメントが設置される位置にセットされている。小型だがダクト内は空気の流入量が多いため冷却性能を確保。フロントのダブルウィッシュボーンサスはホンダが2018年モデルのゴールドウイングで採用したことでも注目を浴びているメカ。摺動抵抗が少なく剛性が高いため、重量増を克服すればスポーツモデルにもマッチすると考えられたが、ドゥエチンクアンタはカーボン素材とすることでクリアしているようだ。リヤショックは横置きの両挟みタイプで、スペース効率に優れるマウント方式とも言えるだろう。

まだまだ2ストでもイケるのか?!

ドゥエチンクアンタの詳細情報は少ないが、今後の2ストロークの可能性についてはKTMの試みがヒントになりそうだ。「燃料噴射装置は、エンジンシリンダーの掃気ポートに2つのインジェクターを配置し、燃料消費を大幅に削減したほか、2ストローク車両の走行に必要とされる混合燃料の作成(燃料とオイルのプレミックス)や、様々な気候条件に応じて必要とされるジェット交換を不要にしました。このニューモデルには、新設計のスロットル・ボディに加え、新しいECUや最適な点火タイミングと燃料噴射を制御する各種センサーを内蔵したEMS(Engine Management System / エンジン・マネジメント・システム)を搭載しています」(KTM250/300EXC TPIのリリースより)。250EXC TPIはFIを採用することにより様々な利点があるが、ナンバープレート装着時のパフォーマンスよりもレーサーで本領の約50psを発揮するようになっており、基本的な用途は競技を楽しむためのもの。ドゥエチンクアンタが、ユーロ4に対応した公道仕様で約70psと言われるパフォーマンスを発揮するのかは興味深いところだ。

ドゥエチンクアンタのエンジンは90度V型2気筒で、2つの逆回転クランクを備えるということから2軸だと思われる。中段の写真はドゥエチンクアンタのエンジンパーツで、ケースは削り出しとなっている。最下段の写真はKTMの2ストFIエンジン。オフロードモデルで世界初の試みだ。

主要諸元■全長1987 全幅596 全高1100 軸距1380(各mm) 車重95[85]kg■水冷2ストV型2気筒 249[288]cc 最高出力未発表[80ps] 変速機6段リターン■タイヤサイズF=110/70ZR17[100/70R17] R=150/60ZR17[120/70R17] ※[ ]はレーサー仕様

ニュース提供:VINS MOTORS

いち

いち

記事一覧を見る

本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

この著者の最新の記事

関連記事