『自二車は中型二輪に限る』

特集:あの頃の中型【映像で蘇る青春名車走行インプレッション】

昭和50年(1975)10月1日に免許制度が改正され、401cc以上のバイクに乗るためには大型免許(=限定なしの自動二輪免許)が必要になった。しかも、大型免許は教習所で取得することができなくなり、運転免許試験場で実技試験をクリアすること(いわゆる限定解除)がマストとなった。これにより難易度は急上昇し、以降、国内の市場は中型バイクが主流となっていく。本特集ではレプリカブーム以前、中型黎明期のヒット作を走行映像&インプレッションも交えて紹介する。

#1:スズキGS400 vs ホンダHAWK2(ホーク2)

昭和51~53年「2気筒の時代」

スズキGS400は、2スト専門メーカーとも言えるラインナップを展開していたスズキが手がけた、GS750に続く4ストマシン第2弾。エンジンはこのクラスでは当時唯一のDOHC2気筒で、180度クランクを採用した。対するホンダ ホーク2は、CB400フォアの後継モデルとして登場。360度クランクや2軸バランサーを採用したSOHC3バルブ(吸気2、排気1)の並列2気筒エンジンを搭載し、最高出力は40ps。CDI点火、コムスターホイールなど、魅力あるメカを採用していた。

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スズキGS400 vs ホンダ ホーク2

#2:カワサキZ400FX

昭和54年「4気筒再び」

それまで全盛を誇った2気筒のブームを収束させたのが、カワサキのZ400FX。CB400フォア以来途絶えていた待望の4気筒は、DOHCヘッドを採用し一気にナンバー1セールスを記録した。来るべき’80年代に向け、次期戦力機としてFXが投入されたのは、昭和54年(’79)の春。角張ったフォルムの大柄な車体はZシリーズの上級モデルを思わせ、発売されると瞬く間に中免ライダーを虜にしたのだ。

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カワサキZ400FX

#3:ヤマハRZ250/RZ350

昭和55年「2ストの台頭」

1970年代(昭和45年~)、国内における250ccクラスの人気は低迷していた。車検がないためコスト的に有利だが、当時は車体設計が400ccと共通化されるのが普通で、多くのモデルに350ccや400ccの上級モデルが存在していた。そのため、どうしても格下グレードの印象が拭えず、250ccは魅力に乏しかったのだ。そんな時代背景の中、’79年(昭和54年)の東京モーターショーにRZ250は鮮烈デビューを果たした。レーサーの技術をダイレクトにフィードバックするというレプリカの手法で登場した公道版TZに人気が殺到、見事に2ストが返り咲いたのだ。

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ヤマハRZ250/350

#4:ヤマハXJ400D & ホンダCBX400F

昭和54~57年「4気筒全盛」

1979年(昭和54年)、カワサキのZ400FXで火ぶたが切られた400㏄4気筒ウォーズに、2番目に参入したのはヤマハだった。FXに遅れること約1年、’80年(昭和55年)6月に発売されたXJ400は、やはり空冷2バルブDOHCエンジンを搭載していた。バーハンドルで2本リヤショック、フロント19インチで車格も大柄…と、FXとの共通点は多かったが、これは当時最良と思われるスペックを集めた結果である。一方のホンダは、ヨンフォアの生産終了後、2気筒のホークⅡ、ホークⅢをリリースしてきたが、ついに’81年(昭和56年)11月、400cc戦線に突入。CBX400Fが解き放たれたのだ。さすがに最後発だけあり、エンジンは空冷DOHC4バルブを採用した超コンパクトな並列4気筒を新開発。最高出力はクラストップの48psを発揮したのだ。

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ヤマハXJ400D&ホンダCBX400F

#5:ホンダCB400フォア

昭和51年「元祖中型限定」

CB400FOUR(CB400フォア)は、CB350フォアをベースとしたリニューアルバージョンとして’74年12月(昭和49年)に発売。クラス唯一のSOHC4気筒エンジンを登載、海外で流行の兆しのがあったカフェレーサーのスタイリングを取り入れ、低いコンチハンドルや管楽器のように美しい集合マフラーを備えて話題となった。当初は、408ccの排気量だったが、’75年10月(昭和50年)の免許制度改正により、’76年3月(昭和51年)からは398cc仕様も用意された。

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CB400FOUR

※取材協力:ZEPPAN UEMATSU
※ヤングマシン2009年9月号掲載コンテンツをベースに再構成