【電子制御CVT“YECVT”がツーリングで効きまくり!?】ヤマハ「NMAX155」 ’26モデル試乗レポート

大型クラスのTMAXを筆頭に、軽二輪クラスのXMAX&NMAX155、原付二種のNMAXと4モデルのラインナップを持つヤマハのスポーツスクーター・MAXシリーズ。低回回転域のトルクと高回転域の伸びを両立するVVA(可変バルブタイミング機構)に加え、2025年のモデルチェンジでNMAX155は電子制御CVT(YECVT)を搭載。これによりNMAX155は155ccスクーターとは思えない楽しい走りを手に入れた!!
●文:谷田貝洋暁 ●写真:真弓悟史 ●BRAND POST提供:YAMAHA [Y’S GEAR]
2026年1月にカラーリングの刷新を行い、セミグロスの高輝度シルバーを含む新色が発表された’26モデルのNMAX155。カラーリングは写真のシルバー(ライトブルーイッシュグレーメタリック 9/新色)に加え、マットダークグレー(マットダークグレーメタリック 9/新色)とブルー(ディープパープリッシュブルーメタリック C/新色)の3色展開。価格は税込45万9800円。
NMAX155が装備している電子制御CVT“YECVT”とはなんぞや?
アイドリングストップ機構、トラクションコントロールシステム、VVA、多機能4.2インチTFTメーターといった先進機構が多数搭載されているNMAX155。電子制御CVTを採用する現行スクーターは2026年現在、ヤマハのNMAX155だけ!
エンジン回転域で吸気バルブのカムプロフィールを切り替えるVVAやアイドリングストップ、トラクションコントロールシステムなどなど。先進的な機能を155ccの軽二輪スクーターのボディにこれでもかと詰め込んだNMAX155。’25モデルからこれらの機能に加えて搭載されたのが“YECVT”だ。
“YECVT”を搭載したNMAX155のエンジン。
この“YECVT”は、Yamaha Electric Continuously Variable Transmissionの頭文字で、早い話が“ヤマハの電子制御CVT”。通常、車速やエンジン回転数によって決まってしまうプーリー&ベルトによるCVTの変速比を、電動モーターによりライダーの任意のタイミングで変更できるようにした機構である。つまりCVTのオートマチックな変速比を、MT車のシフトダウンと同じようにライダーの意思で操作できるようにしているというわけだ。
これら電子制御CVTは、2000年代のビッグスクーターブームの後期にバイクメーカー各社が積極的に取り組んだ技術で、中にはあたかもギヤチェンジしたような段階的な変速ができたりするモデルもあったが、ヤマハは2007年に発売したマジェスティ YP250に“「I-S」 システム(インテリジェント・シフト・システム)”という独自の電子制御CVTを搭載。現代のNMAX155に搭載された“YECVT”は、この「I-S」 システムにとてもよく似た機能になっている。
“YECVT”の役割をわかりやすく説明すると、クルマに搭載されている“キックダウン”機能に近い。“キックダウン”はアクセルを瞬間的に強く踏み込むと、CVT変速比が加速重視になりより高い加速力が得られるという機構だ。
“YECVT”は、走行中に左スイッチボックスの「SHIFT」ボタンを押すと作動する。
“YECVT”の場合、左スイッチボックスの「SHIFT」ボタンを押すと、CVT変速比をローギヤード側へ段階的に変更。“YECVT”は3段階の強さで設定でき、1回押すと「1」、さらに押すと「2」、「3」と変速比がよりローギヤード設定になる。
“YECVT”を使うのは、上り坂や高速道路での追い越しなど、瞬間的により強い推進力が欲しいような状況。スロットルを開けながら「SHIFT」ボタンを押すとMT車のギヤを1速落としたかのように加速が力強くなり、さらにもう一度「SHIFT」ボタンを押せば「2」、「3」と段階的に加速が強まる。ちなみに“YECVT”による強い加速を得続けるにはスロットルを開けている必要があり、スロットルを戻すと“YECVT”が解除される。
上り坂で“YECVT”を使うと段階的に強い加速が行え、スポーティに走ることができる。
また意外に便利だったのは下り坂。スクーターをはじめとするCVTエンジンはどうしてもエンジンブレーキが弱く、前後のブレーキによる車速コントロールが必要になるが、長いワインディングの下りなどでブレーキを多用すると、発熱によるフェード現象、もっとひどい状況ではペーパーロック現象を引き起こしかねないワケだが、この“YECVT”の機能でエンジンブレーキを意識的に強めればブレーキの使用頻度を下げることが可能。
下り坂ではエンジンブレーキを強める目的で使える“YECVT”。やはり「1」~「3」と段階的にエンジンブレーキのかかり方をコントロール。スロットルを開けると“YECVT”が解除される。
NMAX155は、スクーター族が苦手とするスポーツランや峠道を“YECVT”で克服することに成功したというわけである。“これはしっかり走って確かめてみねば!”とNMAX155をワンデイのツーリングに連れ出すことにした。
“YECVT”の効用でツーリングが楽しいNMAX155!!
高速道路を使っての遠出もしっかりこなせるNMAX155。
スクーターというと通勤通学などの街乗り用途がメインのような印象があるが、NMAX155に乗ってみて驚いたのはツーリングが楽しいということだ。まず、可変バルブタイミング機構のVVAの搭載で、155ccという小さめの排気量でありながら、信号待ちからのスタートも力強く、それでいて高速道路では、スロットル次第で軽々と100km/h(メーター読みの数値)以上への領域へ加速が可能。
常用域は115km/hまでで、それ以上はジワジワと伸びていき、状況によっては120km/hまで到達するかしないか? といった感じの動力性能を持っている。155ccの排気量を考えれば十分速く、車体の安定感を含めツーリングでの使い勝手も非常にいい感じである。
“YECVT”を搭載したことでツーリングのような走行環境での使い勝手が劇的に向上。
このNMAX155のツーリング適性をさらにアップさせるのが“YECVT”だ。ちょっと高速道路を70~80km/hくらいで走っていて追い越しをかけるような状況を想像してほしい。スクーターをはじめとするCVTエンジンは乗り心地が快適な一方、加速がマイルド気味な設定のモデルが多く、追い越しにもやや時間がかかるものだ。そんな時に「SHIFT」ボタンを押して“YECVT”を作動させると、加速がよくなり追い越しが楽々行えるのだ。
流石にトップスピード付近では、そもそもCVTの設定がローギヤードになるため“YECVT”の効果は薄れたり、そもそも入らなかったりするが、90km/hくらいからの加速までならしっかり“YECVT”を効かせたメリハリある加速が可能だ。
今回のテストでは一人乗りしかしていないが、高負荷な二人乗りにも“YECVT”は効きそうだ。
またツーリング先で出くわすワインディングのような状況でも“YECVT”はとても便利だった。上り坂で“もうちょっと加速が欲しいな?”なんて思った時に「SHIFT」ボタンを押せば“YECVT”が加速をアシスト。しかも、その加速も決して過激なものではなく、MT車で言えばギヤを1速ではなく0.5速くらい落としたくらいのローギヤード化なので気軽に使える。
加速が足りなければ、さらに追加で「SHIFT」ボタンを押せばさらに加速が良くなっていくから、スクーターが力不足に陥りがちなワインディングでも思いのほか走りが楽しめるのだ。
NMAX155の“YECVT”がスクーターのツーリングユースの幅を大きく拡げる。
“YECVT”を搭載したことで、街乗り性能だけでなくツーリングのような走行環境での使い勝手が劇的に向上している感じ。この“YECVT”は155ccクラスのエンジンに限らず、全てのCVTエンジンに搭載してもいいんじゃないか?と思えるほど有用な機能になっている。
’26モデル NMAX155のポジション&足つき考察
テスター: 谷田貝 洋暁【172cm/体重75kg】
シート高は770mm。125ccクラスのNMAXと車体を共用するだけあって250ccクラスのビッグスクーターよりもコンパクトさが際立つNMAX155。ただし乗車姿勢に窮屈感はなく、通勤・通学といった日常の足としてはもちろん、ツーリングも快適に行えるゆったりとしたポジションが与えられている。車体はシート下スペースを確保するためやや幅広で両足の踵が4、5cm浮く足着き性となった。
NMAX155/カラー:ライトブルーイッシュグレーメタリック 9(シルバー)
NMAX155 ABS (8BK-SG92J)の主要諸元 ■全長1935 全幅740 全高1200 軸距1340 シート高770(各mm) 車重135kg(装備) ■水冷4スト単気筒SOHC4バルブ 155cc 15ps/8000rpm 1.4kg-m/6500rpm 変速機形式CVT 燃料タンク容量7.1L■ブレーキ F=ディスク R=ディスク■タイヤF=110/70-13 R=130/70-13 ●価格:45万9800円
NMAX155/カラー:ライトブルーイッシュグレーメタリック 9(シルバー)
’26モデル NMAX155のディテール
メーターは速度や燃料計、オドなどを表示するメインパネルに加え、下部に4.2インチTFTカラーディスプレイを搭載。エンジン回転数や燃費グラフ、制限速度情報(Garmin StreetCrossアプリとの接続が必要)、走行モード、YECVTのモードなどを表示。
左スイッチボックスは、走行モード切り替え(画面奥側)、ディマ、ホーンといったスイッチに加え、4.2インチTFTカラーディスプレイを操作するボタンやYECVTの「SHIFT」ボタンなどがある。右スイッチボックスは、スタータースイッチ、アイドリングストップ ON/OFF、ハザード。
【TESTER:谷田貝 洋暁】
『レディスバイク』、『Under400』、『タンデムスタイル』など、初心者向けバイク雑誌の編集長を経てフリーランス化したライターで、二輪各媒体に寄稿したバイク試乗記事は1500稿超。“無理”、“無茶”、“無謀”の3無い運動を信条としており、毎度「読者はソコが知りたい!」をキラーワードに際どい企画をYM編集部に迫る。
※本記事はYAMAHA [Y’S GEAR]が提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。













































