【EWC第1戦 ルマン24時間レース決勝】転倒120回以上の大波乱! F.C.C. TSR Honda Franceは8位で完走

2025年FIM世界耐久選手権(EWC)は今週末フランスのルマンで開幕を迎え、『第48回24時間耐久レース』が開催されました。53チームが参加した今年のルマン24時間耐久レースは、FIM EWCの開幕戦として開催され、会場には7万1200人の観客が訪れました。
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予選6番手から勝利を目指す!
2025年FIM世界耐久選手権(EWC)がいよいよ開幕。記念すべき第48回大会となったルマン24時間耐久レースは、4月18日(木)〜20日(日)にかけて開催され、60周年を迎える由緒あるブガッティサーキットには、世界中から選ばれし53チームが集結しました。
EWC参戦10年目、2度の世界タイトルを獲得した経験を持つ「F.C.C. TSR Honda France」は、今大会に向けて3名のライダーを起用。ライダーは、2024年から継続参戦となるアラン・テシェ(フランス)、今期から新たに起用されたコランタン・ペロラリ(フランス)と羽田太河(日本)を迎え、元スーパーストック世界王者のロリス・バズ(フランス)がリザーブライダーとしてチームに合流しました。マシンは2025モデルのホンダCBR1000RR-R 。ゼッケンは5番です。
予選は4月18日(木)〜18日(金)の2日間にわたって行われました。チームの上位2名の平均タイムで決定される最終グリッドは、1分35秒757で6番手。決勝レースはすでに雨予報、タフなレースになることが予想されました。
極めて不安定なコンディション。諦めずに前進し8位でチェッカー
決勝は、レース序盤から終盤まで時々で天候が急変する不安定なコンディションが続き、ライダーにとっても判断が難しい場面が多々発生。レーコードラインのみ路面が乾くことはありましたが、オーバーテイク時はウエット路面を走らないとならない、極めてトリッキーなシチュエーションが続きました。EWCのSNS上でも数えきれないほどの転倒映像がアップされ、24時間の間、常に先の展開が予想できない状況に。
レース全体で120回以上の転倒を記録する難しい展開。これは過去最多級の転倒回数で、まさに混乱を極めたサバイバルゲームだったといっていいでしょう。
F.C.C. TSR Honda Franceも何度も転倒しますが、そのたびに迅速なピットワークで対応。過酷なコンディションの中でも果敢に前を見据えた走行とパフォーマンスを見せ、最終的に8位でフィニッシュしました。
次戦の『スパ8時間耐久レース』は、2025年6月7日にベルギーのスパフランコルシャンで開催されます。さらなる栄光を目指し、F.C.C. TSR Honda Franceは再び挑戦を続けます。
【EWC第1戦 ルマン24時間レース決勝・ハイライト】
スタート〜序盤(1〜3時間)
4月19日(土)午後3時、コランタン・ペロラリ選手がスタートライダーとして6番グリッドから好スタートを切り、すぐに2位に浮上。アラン・テシェ選手がその後を引き継ぎ、雨の中でも堅実なスティントでF.C.C. TSR Honda Franceをトップに導きました。
レース中盤(4〜12時間)
路面が乾いては降雨という繰り返しで、タイヤ選択が極めて重要となり、最大限の集中力が要求される展開に。羽田太河選手は自身初のスティント中に難しいコンディション下で転倒。ただしマシンへの大きなダメージはなく、一時的にトップを維持しました。しかし、その後のピット作業で3位に後退。夜間走行の第2スティントでも転倒し、10分間の修復作業が発生しました。
夜間の快走(12〜18時間)
コランタン・ペロラリ選手が1分41秒468のファステストラップを記録し、その後アラン・テシェ選手が1分40秒を切りタイムをさらに更新。夜間スティントではこの2選手が交互に高いパフォーマンスを維持し、マシンとチームの実力を印象付けました。夜間を通じての奮闘により、レース8時間経過時点で暫定5位となり、チームは6ポイントを獲得。さらにコランタン・ペロラリ選手は朝方に1分37秒847という新たなレース最速ラップを記録しました。
レース終盤(18〜24時間)
朝方にコランタン・ペロラリ選手が最速ラップを記録するも、その直後に転倒。ピット作業が2度発生し、F.C.C. TSR Honda Franceは8位まで順位を落とします。それでも16時間経過時点で3ポイントを追加しました。路面が完全に乾いてからは、全チームのラップタイムが向上し、順位を上げることは困難に。しかし両フランス人ライダーは懸命に差を詰める走りで奮闘。残り3時間を切ったところで再び小雨がパラつき、その後本格的な雨が降るなど、終盤も天候に翻弄されました。残り時間わずかとなった最終スティント中、両フランス人ライダーも相次いで転倒を喫しましたが、それまでに築いたアドバンテージによって順位を守り切り、8位でチェッカーを受けたのです。
【EWC第1戦 ルマン24時間レース決勝・チームコメント】
藤井正和チーム総監督
「とても厳しいレースでした。でもこれが耐久レースです。そして人生と同じように、私たちは決して諦めません。また挑戦します。ポジティブな要素はたくさんありましたし、今回もHonda Franceとしてチェッカーを受けることができました。本当にありがとうございます!」
ライダー:Alan Techer(フランス)
「簡単なレースではありませんでしたが、多くのポジティブな点があります。昨年はポイントを獲得できなかったのですが、今年は我々のポテンシャルを証明できたと思います。スタートからコランタンが素晴らしいリズムで走ってくれましたし、その後、私もマシンを着実に走らせ、もっとも厳しい最初の2時間を終えた時点で首位に立っていました。そして、夜間はコランタンと2人で夜の22時から翌朝7時まで走り、とても良いペースを保ちました。マシンもチームも速く、それはラップタイムにも表れていたと思います。結果には結びつきませんでしたが、次戦スパではさらに強くなって戻ってきます」
ライダー:Corentin Perolari(フランス)
「レース序盤の雨の中でも慎重に走ってマシンを無事に戻せましたし、それはアランも同様でした。夜間はアランと交代でスティントをこなしました。路面に湿った部分が残る中でもスリックタイヤで良いペースを出せましたし、夜間を通してとても速かったです。終盤にミスもありましたが、これもレースの一部ですし、今後のチャンピオンシップに向けてポジティブな材料です。結果だけ見ればネガティブですが、走行リズムやチームとしてのパフォーマンスはとても良かったです。アランは昨年のスパでとても速かったですし、私もスパは大好きなコースなので、きっと良いレースになると思います」
ライダー:羽田太河(日本)
「今回のレースは本当に難しかったです。路面のグリップが常に変化していて、僕にとっては初めてのようなコンディションばかりで、転倒しやすい状況でした。最初の転倒はスリックタイヤを履いていたときに雨が降ってきた時、2回目は路面が乾いてきたタイミングで、摩耗したレインタイヤで転倒しました。チームとチームメイトには本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。とても厳しいレースでしたが、今は次戦のスパに向けて気持ちを切り替えています」
【EWC第1戦 ルマン24時間レース決勝 最終リザルト】
- FORMULA EWCクラス:総合8位完走/ランキング7位
- 獲得ポイント:26pt
- 8時間経過時:6pt(暫定5位)
- 16時間経過時:3pt(暫定8位)
- 最終順位8位:17pt
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