波乱を乗り越え、2023鈴鹿8耐を3位フィニッシュ。世界ランキングトップに!
ジョシュ・フックがトレーニング中のアクシデントにより右肩を骨折したため、参戦キャンセルとなった2023 FIM世界耐久選手権“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第44回大会。新たにタラン・マッケンジーを起用して挑んだ2023鈴鹿8耐の模様を報告する。
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初めて鈴鹿8耐を経験するタランが良い滑り出し!
8月2日(水)、午前2セッション、午後3セッション、合計5セッション7時間におよぶ鈴鹿8耐Unofficial Test Sessionが無事終了した。チームベストはアラン・テシェがマークした2分08秒221。マイク・ディ メリオとタラン・マッケンジーのベストはそれぞれ2分08秒359、2分08秒446と、3ライダーのタイムが2分08秒台前半で揃う好スタートとなった。
公式予選1回目のアベレージタイムは6番手!
8月4日(金)より2023鈴鹿8耐の公式セッションスタート。フリープラクティスの後、マイク、アラン、タランが20分間ずつタイムアタックする公式予選1回目が行われた。
路面温度が60℃に達する中、まずマイクがアタックを行い、2周目に2分07秒050をマーク。その直後に赤旗中断となり、マイクは走行を終了。セッションを5番手で終えた。続くアランもコースイン2周目に2分08秒011を記録して上位につけるが、その直後にヘアピンで転倒した他車と接触転倒。そのままセッションを終了し、9番手となった。
実力の片鱗を見せているタランが最後にコースインし、3周目に2分07秒486の自己ベストをマーク。グループ4番手でセッションを終えた。公式予選1回目のアベレージタイムは2分07秒268で6番手だった。
6年ぶりに行われたトップ10トライアル。決勝は10番手スタートに。
暫定6番手で迎えた公式予選2回目。特に気負うことなく、決勝に向けた各自のミッションで臨む最終予選セッションとなった。
マイクが2分07秒849で9番手。アランは3周目に2分08秒551をマークし、4周目も2分08秒台で10番手で終了した。アタックモードでセッションに臨んだタランは3周目でアタックに入ったものの、NIPPOコーナー入り口でスリップダウン! そのまま終了となった。
公式予選1回目にマイクがマークした2分07秒050とタランがマークした2分07秒486のアベレージは2分07秒268で総合順位は8番手。トップ10トライアルへの進出を決めた。
トップ10トライアルでは第一出走のタランが気合の入った走りを見せ、トップタイムから0.545秒上回るタイムを記録してヘアピンを立ち上がるが、直後の200Rシケイン入り口でバランスを崩してスリップダウン。自己ベストを大きく上回る2分06秒台も見えていただけに、たらればではあるが、残念な結果となった。
結局その後マイクがマークした2分07秒788が10番手となり、10番グリッドから決勝レースに挑むこととなった。
32番手まで順位を落としたが、粘り強い走りで4位チェッカー!
気温33度、路面温度45度、湿度82%。メインストレートで強めの向かい風が吹く中、11時30分、ル・マン式によりレースがスタートした。
10番グリッドからスタートしたマイクが5番手で1コーナーへ。マイクはひとつ順位を上げ、4番手でオープニングラップを終了すると、2周目のデグナーでさらにTeam HRC with Japan Postをもパスして3番手に浮上する。Yoshimura SERT Motul、YART YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC、そしてF.C.C.TSR Honda Franceと、EWCレギュラー参戦チームがトップ3となる。
次第にYART、HRC、SERTがトップグループを形成し、マイクは単独4番手に。その後マイクは若干ペースを落とし、12周目を8番手で終了。さらに10番手となり、19周目のシケインでフロントが切れ込むようにして転倒。20番手まで順位を落とした後、そのまま走行を続ける。マイクはひとつ順位を回復して19番手に。ピット作業でマフラー、ステップ、前後のタイヤを交換し、アランにライダーチェンジしてコースに復帰する。
転倒とマシン修復作業のため、一時的に32番手まで順位を落としたが、その後は順調に順位を回復。2ラップ遅れでスタート後1時間を迎える。
アラン、そしてアランからチェンジしたタランも順調に周回を重ね、再びマイク、続いてアランがスティントを終え、11番手まで順位を回復してレースは折り返しを迎えた。
5時間が経過した頃、西ストレートで転倒したマシンがコース脇に留まったことにより、2023鈴鹿8耐で初めてSCが導入される。15分ほどと長めのSCランの後、レースが再開。スタートして6時間5分、ルーティンのピットINでタランからマイクにチェンジ。これでタランは2回のスティントを終えたこととなる。
鈴鹿8耐初参戦のタランはレース中終始良いペースをキープ。SC後の接近戦では激しいバトルも展開して9〜10位で自身のスティントを終えてバトンタッチ。チームに貢献する走りを披露した。
レースがスタートして6時間30分後の18時頃、1コーナー方面が真っ黒な雲で覆われると18時13分に雨が降り始め、全車がペースダウン。ウェットタイヤへとタイヤ交換するチームもある中、F.C.C.TSR Honda Franceはマイクがスリックのまま走行。それまでじわじわと上げていた順位を一気に5位へと引き上げた。そしてマイクからライダーチェンジしたアランも前後チームとの差がチェッカーに向けて気になる時間帯もあったが、無事4位でチェッカーを受けた。
レース前、チャンピオン争いを1ポイント差で先行していたYARTは序盤からHRCとトップ争いを展開していたが、早い段階でマシンがストップ。大幅に順位を落としてポイント圏外に脱落した。
この結果、F.C.C.TSR Honda Franceは2023鈴鹿8耐で19ポイントを獲得し、合計ポイントは136に。ランキングトップに返り咲き、最終戦ボルドール24時間を迎えることとなった。
【マイク・ディメリオ】
『クラッシュしたことは、チームには申し訳なかったけど、なんとかコースに復帰することができた。だから終盤にコンディションが急変した時は5位まで上げるためにベストを尽くしたんだ。表彰台に上がることは夢だったけれど、ここで4位フィニッシュできたことはとても良かったと思う。ボルドールでチャンピオンを決めたい』
【アラン・テシェ】
『4位でフィニッシュできて我々にとっては良かった。多くのポイントを取れたしね。我々はチャンピオンシップに勝つことだけを考えているので、これで次のボルドールに集中することができる。勝ってチャンピオンを取りたいね』
【タラン・マッケンジー】
『初めての鈴鹿8耐は難しかった。当初はレースに出ることになるとは思っていなかったからね。チャンピオンシップを争うチームに何度か迷惑を掛けてしまったけれど、無事走り切ることができてホッとしているよ。応援してくれたファンの皆さん、ありがとう』
【藤井正和チーム総監督】
『我々は基本的に24時間レースを戦っている。今回が24時間ならYARTもYOSHIMURAも復活してくるに違いない。そういった中で戦い、タフな戦略が身についてきた。14ポイント差をつけて、ボルドールに臨み、堂々と戦って連覇を達成したい』
正式結果はひとつ繰り上がって3位に!
8月8日(火)に正式結果が発表され、F.C.C. TSR Honda Franceは3位となりました。
これにより、今回の獲得ポイントは21、合計138ポイントとなり、ランキングトップで最終戦ボルドール24時間に挑みます。
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