間口の広い自由さでレブルよりも万人向け
さて、やっぱりスポーツ性能を大事にしたいという方々、そちらもご安心を。CLはスクランブラースタイルではあるけれど、ハンドル位置も高すぎず、ステップもレブルのようにやや前方ではなく、スッと足を下ろしたところにある。ライディングポジションの感覚はほぼ普通のネイキッドバイクだ。
サスペンションはストローク量が前150/後145mmと多いうえ、セッティングもかなり軟らかい。しかしワインディングでの安定感は損なっておらず、思った以上に元気のいい走りを見せてくれる。ステップもなかなか擦らずバンク角も深い。レスポンスと中間域に長けたエンジンのおかげでキビキビ走れるので、峠のアベレージ速度はレブルより断然高いものとなっていた。峠を気持ちよく流したい人に向いてるね。
ついでに林道もチャレンジ。結論から言うとこちらはダートも通過できるスクランブラー“スタイル”であって、けっして得意というわけではなかった。走りたいときはタイヤの空気圧をちょっと落とすといいかもしれない。そのあたりはショップのアドバイスを受けてみよう。
CLで唯一気になったとすればステップ位置かな。走行中は問題ないが、足を下ろすとちょうどスネに当たる位置にあるため足着き性をスポイルしている。Uターンで足を着きながらバタバタと回りたいときも、ステップが邪魔をして足を運びづらい。ここは改善の余地があるかも。
レブルは扱いやすさやデザインの良さに加え、ボバースタイルのちょっとワイルドなテイストが組み合わさっていたのが魅力だった。そこまでワイルドさを求めない人にCLはうってつけ。足着き性を除けば手軽な感じもより推し進められているし、レブルよりも守備範囲は圧倒的に広く、どんな人にもオススメだ。カスタム素材としても気になるね。
【コーナリングも得意】バンク角は深く、けっこう寝かせられる。力強い中間域と小気味いいレスポンスで、ワインディングも楽しいぞ。
大型クラスのCL500は?:250に迫る手軽さ感に行動半径をプラス
パッと見は250とまったく同じに見えるCL500。だが、排気量はもちろん並列2気筒となったエンジンまわりに詰まった凝縮感があり、デザインの存在感やまとまりが250よりもある。車重は20kgも重くなるけど、引き起こしや取りまわしでは数値ほど重たく感じさせないところは見事だ。
【’23 HONDA CL500】水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ 471cc 46ps/8500rpm 4.4kg-m/6250rpm ■192kg シート高790mm 12L ■タイヤF=110/80R19 R=150/70R17 ●色:グリントウェーブブルーメタリック マットアーマードメタリック ●価格:86万3500円 ●発売日:2023年5月25日
エンジンのパルス感は250の乾いた感じに対し、ヌルっとしたマイルドな感じ。街中では軽快さで250には及ばない面もあったが、Uターンでは低回転での粘りがあるので500の方がエンストしにくい利点も見受けられた。
馬力/トルクともに約2倍となるだけあり、高速道路やワインディングでの走行性能はワンランク上だ。250では加速が鈍る急坂も500はグイグイ登っていくから、峠を走るのが非常に楽しい。ブレーキ含めて、車体もこのエンジンに対して不足はなし。ロングツーリングなど、行動半径をもっと広げたい人に合っているのがCL500だ。
ワインディングでは粘りあるパワーでストレスなく駆け抜けられる。シフトチェンジ回数も減るから、流して走るような楽しみ方にもピッタリ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト)
フロントまわりの軽さも操縦しやすさに大きく貢献 猛暑が続いていても、やっぱりバイクに乗りたい…というわけで、今月はCB750 HORNETでプチツーリングしてきました! このバイクは、アドベンチャー系[…]
外観をスタイリッシュにリニューアルしたトリシティ125 前回のトリシティ300に続き、今回試乗を行うのも前2輪を持つLMWシリーズのトリシティ125。ちなみにLMWとは、リーニング・マルチ・ホイールの[…]
これぞCBだ! そう直感的に思えるライダーの視界 跨った瞬間に「CBだ!」と思えた。視界に入る燃料タンクの大きな面積や両腿の内側に感じる存在感、そして昔で言う“殿様乗り”が似合う大きくアップライトなラ[…]
念願のWYVERNシリーズ最新作の登場だ! ついに復活を遂げて、新発売となったSHOEI「ワイバーンØ」。歴代ワイバーンシリーズを愛用してきた筆者としては、どんな進化を遂げたのが期待しかない。そこで、[…]
乗ってみた! APトライク250 やっと乗るチャンスがやってきました。APトライク250を作った、株式会社カーターさんのご協力によるものです。ありがとうございます! 以前は同様にAPトライク125も体[…]
人気記事ランキング(全体)
11/1発売:カワサキ Z250 カワサキ「Z250」はニンジャ250と骨格を共有するこの軽二輪スーパーネイキッドは、アグレッシブな「Sugomi」デザインを継承。軽さと力強さを併せ持つ本格的スーパー[…]
薄くても温かい、保温性に優れる設計 GK-847は、ポリエステル素材をベースとしたサーマル構造を採用しており、薄手ながらも高い保温性を実現している。厚手のウインターグローブの下に装着しても動きが妨げら[…]
厳冬期ツーリングで感じる“インナーの限界” 真冬のツーリングでは、防寒ジャケットやグローブを重ねても、冷えは完全には防ぎきれない。風を受け続ける上半身は体温が下がりやすく、体幹が冷えることで集中力や操[…]
長距離や寒冷地ツーリングで感じる“防寒装備の限界” 真冬のツーリングでは、重ね着をしても上半身の冷えは避けにくい。特に風を受ける胸や腹部は冷えやすく、体幹が冷えることで集中力や操作精度が低下する。グリ[…]
より高度な電子制御でいつでもどこでも快適な走りを!! 【動画】2026 CB1000GT | Honda Motorcycles ホンダがEICMA 2025にて発表した「CB1000GT」は、「Hi[…]
最新の投稿記事(全体)
風のように静かで、1000㏄並みにトルクフル! ホンダは昨年のEICMA2024で「EV Fun Concept」を出展したが、今回のEICMA2025では「WN7」を発表。基本スタイルは踏襲するもの[…]
今回は、BMCの最新モデル「防風ジーンズ・ボア」2025年モデルがターゲットだ!! 先日、弊誌が「週刊○○」のようにBLUE MONSTER CLOTHING(以下:BMC)のローリー青野氏を追尾して[…]
点火トラブルって多いよね 昔から「良い混合気」「良い圧縮」「良い火花」の三大要素が調子の良いエンジンの条件として言われておりますが、それはそのまま調子が悪くなったバイクのチェック項目でもあります。その[…]
空想をも現実化するリアルなライドフィーリング しげの秀一氏が生み出したこの漫画は、1983年から1991年にかけて週刊少年マガジンで連載され、当時のオートバイブームの火付け役となった「バリバリ伝説」。[…]
11/1発売:カワサキ W800 カワサキが50年以上にわたり培ってきた「W」ブランドの最新進化系「W800」の2026年モデルが11月1日に発売される。この国産クラシック系の旗艦モデルは、美しいベベ[…]





































