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’14年から販売されているスズキ バーグマン200が、ついにABSを標準装備した。250ccフルサイズのスクーターよりも軽量で、150ccクラスよりもパワフルという、軽二輪界で絶妙な立ち位置の1台。あらためてその魅力に迫る!
●まとめ:大屋雄一 ●写真:富樫秀明 ●取材協力:スズキ
[◯] キビキビ向きを変える。トランクが使いやすい
’14年のデビュー以来、7年ぶりの試乗となるバーグマン200。仕向地によってはすでに採用されていたABSが、’21年型から日本仕様にも標準装備され、車重は2kg増に。
ボリューミーなリヤセクションが印象的だが、車体寸法は150ccと250ccクラスのほぼ中間で、ライディングポジションは意外にもコンパクト。シートのストッパーに当たるまで腰を引くと座面が広く、前方に足を伸ばせるフロア形状と合わせ、居住性は非常にいい。実際、かなりの距離をこれで移動したが非常に快適だった。
【’21 SUZUKI BURGMAN 200 ABS】■全長2055 全幅740 全高1355 軸距1465 シート高735(各mm) 車重165kg ■水冷4スト単気筒SOHC4バルブ 199cc 18ps[13kW]/8000rpm1.6kg-m[16Nm]/6000rpm Ⅴベルト無段変速 燃料タンク容量10L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク ■タイヤF=110/90-13 R=130/70-12 ●色:白 黒 青(艶無し) ●価格:57万1340円
【絶妙なサイズ感で取り回し抜群】直接のライバルとなりそうなホンダPCX160がフロント14/リヤ13インチホイールを採用するのに対し、こちらは13/12インチを選択。車重はバーグマンの方が33kg重い。灯火類はすべてフィラメント球で、ヘッドライトはロービームで左のみが点灯する。
【ライディングポジション】全幅(=ハンドル幅)740mmはPCX160と共通であり、車体のボリューム感とは対照的にライディングポジションはコンパクト。足着きは前方に座れば良好だ。[身長175cm/体重62kg]
エンジンは、ハヤブサよりもショートストローク比の199cc水冷シングルで、最高出力は18psを発生する。スロットルを開けてから発進や加速に移行するまでにややタイムラグがあること、またスロットルを戻した際の微振動がわずかに気になるものの、250ccフルサイズのビッグスクーターより車重が軽いこともあって、排気量の不利を感じさせないほどキビキビとよく走るのだ。
ハンドリングは、フロント13/リヤ12インチという軽二輪では小さめのホイール径が効いているのか、倒し込みや切り返しが軽快で、その後の旋回力も意外や高い。先のエンジン特性と合わせ、街中での機動性は侮れないものがある。一方、高速域では淡々と距離を稼げるだけの直進安定性もあり、街中8割、高速道路2割という使い方にピッタリだ。
標準装備されたABSは、当たり前だが作動性は合格点。ブレーキ自体がコントローラブルなので、日常的な走行ならABSが介入する場面はほとんどないはず。とはいえ、これがあることの安心感は大きい。
バーグマン200は、特徴的なトランクスペースが使いやすい。ヘルメットが2個収納できる軽二輪スクーターは珍しくないが、その多くが離して前後に置くのでほぼ2室構造と言っていい。それに対してバーグマンは横に2つ並べるという完全な1室なので、大きなバッグなどを収納しやすいのだ。内部には照明もあり、この使いやすさは魅力的だ。
加えて、大きなスクリーンによる防風効果の優秀さも見逃せない。
ハヤブサよりもショートストローク比な199cc水冷SOHC4バルブ単気筒を搭載。’17年モデルで平成28年国内排ガス規制に対応している。リヤサスペンションは2本ショックで、プリロードを5段階に調整可。リヤホイールは12インチ。
【国内版もABSを標準装備】以前からABS仕様は海外で販売されていたが、この’21年モデルで日本向けも標準装備に。フロントホイールは13インチで、標準装着タイヤはIRC。
白のダブルステッチがアクセントとして映えるシート。幅が広いのでパッセンジャーは大股開きになりそうだが、実際に座ってみると足が自然と伸ばせるのだ。
【ヘルメットが横並びで入る! しかも照明付き】シート下にヘルメットが2個入るのは珍しくないが、写真のように横並びで入るのはこのバーグマンぐらい。容量は41Lで、内部には照明も設けられている。
[△] 着座する位置によって足着きが大きく変わる
足着き性に配慮してシートが前方に向かって細くシェイプされているが、走行中は自然とお尻の収まりのいい位置まで腰を引くので、そこから足を下ろすと地面にツマ先がどうにか届くという状況に。座る場所によって足着きが変わるので注意。
[こんな人におすすめ] フルサイズだと大きすぎる人にピッタリな1台
200kg超が珍しくなかった全盛期より軽くなったとはいえ、まだまだ250ccフルサイズのスクーターは重い。でも原付二種から派生した150cc前後のスクーターはトランクが小さくて…、という人にとって唯一無二の選択肢だ。
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