速報でお伝えしたとおり、スズキは新型ハヤブサを発表した。スタイリングは初期型から連綿と続く流麗かつ猛禽類じみたド迫力を継承しているが、これを新世代にふさわしく“The Refined Beast”のスローガンの元に刷新している。まずは全体像を掴んでいただくべく、デザインから解説していきたい。
大空を舞う隼のように 普段は鷹揚に大空を滑空するかのように、そしてイザとなれば獲物を狙う超スピードは生物界最速の猛禽類が隼だ。その生態をマシンコンセプトになぞらえ、1998年に登場したのが初代GSX1[…]
拡大されたラムエアダクト(SRAD)などに差し色を配し、空気の流れを表現
新型ハヤブサはフレームとスイングアームを従来型から踏襲しており、KYB製サスペンションをリファインすることで、さらに安定感と軽快なハンドリングを身に着けている。これにはもちろん、エアロダイナミクスを追求したボディワークも貢献していることは間違いないだろう。特に最高速度300km/hに近い領域では、空気の流れを制するものだけが思い通りの走りを実現できるといっていい。
こうした走りコンセプトとその進化を、デザインからも表現しているのが新型ハヤブサだ。
マフラーは、より薄くコンパクトな設計とすることで、エキゾーストパイプから直線的にサイレンサーへと続くラインを描く。これによってリヤまわりの重たい感じが払拭され、アグレッシブさを表現できるマスフォワードを実現。ワイドな新作LEDテールランプとの組み合わせで、テールまわりもスッキリとしたデザインになった。
新作ミラーはよりシャープなデザインとなり、エアロダイナミクスにも貢献。。縦置きヘッドライトに組み合わせたウインカーは、従来型と同じくラムエアインテークの左右に設置される。
新型ハヤブサは差し色を効果的に使っているのも特徴で、ラムエアインテーク、ラジエターサイドのスリット、そしてテールカウル下は整流した空気を放出していくイメージとし、マシン全体を包む“エアフロー”を表現した。また、サイドカウルに書かれた「隼」の文字からマフラーにかけては、直線とカーブを組み合わせることで“パワーフロー”を表現している。これを3つのカラーバリエーションそれぞれに対し、効果的な差し色を用いることで新世代らしいスタイリングを実現したわけだ。
漢字の「隼」ロゴはサイドカウルとアッパーカウルセンター、そしてメインキーに。そしてアルファベットの「Hayabusa」ロゴは、テールカウルに配置された。ニーグリップ部の黒いパネルには、新たにVシェイプのアクセントが与えられ、これが滑り止めを兼ねているようだ。
ヘッドライトはロービームに通常のLED、ハイビームにはプロジェクタータイプのLEDを使用。ポジションライトを兼ねるウインカーは、エアインテークを横断するVシェイプの差し色と繋がったデザインとされ、シャープさを強調している。
テールセクションでは、左右分割式のワイドなLEDテールランプがスーパーカーのようなイメージを与えるほか、薄型に絞り込まれたマフラーエンドが軽快感を表現する。
従来型はヌメリとした怪物感を与えていたのに対して、新型ハヤブサは“らしさ”をキープしながらも、新たにシャープさとスポーティなイメージに変身し、22年の時を経てなお新鮮さを失わないことに成功した。あとは実車を確認するだけだ!(スズキさん、なるべく早くお願いします)
SUZUKI Hayabusa[2021 model]Specifications
【SUZUKI Hayabusa[2021 model]】主要諸元■全長2180 全幅735 全高1165 軸距1480 シート高800(各mm) 車重264kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 1340cc 190ps/9700rpm 15.3kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量20L(WMTCモード燃費14.9km/L)■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/50ZR17 ●価格&発売時期:未発表 ※参考:イギリス価格は1万6499ポンド(日本円換算約238万3000円)/諸元は欧州仕様