ホンダは大阪/東京モーターサイクルショーに出展を予定していた「CB-F コンセプト」をWebで世界初公開。2019年に「CB」が生誕60周年を迎えたことを踏まえて、ホンダを代表するスポーツバイクであるCBを改めて見つめ直し、コンセプトモデルとして提案するものだ。
ベースマシンはCB1000Rだが細部まで手が入る
まだまだ想像の余地がある。それがCB-F コンセプトを目の前にした率直な印象だ。ヘッドライトはダミーで、ウインカーなどの保安部品は未装着。それだけに、ウインカーやナンバープレートホルダー、リヤフェンダーを装備したら、どんなたたずまいになるのか楽しみで仕方がなくなってくる。
CB-F コンセプトは、2019年にCBブランドが生誕60周年となった節目を機に、改めてCBの歴史を振り返り、ホンダを代表するスポーツバイクであるCBとは何者なのか、その答えを導き出した提案のひとつだという。
CBの歴史の中でも、バイクブーム前夜の1979年に誕生し、1982年にフレディ・スペンサーが駆ったスーパーバイク仕様で鮮烈な印象を残したCB750F/CB900F(輸出モデル)に特別な想いを抱くライダーは少なくない。特に、あのバイクブームの熱き時代を過ごした昭和40年代生まれのライダーたちにとってCBと言えば、CB1100EXなどがモチーフとしたCB750Fourではなく、やはりCB-Fなのだ。
カワサキZとホンダCBは永遠のライバル。その関係は現代のZ900RSとCB-Fとなって、再び燃え上がることだろう。
CB-Fを象徴するものと言えば、やはり流麗な燃料タンクからサイドカバー、そしてシートカウルが描く伸びやかなラインだろう。外からは見えないモノバックボーンフレームを使用していることもあって、燃料タンクのデザインは端正ながら迫力もある。特に前半部分の伸び感と、後半部分のスクエアな感じを残したえぐり込みなどは、まさしく“F”そのものだ。
また、大きめのシートカウルによって車体は前後に長く見え、これも“F”感を強調している。また、このたたずまいの実現のために、リヤショックもわずかに短くして車高を下げたという。アルミ地の色を活かした片持ちスイングアームや、リム部に切削加工を施した前後ホイール、”F”スタイリングの再現のために力を込めたというマフラーなど、このまま市販化してほしいと思えるディテールが満載だ。
市販化に結び付くかどうかは反響次第。「これは欲しい!」と思ったなら、積極的に声を上げていただきたい。
永遠の憧れ、CB750F改レーサー
CB-F コンセプトの元ネタとなったのは、言わずと知れた1982年のCB750F改レーサーだ。フレディ・スペンサーがデイトナ100マイルで優勝を果たしている。このカラーリングは輸出仕様にしか存在せず、それがまたファンの羨望を招いた。
HONDA CB-F Concept[スタイリング]
公表された情報はそれほど多くない。あとはじっくりと写真を眺めていただきたい。このコンセプトモデルを含め、東西モーターサイクルショーに出展予定だった多数のモデルが本日(2020年3月27日)よりホンダのWebサイトにて「Honda バーチャルモーターサイクルショー」で公開されている。