利き重視の人におすすめ

デイトナのゴールデンパッドχは初期から奥までガッツリ利くから減速に自信が持てる

Daytona Goldenpad x

2018年2月、デイトナが製造・販売するシンタードメタル系のゴールデンパッドが10年ぶりに進化し、“χ”(カイ)となった。ネーミングの由来となったゴールドカラーのバックプレートが特徴で、デイトナの最高峰ブレーキパッドというコンセプトはそのままに、コントロール性と効力を向上させている。そのパフォーマンスをNC750Sでチェック!

デイトナがリリースするブレーキパッドの最高峰

最上級にふさわしい、メタリック感あふれるバックプレートのカラーが特徴。国産4社の原付~オーバーリッター車とドゥカティの一部に対応する。

Daytona Goldenpad x
ゴールデンパッドχ[デイトナ] ●価格:4968円~
Daytona Goldenpad x
【旧型に対してコントロール性と効力をアップ】デイトナが扱っている各種パッドのマトリクス図。χは旧型に対し、コントロール性や効力(摩擦係数)だけでなくライフ(経済性)も向上。さらに雨天性能も高まっている。

触れた瞬間が分かる! 軽い入力で確実に制動

私の愛車であるホンダのNC750Sは、この排気量と214㎏という車重に対し、フロントブレーキはシングルディスク+片押し式2ピストンキャリパーなので、絶対制動力はあまり高くない。キャンプ用品など荷物を満載し、峠道を下っているとなおさらそれを痛感するのだ。

そこで試してみたのが、ゴールデンパッドの進化版“χ”だ。以前の製品は発売後すぐにレースで使って好成績を残すことができたので、個人的にはとても印象がいいのだ

キャリパーを丸洗いしてからゴールデンパッドχを組み込み、十分に慣らしを終えたあと本格的にペースを上げる。まず感じるのが、パッドがディスクに触れた瞬間が分かるほど初期から制動力が高く、レバーへの入力に対して発生する減速の度合いが純正パッドの2割増しといった印象だ。そして、握り込んだ先まで制動力が比例して立ち上がり、ABSが介入するギリギリまで自信を持ってコントロールできるのだ。リヤについてはパッド離れの良さが印象的で、それもあってコントロール性の良さが光る。純正パッドの制動力が物足りないと感じる人はぜひ。

Daytona Goldenpad x
【精度の高いプレート。信頼のゴールデンだ】金属系の摩擦材を焼き固めて作られるのがシンタード(焼結)パッドだ。ゴールデンパッドχは実験データで摩擦係数μ0.7を達成。

(△)車種や使い方によって合わないと感じるかも

昨今の新型車でブレーキ性能に不満のある機種はほとんどなく、χを入れたら利きすぎと感じる人がいるかも。穏やかさなら赤パッドを。

Daytona Goldenpad x

定番の赤パッドも着実な進化を実感する!

’84年に登場し、時代に合わせて進化し続けているデイトナの赤パッドも同時にテストした。絶対制動力はΧに劣るものの、真綿で首を絞めるかのような絶妙なフィーリングに惚れた!【赤パッド[デイトナ] ●価格:3780円~】

(結論)こんな人におすすめ:純正との違いをしっかりと実感。利き重視の人へ

ほぼ10年前の記憶であり、車種も条件も異なるが、以前のゴールデンパッドよりも奥での制動力が高まっていると感じた。パッド交換時に気が付いたのだが、発生する熱量も高いようで、だからこそ高い制動力を発揮するのだろう。

●写真:岡 拓
※取材協力:デイトナ

※ヤングマシン2019年8月号掲載記事をベースに再構成

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