2019年4月13~14日にHSR九州で開催された全日本モトクロス選手権第1戦で、東京モーターサイクルショーに出展された電動モトクロッサー「CRエレクトリック プロトタイプ(CR ELECTRIC PROTOTYPE)」が展示され、14日はデモ走行が実施された。
甲高いモーター音がコースで静かに鳴り響く
全日本モトクロスの開幕戦、HSR九州大会が開催され、ホンダのTeam HRCのに所属する山本鯨選手がIAクラスのヒート1、ヒート2を制した。それに花を添えるように、あるマシンのデモ走行が行われた。そのマシンとは、今年(2019年)の東京モーターサイクルショーで世界初公開されたホンダの電動モトクロッサー、CRエレクトリック プロトタイプ(CR ELECTRIC PROTOTYPE)だ。マシンを走らせたのは、元HRCライダーの増田一将さん。さっそくその走りをご覧いただこう。
電動だけにスタートダッシュはかなりの速さ
東京モーターサイクルショー時点で本誌が独自に取材したところによれば、パワーユニットはM-TEC(無限)との共同開発で、マン島TTに参戦する神電の技術も生かされているとのこと。フレームは基本的に2018年型CRF250Rのものを流用しているというが、モーター&バッテリーを搭載するにあたって多少のアジャストはしているようだ。今回走行したマシンのサスペンションなどは東京モーターサイクルショー時点のものとは異なり、フロントフォークのインナーチューブコーティングなどはされていない。
動画を見てもわかるとおり、スタートダッシュはかなりの速さ。一方で、ギャップの通過などではCRF250Rに比べてやや挙動に重さが見られる感じも。このマシンがどのクラスのレースに出られるのかは明らかになっていないが、現状では1ヒートにあたる45分を「目指している」という言い方になっており、エンジン車両との混走にはもう少し時間がかかるのかもしれない。とはいえ、この完成度からすれば市販されるのが遠い未来とも思えない。このマシンを起点に他のモータースポーツ、たとえばMotoGPやF1などにホンダの電動レーサーが波及していくのか、期待はふくらむばかりだ。
取材協力:本田技研工業
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