ヤマハ発動機株式会社とヤマハモーターエレクトロニクス株式会社 ※(以下YEJP)は、1993年より製造を開始した電動アシスト自転車用ドライブユニットの累計生産台数が500万台に到達したことを記念し、2019年2月27日午後に、YEJP本社工場(静岡県周智郡森町)にてセレモニーを行った。
日常の足として普及、スポーツ自転車にも
「パスパスパスっと~♪」のCMを覚えている読者もいるだろうか。1993年に登場したヤマハの電動アシスト付き自転車『PAS』は、ジワジワとその勢力を広げていき、今ではすっかり子育てお母さんや中高年の味方として普及してきている。
筆者が印象深かったエピソードを記そう。誌面の撮影のため山梨県内の八ヶ岳付近の山中で道端に停車していたとき、まったく普段着の女性ふたりが一見するとただのママチャリで山を越えてきたのだ。市街地からはけっこうな距離があって、景色のいい山道にはずいぶん不似合いな印象を持ったものだった。すれ違いざまに「楽しそうですね!」声をかけると、「この自転車、いいのよ~!」と満面の笑みで答え、風のように走り去った。その乗り物はまぎれもなくPASで、電動アシスト付き自転車が人々の行動の可能性を大きく広げてくれるのを見て、ちょっと感動してしまったことを覚えている。身近なところでも「母のために買った」とか「妻にプレゼントした」といった話は枚挙にいとまがない。
2000年代にはスポーツ自転車のカテゴリーにも進出。最初は「アシストに甘えるなんて……」と敬遠する声も聞こえたが、今ではすっかり市民権を得ているといえよう。小さな負荷で長時間運転ができるため、運動不足解消にちょうどいいという話も聞こえてくる。
500万台達成のセレモニーには、森町の太田康雄町長をはじめ、ヤマハ発動機生産本部長の松山智彦氏、YEJP代表取締役社長の五條健利氏、ヤマハ発動機販売株式会社代表取締役社長の石井謙司氏ら、関係者約100名が列席。ヤマハ発動機ソリューション事業本部長の太田裕之氏は、挨拶の中で「1993年に電動アシスト自転車の初号機が出荷されて以来、国内はもとより海外に至るまで、多くのお客様に感動をお届けできたことを大変嬉しく感じております。これからもこの地から世界のお客様に感動をお届けできるよう、製・販・技一体となって電動アシスト自転車の進化・発展に取り組みたいと思います。」と述べた。
YEJPは、電動アシスト自転車「PAS」シリーズ、スポーツ電動アシスト自転車「YPJ」シリーズに搭載するドライブユニットを生産しているほか、国内外自転車メーカー向けドライブユニットの生産を行っている。
通学自転車としても訴求「青春アシスト」
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