2019シーズンからMoto2のエンジンサプライヤーとなるトライアンフから、市販スーパースポーツ「デイトナ」の名が復活することがわかった。2017年にMoto2で使用されるエンジンのプロトタイプが発表されてから、市販車登場の噂は絶えなかったが、ついにそのバイクのテスト中の姿がスクープされた。
アッパーミドルクラスに新たな刺激
スクープ写真とともにもたらされた情報をもとに、この新しいデイトナ765(仮称)について紹介しよう。近年、スーパースポーツの市場は減少し続けており、BMW S1000RRやヤマハYZF-R1、ドゥカティのパニガーレV4などの大きくて高価なスポーツバイクにしか未来はないのではないかという印象を与えていた。しかし、ヤマハがYZF-R6、カワサキがニンジャZX-6R、そしてホンダが最新のCBR650Rをデビューさせるなど、600~800ccのカテゴリーは活気づきつつある。
トライアンフは2019シーズンからMoto2にエンジンを供給することになるが、それに先立ち2017年9月にストリートトリプルベースのエンジン開発プロトタイプを発表したとき、多くのスポーツバイクファンはこのエンジン開発プロジェクトがデイトナの復活へと道を拓くのではと思っていた。
そしてスクープされたこの写真は、トライアンフが本当にそのスーパースポーツの復活に取り組んでいることを示唆している。情報によれば、これはまだ初期のプロトタイプであり、最終的なデザインではなく、製品の発表時にフェアリングは完全に作り直されるだろう、とのこと。ただし、技術的な側面で見てみると、フレームとスイングアームの大部分は以前のデイトナ675から大きく変わることはなさそうだ。
もっとも重要な変更点はエンジンであり、これはストリートトリプルRSの765パワーユニットをベースとしたものだ。新しいシリンダーヘッド、チタンバルブ、最高回転数の上昇、エンジン全体の軽量化といった、Moto2エンジンを作るうえで施されたモディファイは引き継ぐことになるだろう。エキゾーストシステムは現在のところMoto2バージョンそのもののようなので、これは市販車が発表されるまでに変わるはずだ。
写真のプロトタイプの足まわりを見ると、フロントフォークはオーリンズ製NIX30で、キャリパーはドゥカティのパニガーレV4にも装着されているブレンボ製Stylemaが奢られているようだ。ほかにも、6軸IMUやコーナリングABS、TFT液晶パネル、クイックシフターといったエレクトロニクスの搭載が期待される。
トライアンフはこの件に関してコメントしておらず、バイクの発表時期はまだ確認できない。とはいえ、このプロトタイプの状態から考えて、2020年までは発表されることはなさそうだ。
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