カタナフォルムの迫力を再現! 激戦区だった400ccネイキッド市場を意識して、中型カタナの第二弾は開発された。
1100の雰囲気を再現しつつ近代的な足まわりを採用
’90年に発売した1100SM:アニバーサリーモデルを通して、日本市場におけるカタナ人気の根強さ認識したスズキは、中型クラスへのカタナ投入を決定。その第一弾として’91年に登場した250が、カスタムマシン的な雰囲気だったのに対して、’92年にデビューした400は、星形キャストホイールや左右出しマフラーを採用することで、1100の雰囲気をできるだけ忠実に再現。ただし前後ブレーキとショックは、1100より豪華な構成だった。
どこまでもフラット。これぞカタナだ!
まず感心したのが車体のボリューム感。単にスタイルという意味なら、250でも十分すぎるほど、“カタナ”だった。しかし、そこはニーゴー。いくら、“250らしからぬ大きさ”とはいえ、絶対的なボリュームは1100に遠く及ばない。そのへんの、どうしようもない不満を見事解消してくれたのが400だ。特にエンジンの大きさには、思わず拍手を送ってしまった。
では試乗。ライディングポジションは、とてもカタナらしくていい。他のネイキッドと比べると前傾はきついが、これ以上起こされたらカタナらしさを失ってしまう。楽にはしたいんだけどカタナらしく、そのへんの限界ギリギリまで起こしている。これも見事。当然250カタナよりも楽ちんだ。足着きも、両足のカカトが僅かに浮く程度で、マシンのボリュームのわりにいいレベルといえる。
走り出して感じたのは、どこまでもフラットなエンジン特性。特別トルクフルというわけではないが、どの回転でもしっかり進む。全域パワーバンドといった感じでイージーに走れてしまうところも、けっこう1100に似た特性だ。
高速に入ると、街乗りで感じたイージーさがさらに強調される。エンジンは相変わらずフラットトルクで楽々クルージングが楽しめるし、 しっとりした乗り心地も文句ナシ。また、街乗りではちょっときつめの前傾姿勢も、風圧でちょうどよくなる。ワインディングでは、400らしくトルク感も十分。絶対的な速さは250カタナの比ではない。フロ
ント18インチにクセはなく、 旋回性も意のままだ。
トルクフルでハンドリングが素直、 乗り心地も硬すぎず柔らかすぎずでちょうどいい。外観も性能も〝らしさ〞を満喫できる見事なミドルカタナといえるね。
(丸山 浩)
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