ホンダコレクションホール20周年特集#19

RV250F?! 世界初の水冷V型2気筒250㏄、VT250Fが走行〈映像あり〉

【HONDA VT250Fスケッチ 1981年】ホンダの説明によると「超ベストセラーになったVT250Fのオリジナルスケッチ」という一枚。車名がRV250Fになっていることが興味深い。まだインボードディスクではなく、ホイールもキャストだった。

2018年7月16日と9月24日、ツインリンクもてぎの南コースでホンダコレクションホール開館20周年記念イベントが開催された。いつもの動態確認テストはレーサーなどが多かったが、今回は20周年記念ということで市販製品特別走行が実施され、ホンダの黎明期から現在までのエポックメイキングなバイクが走行を披露した。

本気で挑んだ”打倒2スト”

爆発的に売れた2ストロークのRZ250に対抗するため、’82年、ホンダは4ストロークV型2気筒のVT250Fを投入する。ホンダには4ストバイクへのこだわりがあった。’79年、2スト全盛のWGPに、ホンダは斬新な水冷4ストV型4気筒のNR500を引っ提げて12年ぶりにカムバック。高成績こそ残せなかったが、そこで得た新技術を元に開発されたのがVTだった。

250クラス世界初の水冷90度Vツインは4バルブを持ち、RZと同じ35psを1万1000回転という超高回転域で発生。車体をコンパクトにするため、スチール丸パイプフレームの一部を冷却水の通路にするなどの工夫が施され、125cc並みのスリムさを実現した。さらにクラス初のフロント16インチやブーメランコムスターホイール、リンク式モノショックまで備えていた。

打倒2ストのリアルスポーツながら、非常にコントロールしやすい性格により、実際の戦闘力はともかく、腕に覚えのないライダーにとって「RZより速く走れる」と評判のオートバイだった。発売直後から大ヒットとなるが、後に小柄な車格と扱いやすさが知られると、初心者や女性の人気も集中。改良が進んだ’84年型は、初期型を超えるベストセラーを記録し、’85年には累計生産10万台を突破した。誇張ではなく、街でVTを見かけない日はないほどだった。

【HONDA VT250F 1982年6月】250ccクラス世界初の水冷90度V型エンジンを搭載した高性能ロードスポーツ車。奥のマシンは全日本で木山賢悟が駆ったNR500で、ここで培ったノウハウがVTに活かされている。■水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ 248cc 35ps/11000rpm 162kg 新プロリンク式リアサスペンション

1次振動が出ない90度Vツインを採用。リッター140psのハイパワーと広大なトルクバンド、45度超の車体バンク角を実現した。

12500rpm からレッドゾーンのタコメーターは電気式。技術説明会では「20km/h からの引っ張りも強い」と万能性をアピール。

真綿フィーリングを求めて、CBX400F譲りのインボードベンチレーテッドディスクブレーキを採用。前輪はクラス初の16インチ。

インテグラル・リヤコンビネーションライト、ミニカウル風メーターバイザー、ジュラルミン鍛造ハンドルが所有欲をくすぐった。

RZと比較するとどうだったのか?

比較ツーリングでたっぷりと250ccスポーツの実用上の使い勝手を比較したYMテストスタッフは5台のテスト車を今度は茨城県にある谷田部の日本自動車研究所(JAR)のテストコースに持ち込んだ。詳しいテストデータは数値を見てもらえれば一目瞭然だが、結果から言えばやはりRZ250の底力には驚かされる。高速道路や峠道での比較ではRZもVT250Fもほとんど互角のパワーフィーリングが体感されるのだが、全開の定地走行ではやはりRZの優位は動かなかった。しかし、VTもさすが打倒RZのために開発されただけあり、このクラスとしてはやはりトップクラスのタイムである。 ※ヤングマシン1982年8月号より

今回のゼロヨン比較:RZ250 14.56秒/VT250F 15.05秒/GSX250E 15.61秒/Z250FT 16.17秒/XS250 16.91秒 ※ヤングマシン1982年8月号より

取材協力:本田技研工業/ホンダモーターサイクルジャパン

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いち

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本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

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