第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

KATANA COMPLETE FILE 1980-2019

蘇るカタナ伝説〈05〉国内仕様の1100がついに登場

  • 2018/12/18

日本市場における自主規制撤廃を受け、スズキのオーバー750第二弾としてついに1100の日本仕様が登場した。

本来の資質を維持しながら装備の近代化を敢行する:GSX1100SR

初代SZの登場から13年を経て、ついに発売された日本仕様。基本構成はSAEを踏襲するものの、リザーバータンク付きリアショックやオイルクーラーの導入、パワーアシストクラッチの追加、点火システムのデジタル化、ANDFの廃止など、装備の近代化と言うべき変更を受けている。最高出力はフルパワー仕様より16ps少ない95psで、当初の価格は89万9000円だった。なおSRは限定車ではなく、’99年まで生産が続いた。

スズキ GSX1100S SR

【SUZUKI GSX1100SR 1994】主要諸元■空冷並列4気筒DOHC4バルブ 1074cc 95ps/8500rpm 8.6kg-m/4000rpm 232kg(乾)■タイヤサイズF=3.50-19/R=4.50-17 ※国内仕様車

古くてもさすがトルク感たっぷりだ(GSX1100SR復刻インプレ)

さすが1100cc、外観からくる大きさはもちろん、400カタナに比べ横に張り出したエンジンのボリュームはリッターバイクならではだ。エンジンは低速トルクがたっぷりある。5速・60㎞/hで2100rpm、そのままのギヤで回転数が1000rpmチョイまで落ちてもアクセルさえ開ければ「ゴソゴソゴソ」っと力が湧き出てマシンは前に進む。新機構のアシストクラッチは400cc並みの軽さで、少しストロークが長く感じるが、半クラッチの操作性は驚くほど良くなっている。

同時代のリッターバイクの動力性能にはまったく及ばなかったけれど、カタナならではの“攻めている感”をテスターは高く評価。

高速全開走行においては、4000rpmから少し振動がくるものの、そのあとレッドゾーンの9000rpmまで実にトルクフル。メーターで180km/hを越えるまでガンガン引っ張ってくれる。カットビにはちょっと前傾のライポジがマッチし、直進安定性も良い。ただ、スピードが上がると振動などが増してくるので長時間の走行は辛いかもしれない。

ワインディングでの走りは、フロント19インチタイヤのコーナリング特性が大きな特徴となっている。アンチノーズダイブ機構が取り外されたフロントサスは柔らかめで、ブレーキングからのリリースでもスムーズなバンキングを行ってくれる。新しくなったリヤサスもコシがあり、車体剛性とのバランスでうまくギャップを吸収してくれるものだ。

やはり今風の走りとは言えないが、アウトいっぱいからべターッと寝かし込むと、バンクしている時間は長いが旋回中の安定性がいいので、コーナリングスピードはけっこう速い。タイヤのグリップも決して良くないが、ズリズリとすべらせて走るところはいかにも「攻めてる」感じでとても快感だ。

(丸山 浩)

当時の日本の法規制に対応するため、速度計のフルスケールは180km/hに設定。もちろん、点火系にはスピードリミッターを導入。

左側レバーホルダーの下に備わるのは、パワーアシストクラッチのスイッチ。ここで操作を検知すると、サーボモーターが作動する。

新規採用したオイルクーラーの放熱量は3100kcal/h。なおED2のカウルは、当初からオイルクーラーの装着を想定した構成だった。

’80 年代前半~中盤に大流行したものの、’90 年代には時代遅れのメカニズとなったフォークのANDFは、SRでようやく撤去された。

プリロードと伸び側減衰力が調整できることは従来型と共通だが、SRはシリーズ初となるリザーバータンク付きリヤショックを採用。

日本の厳しい排ガス規制に対応するため、SRの吸排気系は絞り込まれていた。排気口のサイズは、SZ~SSL:φ35mm、SR:φ22.8mm。

スズキ GSX1100S SR

【SUZUKI GSX1100SR 1994】

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帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)