基本構成は不変だったものの2年目以降のカタナは各部の見直しを行い、外観の雰囲気を一新した。
細部の熟成によって完成度を高めた2代目:GSX1100SD
車体色がツートーンになった’83年型SDのわかりやすい特徴は、エンジンがブラック塗装になったことと、ホイールのデザインが変更されたこと。ただし、バックスキン調から一般的な素材に改められたシート表皮、ベースの素材をスチールからジュラルミン鍛造に刷新したステップ、ピン溶接が行われるようになった組み立て式クランク、大型化されたジェネレーターなど、変更点は多岐に及ぶ。前側エンジンマウントは固定方式を改善した。
先代の資質を継承して3年間に渡って販売を継続:GSX1100SE
’84年のスズキはGSXシリーズの新たなフラッグシップとして、フルカウル/リンク式モノショック/フロント16インチホイールなどを採用するGSX1100EFを発売したものの、カタナの販売も継続。もっとも3代目となるSEの変更点は、レッドを大胆に用いたカラーリングのみで、エンジンとシャシーの基本構成はSDを継承していた。なおSEの後期型以降の1100カタナは、フレームのバックボーン後端部に補強を追加している。
欧州向けの限定車と日本独自の特別仕様車:GSX1100SAE/SBE
’87年にヨーロッパ市場向けの限定車として販売されたSAEは、初代SZの雰囲気を再現したモデル。この頃の日本では逆輸入車正規代理店として、スズキワールドグループが活動を開始しており、同社は1100カタナでは初となる、日本語の販促パンフレットを製作した。斬新な赤フレーム/シートを採用したSBEは、スズキワールドグループ以外の日本の大手ディーラーが企画した車両で、足まわりの構成はSEに準じている。
スズキ創立70周年を記念するアニバーサリーモデル:GSX1100SM/SL/SSL
SAE/SBEの生産終了時に、いったんはカタナの製造ラインを撤収したスズキだが、’90年になると自社の創立70周年を記念する限定車として、アニバーサリーモデルを発売。1000台が生産された当初の機種記号はSMだったが、後にユーザーの声に応える形でSLが追加販売され、現在は両車を統合してSLと呼ぶのが一般的になっている。一応は逆輸入車だったものの、実質的には日本市場専用車で、当時の価格は110万円前後だった。
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