マシン・オブ・ザ・イヤー2018
全てにおいてノーマル以上!

モンキー125用ヨシムラ「GP-MAGNUM(GPマグナム)」試乗インプレッション

得るモノがあれば失うモノがあるというのが、世の常である。だがしかし、ヨシムラが開発したモンキー125用マフラーは、あらゆる要素でノーマルを上回る資質を備えていたのだ。

エンジンがスムーズに気持ちよく呼吸している

ヨシムラと言ったら、大排気量スポーツ。世の中にはそんなイメージを抱く人がいるかもしれないが、同社は’70年代から4ストミニにも積極的で、近年ではモンキー50やエイプ、グロムなどに対応するパーツが、長期に渡って好セールスを記録している。もちろん今年から発売が始まったモンキー125に関しても、ヨシムラはさまざまなパーツを発売する予定で、その第1弾として開発が進んでいるのが、当ページで紹介するGPマグナムなのだ。構造的に見るなら、エンジン下でエキパイがぐるりとU字を描く、アップサイレンサーのノーマルに対し、GPマグナムはエキパイがほぼストレートなダウンタイプ。この2車で比較試乗を行った僕が、どんな印象を抱いたかと言うと……。

ヨシムラの圧勝だった。と言っても、単体で乗っているぶんにはノーマルも悪くないのである。ただし、重厚で歯切れのいい排気音、スロットル操作に対する反応のよさ、高回転域におけるシャープで心地いい伸び、全域で少なくなっている振動など、GPマグナムの美点を体感した後だと、ノーマルは本来の資質を抑え込んでいるかのようで、特に高回転域の回り方が苦しそうに思える。逆に言うならヨシムラ車は、どんな領域でもエンジンが気持ちよさそうに、スムーズに呼吸していたのだ。

ノーマル(左)と比較しながらGPマグナムの素性を探った。※テスター:中村友彦

低中回転域のトルクがきっちり確保されている

なおGPマグナムで個人的に意外だったのは、高回転域重視と思える構造にも関わらず、低中回転域のトルクがきっちり確保されていることと、スロットル開度をほぼ一定で走る、まったり巡航が楽しかったことである。このあたりは、エキパイが細くて長いノーマルのほうが有利と僕は考えていたけれど、ヨシムラはその予想を見事に裏切ってくれた。中でも、僕が興味を惹かれたのはまったり巡航での楽しさで、125㏄らしからぬ鼓動感が堪能できるこの特性なら、長距離も飽きることなく走り続けられるに違いない。

ノーマルよりスポーティな走りが楽しめるだけではなく、より上質なフィーリングも味わえる。それがGPマグナムに対する僕の印象で、第1弾でヨシムラの技術力を目の当たりにした僕としては、今後の同社のモンキー125用パーツの展開が、非常に楽しみなのである。

アップタイプのノーマル(左)に対し、ヨシムラらしい排気音とルックスを追求した結果、同社の第1弾マフラーはダウンタイプを選択。実測重量はスチール製のノーマルが5㎏なのに対し、ステンレス+カーボンのGPマグナムが2.4㎏。この差異には素材だけではなく、エキパイの長さも関係していると思われる。

【YOSHIMURA MONKEY125 機械曲 GP-MAGNUMサイクロン TYPE-Down EXPORT SPEC 政府認証】左列のチタンブルーカバーは5万3460円、右列のカーボンカバーは5万5620円で、他にもサテンフィニッシュカバー(4万4820円)とステンレスカバー(4万2660円)がある。メインの素材はステンレスだ。

【左】赤がGPマグナムのグラフ。データ上の差異は1psに満たないものの、GP-MAGNUMは、全域でSTDを凌駕するパワーを発揮。【右】φ32mmのエキパイとφ50.8mmのテールパイプの間には、排気脈動を考慮したテーパーパイプを導入している。

【上】エンジン下で管長を稼いでいるSTD(使用パイプはφ22.2/25.4/28mm)とは異なり、GP-MAGNUMはストレートな構造を採用。【左下】サイレンサーを車体に固定するのはステンレスロストワックス製のT字型ステー。その表面にはヨシムラのロゴも刻印されている。【右下】φ90mm×250mmのサイレンサーエンドには、商品名をレーザーマーキング。インナーパイプは数種類を検討した後に、φ50.8mmを選択。※写真のマフラーはプロトタイプ

【開発者談】「チューニングへの対応も織り込み済みです」

当社のマフラーは絶対性能を追求しつつも、誰もが気軽に楽しめることを念頭に置いて開発しています。特に単気筒用は性能を追求すると、トゲトゲした印象になりやすいので、モンキー125用では、優しさとマイルドさをかなり意識しました。もちろん、既存のモンキー50用と同じく、チューニングエンジンへの対応も考慮して設計しています。※ヨシムラジャパン マフラー事業部次長 吉田学さん

モンキー125用マフラーは、’17年9月から稼働を開始した、タイのヨシムラアジアで生産。同社はヨシムラグループにとって、日本とアメリカに次ぐ第3の拠点だ。

文:中村友彦
撮影:山内潤也
取材協力:ヨシムラジャパン

いち

いち

記事一覧を見る

本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

マシン・オブ・ザ・イヤー2018
<-- microad footer-ad -->
<-- /microad footer-ad -->