マシン・オブ・ザ・イヤー2018
なぜか思い出してしまう、ノリックの面影……。

アジアの新風が歴史を変える!【MotoGPでトルコの15歳が上田昇以来の快挙】

トルコの若きライダー、ジャン・オンジュ選手が歴史的快挙を成し遂げた。その長髪姿と初々しいインタビュー映像に、顔はまったく似ていないはずなのに、かつてのノリックの面影がだぶる……。

オンジュ選手は3つの記録を達成

MoroGP最終戦バレンシアでRed Bull KTM AjoからMoto3クラスにワイルドカード参戦を果たしたジャン・オンジュ(Can Oncu)選手。決勝日における彼の年齢はわずか15歳と119日だった。これはすでに世界選手権のスタートラインに立つプロライダーとして史上最年少記録だったという。

予選で4番手グリッドとなったオンジュ選手は、気温14度、路面温度14度のウエットコンディションのなか、全23周で戦う決勝レースに臨む。オープニングラップの1コーナーに4位で飛び込むと、1周目終了時点で3位につける。4周目には2位を走行中のベッツェッキ選手が転倒、そしてしばらく膠着状態が続くも、残り12周となったところで約3秒差を保ってトップ走行中だったアルボリーノ選手が転倒。これで独走状態となったオンジュ選手は後続との距離を保ち、最終周には危うくハイサイドという場面もあったが、2位に4.071秒差をつけてチェッカーフラッグを受けた。

これでスコット・レディング選手が持っていたグランプリウィナーとしての最年少記録を更新。同時に3つめの記録として、トルコ人選手としても史上初の世界選手権優勝という名誉を手に入れたのだ。パルクフェルメでの本当に嬉しそうな表情、そしてインタビューで初々しく答える様には、新たなスター候補の誕生を感じずにはいられない。ちなみにワイルドカードを含む初参戦でいきなり優勝を遂げたのは1991年のノビーこと上田昇さん以来。来季からのフル参戦では、どんな活躍を見せてくれるだろうか。

アジアタレントカップ出身者としても、もちろん初の快挙となる。「トップ5に入ることを目標としていたから、この結果は信じられない」と語る彼の姿に、若き日のノリックがだぶるような気がしたのは、いささか感傷が過ぎるだろうか。

オンジュ選手は2018年シーズンのレッドブル・ルーキーズカップの覇者という顔もある。7つのサーキット戦われた全12戦うち、5戦で優勝して235ポイントを獲得して年間タイトルを手にした。そしてじつは、3戦優勝&192ポイントを稼ぎ、ランキング2位につけたのは彼の双子の兄弟であるデニス・オンジュ(Deniz Oncu)選手だ。

トルコのアランヤ(Alanya)で生まれた2人はスーパーモトやモトクロスを経験したのちロードレースに転向。デニスは2017年のアジアタレントカップの王者でもある。

Moto3だけじゃないKTMの躍動

そしてこの日はMoto2でもRed Bull KTM Ajoのミゲール・オリヴェイラ(Miguel Oliveira)選手がシーズン3勝目(ランキング2位)を挙げたほか、もうひとつ大きなニュースがあった。

MotoGPクラスにフル参戦2年目となるRed Bull KTM Factory Racingが、ポル・エスパロガロ(Pol Espargaro)選手のライディングで3位、初表彰台を獲得したのだ。これは来季からダニ・ペドロサ(Dani Pedrosa)選手がテストライダーとして加入ことに弾みをつける快挙といっていいだろう。

サバイバルレースとなった決勝で力走を見せるP.エスパルガロ選手。

2ヒート制となったためもう一度コースインするところ(と思われる)。

D.ペドロサの引退と来季

今シーズン限りでの引退&殿堂入りとなったペドロサ選手は、125cc(2003)と250cc(2004-2005)で合計23勝を挙げて3年連続タイトルを獲得したのちMotoGPに昇格。それからの12年間で31勝と112回の表彰台を獲得し、チャンピオンを獲得していないライダーとして破格の勝利数を記録している。ちなみに31勝は、4回の世界チャンピオンを獲得したエディ・ローソン選手と同じ回数だ。2019年シーズンからはKTMのテストライダーとなることが決まっている。

12年間のMotoGPシーズンを過ごし、2017年までは毎年少なくとも1勝を挙げていた。来季のKTMは凄いことになりそうだ。

●写真:Red BULL

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ヨ

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帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)

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