マシン・オブ・ザ・イヤー2018
プロライダー・鈴木大五郎のポルトガルレポート

2019新型BMW R1250GS試乗インプレッション【新エンジンを得てボクサー史上最強最速】

BMW R1250GS

緻密かつ質感の高いトルクを身に付けているBMW R1200GSがモデルチェンジを果たした。2019年型では可変バルブリフト機構を新たに採用し、トルキーかつスムーズなフィーリングをさらに高めている。ポルトガルにてアドベンチャーの雄を試乗したプロライダー・鈴木大五郎がレポートをお届けする。

BMW R1250GS

[TESTER]鈴木大五郎:8耐やAMAなど、豊富な国際レース経験を持つプロライダー。アメリカでフラットトラックの修行経験も持ち、ダートも大得意だ。

想像を超える怒涛のトルクインパクト

とにかくぶっとい! 車体がではない。トルクが凄いのだ。と言うとガツンガツンくる怒涛のトルク感なのかと思うかもしれないが、そうではない。実に緻密かつ質感の高い、扱いやすい極太トルクなのである。

’13年のフルモデルチェンジで水冷化された際、シャープ過ぎる吹け上がりに賛否が割れたR1200GSは、その後の熟成により現行モデルは非常にトルクフルでスムーズなフィーリングを身に付けている。そこに輪を掛けてトルキーかつスムーズとなったのがこの1250だ。

BMW R1250GS

【BMW R1250GS ●国内発売時期/価格:未定 ●色:灰×黒、灰×青、白×青、黒】Fキャリパーはブレンボ製からBMWロゴ入りのHayes製に変更されたが、車体は従来モデルを踏襲。グレードはSTDに加え、専用色&各部ブラック仕上げのエクスクルーシブ、オフロード走行を考慮したHPの3機種。

BMW R1250GS

【BMW R1250GS HP】

BMW R1250GS

HPは専用装備多数。専用シートやステンレス製ラジエターガード(エクスクルーシブも共通)、Fフェンダー延長、短いスクリーン、フレームプロテクターなどを装備。スポークホイールも標準。

1169㏄から1254㏄へと、たった85㏄の排気量増とは思えないほどのトルク感は、”シフトカム”と呼ばれる可変バルブリフト機構の恩恵だろう。低回転域ではリフト量の低いカムが、5000rpmを境にハイリフトのカムに切り替わる。パワー感が低回転から高回転域まで、全域でスムーズに続いていくのはBMWフラットツインの真骨頂というべき特性だが、シフトカム採用の新エンジンでは、その厚みが従来型の2割増くらいに感じられるのだ。

可変バルブリフトというメカニズム自体は目新しいものではないが、その完成度は非常に高く、トルクの厚みやフラットツイン歴代最強となる136ps(従来型は125ps)の最高出力だけでなく、燃費や排ガスのクリーンさも向上しており、燃焼効率の良さもうかがえる。

BMW R1250GS

ボア×ストロークは従来型の101×73mmから102.5×76mmに。トルクは従来型の12.8kg-m/6500rpmから14.6kg -m/6250rpmへと大幅に増加しており、カムチェーンもローラー式→サイレント式に変更し静粛性もアップ。早くもユーロ5に適応し、燃費も4%向上している。

BMW R1250GS

1250最大のトピックが吸気カムの可変リフト機構「シフトカム」。考え方はホンダ4輪のVTECなどと同様だが、BMW式はアクチュエーターピンに沿ってカムをスライドさせ、5000rpmで低速カム(青)と高速カム(赤)を切り替える。低速カム時は2つの吸気バルブの開閉タイミングをずらし、燃焼室内の混合気渦を調整するなどの制御も。

そんなキャラクターはツーリングで生きるのはもちろん、ワインディングではその巨体が信じられないほどの狂速ぶりを見せつけるし、ジェントルに悠々と走らせるのも楽しい。あまり得意ではなさそうな市街地での取り回しやすさにも驚かされる。

オフロードにおける意外な軽快さは従来通りであるが、エンジンに余裕が生まれたことで、振り回せる手応えが増えた感触もある。コーディングプラグを差し込むと選択出来る”エンデューロ・プロ”モードを使えば、電制サスやトラクションコントロールなど電子制御の介入具合も絶妙。バイクまかせ感がさらに高まり、安心度も過去最強。死角は全く見当たらない。

BMW R1250GS

BMW上級機種のスタンダードとなりつつある6.5インチTFTモニターが標準装備。スマホと連動して様々な情報をモニター上に表示可能。

BMW R1250GS

ライポジは基本的に変化なし。写真は欧州仕様のSTDサスにSTDシートでプリロードも最弱。日本ではローダウン仕様が登場するはずだ(身長162cm、体重62kg)。

BMW R1250RT

【BMW R1250RT】RTのエンジンもシフトカム仕様の1250に進化。また、GS同様に坂道発進時に働くヒルスタートコントロールが刷新され標準装備。よりスムーズな作動性となった。

ないものねだりだが、強いて▲を挙げるのなら…

せっかくのモデルチェンジなのだから、スタイリング面にも変化が欲しかった。また、大柄さはGSの魅力のひとつだが、サスペンションが状況に応じてリアルタイムに調整できるのだから、シート高も簡単に調整できる機能が付かないものか?

結論:500㎞先にある林道を楽しめる、最高の旅マシン

単純にツーリングバイクとして最高の性能を持っているが、そこにオフロードを組み込めばさらに世界が広がる。たとえば関東から東北までズバッと高速で移動し、現地の林道やワインディングを楽しむ……なんて使い方がよく似合うだろう。

BMW R1250GS 主要諸元
■全長2207 全幅952.5 全高ー 軸距1525 シート高850/870(各mm) 車重249kg(装備)
■空水冷4スト水平対向2気筒DOHC4バルブ 1254㏄ 136ps/7750rpm 14.6kg-m/6250rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量20L
■ブレーキF=Wディスク R=ディスク
■タイヤF=120/70R19 R=170/60R17

●まとめ:鈴木大五郎
●写真提供:BMW
●問:BMWカスタマー・インタラクション・センター 0120-269-437 http://www.bmw-motorrad.jp/

kas

kas いわゆるWeb担的な黒子

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研二くんのゼッツーに憧れるも手が届かずZ400GPで卒輪(そつりん)した"自二車は中型二輪に限る"世代。あれから30余年を経てまさか再び二輪の世界に触れることになろうとは人生何が起こるかわからんもんだ(笑)
愛車:シトロエン2馬力号(自分的には"屋根付き四輪バイク"の位置付け)

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