仕事に家庭に忙しい日々を送る我々ホリデーライダーにとって、バイクで出かける長距離の旅は、日常のストレスからいっとき解放されて新たな英気を養うまたとない機会。そんなロングツーリングを快適にする頼りになる相棒として欠かせないのが、旅の荷物をひとつに収める大型シートバッグだ。本企画では特に50~70Lクラスのバッグを6点セレクトして、各製品の特徴や機能性をつまびらかに。本稿では、天面のパルステープで拡張性をアップさせた「HenlyBegins ツーリングシートバッグ DH-724」(デイトナ)を紹介する。
容量可変型でシリーズ最大の収納力
HenlyBeginsブランドは2018年5月から新たにツーリングシートバッグシリーズをリリース。4種類の容量可変型でもっとも大きい容量がこのDH-724だ。このバッグの最大の特徴は天面のフラップに設けたパルステープだ。25mm幅の6本のテープが25mm間隔で縫い付けられている。つまり、米軍のMOLLEと同じような拡張性のウェビングシステムと言える。使い方はさまざまで付属のホルダーベルトを使ってマットなど長尺物を固定するもいいし、カラビナを挟んで小物を取り付けたり、市販されているMOLLE対応のポーチを複数付けたりしてもいい。
基本的な作りは箱型で、上面と両横の3方向からメイン気室にアクセスできる使いやすい構造だ。ドリンクホルダーが2つ付いたり、メインファスナーに盗難抑止用の南京錠を掛けるホールを設けたりするなど、細かいところにも工夫を凝らしている。
拡張時の垂れ下がり防止に工夫
左右の開口部を開くとメイン気室にアクセスできる。フタの裏側に面ファスナーで固定されている樹脂板は、バッグを拡張した際に内側に折り込み、垂れさがりを防止するためのもの。
また、拡張すると左右に8cmずつ広がり、53Lの収納容量が70Lへ増加する。
天面フラップの使い方は自由
天面フラップにある2本の連結バックルは同ブランドの3ウェイシートバッグ(1万2420円)などを写真のように追加できる。
フラップ上にある6列のパルステープはカラビナやMOLLE対応のポーチを接続するのに便利。4隅のD環にネットを掛けることも可能だ。
シートバッグを取り付けてみる
(テスト装着車:CRF1000Lアフリカツイン アドベンチャースポーツ)
【POINT1】固定ベルトの向きには方向性がある。写真の後ろ側固定ベルトのバックルは凸側。前側の固定ベルトは凹側になる。
【POINT2】バッグを車両から取り外した際、固定ベルトはプラプラしないようにクロスして締めることができる。
装着後はこんな感じに仕上がる
オーソドックスな箱型のツーリングバッグのため、固定ベルトの装着や積載位置も標準的で困ることはない。バッグの左右にハンドルが付いているので、重量物をバッグに積み込んだときに持ち上げやすい。
開口部は幅40cm×奥行25cm(編集部計測)。レインカバーは裾と天面がドローコードで絞り込めるので、拡張時でもバッグにフィットさせやすい。
各サイズまとめ
幅52.5cm(拡張時68.5cm)、高さ30cm、奥行32cm
たたむと幅52cm、高さ13cm、奥行33cm。外側のポケットやドリンクホルダーのかさが張り出しているので高さがあるように思えるが、実際はもっと平面的。奥行がほかと比べると短く、かなりコンパクトにたためるため、収納も楽そうだ。
●重量:3818g(編集部計測)
●容量:53〜70L
●色:黒
●機能:サイドオープン、マットホルダー、ドリンクホルダー×2、レインカバー、ショルダーベルト、リフレクター
●税込価格:2万3760円
●問:デイトナ 0120-60-4955 http://www.daytona.co.jp/
【大型シートバッグ6選比較レビュー】
#1:キャンピングシートバッグ2 MOTOFIZZ[タナックス]
#2:キャンプツーリングシートバッグ[イガヤ]
#3:HenlyBegins ツーリングシートバッグ DH-724[デイトナ]
#4:ツーリングリアバッグ78[ゴールドウイン]
#5:BWPラフクルージングバッグ[ラフアンドロード]
#6:テールバッグ レースパック[エスダブリューモテック]
●撮影:長谷川徹、松井慎、飛澤慎
●文:飛澤慎