仕事に家庭に忙しい日々を送る我々ホリデーライダーにとって、バイクで出かける長距離の旅は、日常のストレスからいっとき解放されて新たな英気を養うまたとない機会。そんなロングツーリングを快適にする頼りになる相棒として欠かせないのが、旅の荷物をひとつに収める大型シートバッグだ。本企画では特に50~70Lクラスのバッグを6点セレクトして、各製品の特徴や機能性をつまびらかに。本稿では、欲しい機能を全部盛りした不動の定番アイテム「キャンピングシートバッグ2 MOTOFIZZ MFK-102」(タナックス)を紹介する。
大型シートバッグの機能性を測るスタンダード
MOTOFIZZのシートバッグは長年売れ筋として人気を誇っている。その理由は、ロングツーリングに必要で便利な機能性を持ち合わせていることに他ならない。積載しやすい箱型構造は荷物を入れやすく、上面のほかに両横からも内部にアクセスできる開口部は重宝する。またバッグにスリーピングマットやテントをくくりつけていても、それらを崩さずにメイン気室へアクセスできるようバッグ上面をフラップで覆うことや、メイン気室内の荷物が動かないように荷崩れ防止ベルトを採用するなどの定番機能がしっかりしている。
実際、どれも使い勝手がいい機能ばかりだ。特に天面のフラップとメイン気室との間にある上面収納袋は、スーパーで買い足した食品や飲料をパッと積めるスペースとしてかなり重宝する。着脱式のサイドポケットも、バイクに降りて使う小物を収納するのに役立つ。
使いやすい容量アップと開口部
開口部は上面のほか、両横にも開く。開口角度を抑制する着脱式ベルトがあるので、必要以上に開くことがなく、荷崩れによる落下も防ぐことができる。
両横の拡張用ファスナーを開くと左右に10cmずつ広がり、容量が16L拡大して75Lになる。
ニーズに合わせた機能性
バッグの天面にはスリーピングマットを固定できるホルダーと、ジャケットを一時的に挟み込んでおくことができるホールディングコード付き。
天面のフラップをめくると上面収納袋が現れる。巾着のような構造で、袋の開口部はドローコードで開閉できる仕組み。
シートバッグを取り付けてみる
(テスト装着車:CRF1000Lアフリカツイン アドベンチャースポーツ)
【POINT-1】固定ベルトは前後とも共用。まずキャリアにベルトを巻き付け、端のループに凸側のバックルを通せば取り付けは簡単。
【POINT-2】前側の固定ベルトはタンデムステップ周辺がしっかりしていて固定しやすい。ベルト端のループにもう一方の端を通すだけ。
【POINT-3】固定ベルトを付けたらバックルに差し込んで完了。その際本体のガイドループを通すのも忘れないこと。
装着後はこんな感じに仕上がる
大型シートバッグの標準的なサイズだが、後席に積載するとやはりボリューム感がある。バッグの高さがあってまたがりにくいので、サイドスタンドを掛けた状態でステップに一度乗ってからバッグをまたぐと楽に乗車できる。
開口部は幅34cm×奥行22cm(編集部計測)。
レインカバーはバッグを拡張した際に覆えるサイズになっているため、通常サイズではやや緩め。裾はドローコードで固定する。
各サイズまとめ
幅62cm(拡張時82cm)、高さ35cm、奥行35cm
たたむと幅49cm、高さ17cm、奥行55cm。前後に内蔵されている補強板の高さで制限されるため、折りたたんだ際のかさはそれなりだが、全体的には平たくたためる。これなら押し入れの空スペースへ収納しておいてもでも困らないはず。
●重量:3144g(編集部計測)
●容量:59〜75L
●色:黒、黒×橙
●機能:サイドオープン、マットホルダー、上面ドローコード、ドリンクホルダー、レインカバー、ショルダーベルト、リフレクター
●税込価格:2万3760円
●問タナックス:TEL04-7150-2450 https://www.tanax.co.jp/
【大型シートバッグ6選比較レビュー】
#1:キャンピングシートバッグ2 MOTOFIZZ[タナックス]
#2:キャンプツーリングシートバッグ[イガヤ]
#3:HenlyBegins ツーリングシートバッグ DH-724[デイトナ]
#4:ツーリングリアバッグ78[ゴールドウイン]
#5:BWPラフクルージングバッグ[ラフアンドロード]
#6:テールバッグ レースパック[エスダブリューモテック]
●撮影:長谷川徹、松井慎、飛澤慎
●文:飛澤慎