2018年9月14日、ヤマハが新型SR400を正式発表。発売日は11月22日と少し先だが、早速新型に試乗できる機会に恵まれた。比較対象は2016年に発売された従来型だ。
歯切れのいい音にシンクロする加速感が気持ちいい
キャブレターからフューエルインジェクション(FI)に変更されて2009年末に発売された従来仕様のSR400は2017年で生産終了。そして、2018年に復活した新型SR400は、O2フィードバック制御のFIの精度が向上し、蒸発ガソリンの外気への排出を抑えるキャニスターをエンジン左前方に設置。音響解析技術を駆使し、低音と歯切れの良さを向上させた新マフラーの採用が主な変更点となる。それ程の違いはないだろうと乗ってみたが、キャラクターが新旧で少し異なっていた。新型は開けはじめのツキが良くなり、回さなくてもストトトッと加速していくので、早めのシフトアップでつないでいくのが気持ちいい走らせ方になっていると感じた。大型車にあるテイスト系ツインエンジンのような印象で、ちょうど加速がいい3000rpm前後の排気音の歯切れがよく、走り、サウンド、鼓動感が調和して官能的だ。スペック上でも最大トルク発生回転が5500rpm→3000rpmに落とされており、乗り比べると従来型はもう少し上の回転を多用する走りがエンジンの性格に合っている感じだ。だが、そうは言ってもSR400としての大きな違いはなく、従来型も低回転でトコトコ走らせてもそれなりに気持ちいいし、新型でも回してパワーが感じられるのは同じ。ただ、キャラクターの違いは間違いなくある。
ディテールもいろいろ異なっていた
詳細はヤングマシン12月号(10月24日発売)に譲るが、カラーリングや排ガス規制に対応するための主要な変更だけでなく、新旧で見比べた結果、ECUおよび設置場所、シートベースの形状、前後ウインカー、ヘッドライトレンズ、右側ハンドルスイッチの文字デザインなども異なっていた。ヤマハの信念ともいえるモデルだけに細部に至るまで目配りされた開発姿勢の現れと言えるだろう。
撮影:松井慎
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