新興勢力の最高峰スポーツタイヤをテスト

中国タイヤ、TIMSUN=ティムソンでヒジすりできる?!

精力的に開発に取り組み、技術力と品質を高めることで、世界各国にその名を轟かせつつある新興タイヤメーカー、TIMSON(ティムソン)。同社の最新ハイクオリティモデル「TS689WING」と定評ある従来モデル「TS613」をサーキット&公道で比較テスト!

CIRCUIT サーキットテスト

今回のテストにはヤマハのYZF-R25を使用。青の車両にTS689WING、白の車両にTS613を装着し、さらにノーマルタイヤの車両の3車で比較した。サーキットテストの担当ライダーは神永暁選手、コースは袖ヶ浦フォレストレースウェイだ。

十分なパフォーマンスでスポーツ走行に最適!

初めてのタイヤをサーキットで試す時は、いつもワクワクする。新鋭タイヤメーカー・ティムソンのTS689ウイングは、いったいどんなフィーリングのタイヤなんだろう……?
期待しながらも、まずは慎重に走り出す。ナチュラルなハンドリングだということがすぐ分かったので、安心してペースを上げていける。温まるのには少し時間がかかったが、周回を重ねるごとにグリップが高まっていくことが手応えとしてしっかり感じられた。
TS689はティムソンの中ではもっともスポーティーな位置づけのタイヤだ。だが、走行フィーリングは意外なほど上質。ロードノイズや振動が抑えられており、乗り心地は上々だ。若干タイヤが重めの印象で、それが幸いしているように感じた。
さらにペースを上げていく。十分に温まったTS689ウイングは路面をしっかり捉え、接地感も高い。ハンドリングはややアンダーステア傾向が感じられたが、気になるほどじゃない。「どこまでイケるのかな」と試したくなる──ということは、それなりに安心感が得られているということだ。
時間をかけて攻め込んでいくと、ついにはヒジ擦りに成功! が、このあたりでやめておいた方がよさそうだな、という感触が伝わってきた。前後タイヤともズズッと滑り始めていたのだ。限界だということを分かりやすく教えてくれるので、不安感はなかった。
TS689はあくまでも「スポーティータイヤ」というポジション。サーキットで激攻めしたりレースに出たりするための超ハイグリップなレース用タイヤじゃない。公道で想定される幅広い路面状況に応えながら、耐久性の高さも重視したオールマイティなストリート用タイヤなのだ。
公道をメインステージとして、ツーリング先のワインディング走行を楽しむ、といった使い方にちょうどいいタイヤだという印象だった。比較としてツーリングタイヤTS613もテストした。こちらは軽快感が楽しいタイヤだ。グリップレベルはTS689ウイングには及ばないものの、ニーゴーらしいヒラヒラとした走りを見せる。
両モデルを乗り比べて、「同メーカーでこんなにハッキリとキャラクターが違うなんて、タイヤ選びが楽しくなるな!」と思った。ニーゴークラスはタイヤ代もリーズナブル。「換える喜び」の選択肢として、ティムソンTS689ウイングは十分「アリ」だ!

フロントはトレッド部の設置幅を狭め、センター部の摩擦係数を上げることでハンドリング性能を向上。リヤはタイヤ全体で荷重を受け止める専用設計が施されている。また、高張力を加え密度を高めたハイテンションカーカスが、高速走行時の安定性を高めている。

250〜400㏄のミドルクラスに向けて、フロント3サイズ、リヤ2サイズを設定するオールマイティなモデル。軽快なハンドリングがミドルクラスの魅力を引き立てる。スポーティーなイメージの極太グルーブはトレッドの端まで配されており、雨天走行時の排水性能に配慮している。

↑ヒジスリできたかどうかはこちらでも確認を!

STREET ストリートテスト

サーキットテストに続き公道でもTS689WING、TS613、ノーマルの比較テストを実施。担当ライダーはフリーライターの髙橋剛氏。

明確にキャラが違うからタイヤ選びが楽しくなる

神永暁くんとともにサーキットテストを行ってから、そのまま公道に持ち込んで試乗してみた。
僕にとっても初めてのタイヤブランドだが、サーキットで十分なパフォーマンスが確認できており、不安はない。ちなみにサーキットでの印象は、暁くんとほぼ同じ。ただ、TS689ウイングはケースが硬いように感じられたので、ストリートの乗り心地はどうかな、と意識しながら走らせてみた。
まずは従来モデルのTS613で走り出す。サーキットと同様、軽快でニーゴーらしい走りだ。ヒラリと軽い倒し込みから旋回性を得るタイプのタイヤだが、節度があるので不安感はない。
公道走行レベルならグリップレベルにまったく不満はないし、ギャップのいなし方も穏やか。コーナリング中のラインチェンジにも素直に追随する。
一方の新作ハイクオリティモデルTS689ウイングは、まずカッチリした剛性感が印象的だ。ギャップもよく拾い、乗り味はゴツゴツしている。また、TS613と比べると明らかにグリップ力は上。高い剛性感と相まって、「スポーツタイヤを履いているぞ!」という手応えを感じさせてくれる。
適正速度もやや高めだ。コーナー進入時にはある程度車速を乗せ、荷重をかけてやった方が旋回力が高まる。進入からバシッとラインが決まれば気持ちよく旋回してくれるが、ダラッとした走りではうまくラインに乗せられない場面もあった。ブレーキング、旋回、立ち上がりとメリハリを効かせた走りをするほどにしっくりくる。「見た方向にスッと曲がる」というラクチンな特性のTS613はツーリングユースにピッタリだし、「自分で曲げる!」という明確な意志のもとでこそ性能を発揮するTS689ウイングは、能動的なライディングを楽しむのに最適だ。
テスト車が車重の軽いYZF-R25だったこともあって、両タイヤの性格の違いがクッキリ浮き彫りに。純正タイヤとの比較でも、それぞれにキャラクターがしっかり立っていることが確認できた。走りのスタイルやメインステージに応じたタイヤチョイスの幅を広げてくれる2モデルだ。

TIMSUN(ティムソン)とは?

日本や中国を始めとするアジア諸国を中心に、ヨーロッパも含めて世界40ヵ国に累計1億本ものモーターサイクル用タイヤを流通させているグローバルタイヤブランドがティムソンだ。スクーターからスポーツバイクまで、オンロードからオフロードまで、幅広いラインナップを取り揃えている。

写真はTS689WINGでJISの性能試験の一つである破壊テストを行っている様子で、ピンに向けて圧をかけてどのくらいパンクに耐えられるかを測定。結果はJIS規格の倍近い数値だった。TIMSUN(ティムソン)は2016年3月に日本工業標準調査会にJIS規格を申請し同8月に海外のタイヤ工場としては4社目、中国企業としては初めてJIS認証工場として登録されている。

ニュース提供:ヤングマシン2018年1月号
車両協力:ヤマハ発動機
取材協力:TIMSUN(ティムソン) 公式WEBサイト 公式Facebook
タイヤ交換:SP忠男 浅草店

高橋 剛

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セッティングが出れば怖いものなし。

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