10月20日、バイクではサスペンションメーカーとして有名なショーワが、栃木開発センター・塩谷ブルーピンググラウンドのワインディングコース完成式典を開催した。テープカットやコースのお披露目とともに体験走行も実施。特に注目だったのが5月に初公開された電子制御サスペンションを搭載したアフリカツイン開発車両の展示とデモランだ。
進化型はストロークセンサーを内蔵か?!
ショーワのアフリカツイン電サス仕様は、5月の仕様と10月の仕様を見比べると分かる通り、現在は異なる機構で開発されている。5月は車高調整機構がセットされていたが、10月はストロークセンサーと思われるディテールが確認できるのだ。アフリカツインとは別に5月に発表されたBFFの電サス仕様には、ストロークセンサーが内蔵されていることが明らかにされていたが、異なるサス機構を持つアフリカツイン電サス仕様も同じ性能を獲得すべく開発されているのだろう。
ショーワの電サスは早くて正確
早さは減衰力の調整にソレノイドバルブを使用していることで他社製よりも数倍早い反応ができるという。正確性はストロークセンサーを装備することでGセンサーなどを使うタイプよりもサスの状態を的確に把握できるという。ソフトも自社で開発しておりさらにバイク専用とすることで「スポーツバイクであればトラクション性能の向上、デュアルパーパスでは悪路走破性の改善、アメリカンツアラーでは長距離ツーリングでも快適な乗り心地をサスペンションシステム全体で実現する技術を確立した」とメリットを説明している。
イーラのキモは車高調整と減衰力可変の2つ
と、ここまではメカニズム的な特徴を説明したが、今回新たにショーワの電サスが目指すコンセプトが説明された。目的は「究極の気持ち良さと楽しさ」を実現するためで、これはショーワ全体の製品コンセプトと重なる。それを実現するための電子制御で「1 体格」「2 状況」「3 相反する要素」を幅広くカバーすることを目標に掲げている。具体的なメカニズムとしては「EERA-Damping Force」(減衰力可変システム)と「EERA-Ride Height(仮)」(電動車高調整システム)の二つが開発されており、アフリカツイン電サス仕様では5月に展示されたのが後者、この10月に展示されたのが前者と言えるだろう。
では、イーラの市販車投入はいつ?
10月20日のワインディングコース完成式典の場でこのコースもイーラの開発に活用されることが明らかになったが、イーラ搭載車の発売について語られることはなかった。ただし、ショーワは2017年11月7日から開催されるイタリア・ミラノショーに出展することを明らかにしていることから、そこで何らかの発表が期待できるだろう。続報に注目!