新旧CBを徹底比較

9psアップ! 2018年CB1300SF/SB正式発表

登場25周年を迎えるテッパンの王道ネイキッドCB1300SF・SBがモデルチェンジを実施し、平成28年度排ガス規制に対応すると同時に細部のさらなる熟成化が進められた。東京モーターショーを前に正式発表された新型’18年モデルを旧型と並べて徹底比較する。

完熟されたスタイルに新しさが加味された

平成28年度排ガス規制&ユーロ4到来や、東京モーターショーで新型のCB1000Rも発表されることで、一時は生産終了かとも囁かれていたCB1300SF&SB。しかし、ホンダのビッグネイキッドフラッグシップは不滅だ。すでに初代BIG-1=CB1000SFから25年、1300としてもSC54型となってから14年が経過しており、そのスタイルやディメンションはもはや完熟の域。度重なる改良を受けてきたライディングポジション、’10で大人らしい風格を増したテールカウル、’14年で採用されたスリムなサイドカバーやスポーティな10本スポークアルミホイールなど枚挙に暇がない。

そのためか、新CBはこの基本フォルムをあえて崩さず踏襲する。だが、マフラー&ウインカー変更とSFに採用された現代的なLEDヘッドライトで、そのイメージはより颯爽としたものへと昇華。これも完熟の王道CBだからこそ許されたと言っていいだろう。

では、変更ポイントを新旧比較形式で見ていこう。

 

CB1300 SUPER FOUR

新しいCB1300 SUPER FOURは、フルLEDとなったヘッドライトがポイントのほか、赤塗装の下側に金と紺のラインが追加されているのが特徴となる。サイドバッグ装着を想定して、SFもマフラー取り付け角度はSB同様に下げられた。細身となったマフラーだが、車重全体では旧E Package 車と同一の268㎏(旧STDは267㎏)だ。
新CB1300SF&SBのディメンションは、’14で熟成された先代モデルと同一。威風堂々としヨーロピアンスポーツネイキッドの王道スタイルはこれからも不変だ。撮影車はタイヤにダンロップ製ロードスマートⅢを装着。

CB1300SUPER BOL D’OR

先代モデルで既にLEDヘッドライト化していたCB1300SUPER BOL D’ORは、今回ウインカーもLED化。それ以外の正面は変わらずだが、小ぶりなウインカーが、よりシャープさを増している。
SBの車重も旧E Package車から変わらぬ274㎏(旧STDは273㎏)だ。なお、新SBの撮影車は先代のブリヂストン製BT021&022からバトラックスT30にタイヤが変更されていた。

LEDの恩恵はもはや常識

CB1100RS・EXと同系デザインのLEDヘッドライトを1300SFに新採用。また、SFとSBともにウインカーも細長なLEDタイプとした。これにより、全灯火類がLED化したことになる。デザイン&視認性向上はもとより、超寿命化・省電力化によるLEDの恩恵はもうご存知のとおり.

黄色みがかかったハロゲン光と異なり、LEDの白色光が印象的。Loでは上半分が、Hiでは全体が点灯する。4つのプロジェクター状レンズやリング状に光るデザインはCB1100譲り。
’14でLED化を果たしていたSBのヘッドライトは変わらず。今回はウインカーが新たにLED化されることになった。
細長のLEDウインカーとなることで、テールまわりもより軽快となった。テールランプについては、’10から既にLED化を果たしていた。
タンク上に誇らしげに飾られる“PROJECT BIG 1”のロゴは、同計画の25周年を祝ったスペシャル仕様となっている。

直4らしい力強さを増したエンジン&マフラー

エンジン外観に変化はないが、最高出力は+9㎰の110㎰にパワーアップ。さらにリヤホッピング抑制とクラッチ操作荷重を軽減するアシストスリッパークラッチも新採用となった。マフラーは小型2室構造の新型となり、直4らしい吹け上がり感と重厚なサウンドを実現。

’14年で6速化も果たし完熟されたと思われていたエンジン。外観やエキパイ取り回しに変化はないが、今回その中身はさらに強化された。アシストスリッパークラッチも新採用。
細身となった新型マフラーは、騒音規制の世界基準調和により先代よりダイナミックな音質となった。もちろん平成28年度排ガス規制にも対応。ヒートプロテクター形状も改められた。
新旧太さの違いはハッキリ。新型の出口からは2室構造になった様子を垣間見ることができる。
新型CB1300SFは、マフラーステーを兼ねるタンデムステーも純正オプション品サイドバッグのワンタッチ装着を前提とした新型形状となっている。SBは新旧ともサイドバッグ対応だ。

ハンドリング&制動力向上

前後サスペンションは外観からだとカラーリングくらいしか違いはないが、よりニュートラルなハンドリングを目指してチューニング。フロントブレーキもピストン径が最適化されている。なおABSは先代同様に全車標準装備だ。

外観からはまったく違いが分からないフロントまわり。だが、サスやブレーキの中身はしっかりと強化されているのがポイントだ。
スプリングの巻き数も同じでやはり外観の違いはリザーバータンク周辺の色くらい。跨った感じでは大幅なサスチューニングは行われていない様子だ。

欲しかった細かい機能が充実

まさに熟成を超えた熟成といった感じで、新CBには他にもかゆいところに手が届く嬉しい改良が。特にヘルメットホルダーやL字エアバルブなどライダーからは欲しかったと大きな声が寄せられていたであろう部分だ。今や必需品のETCやグリップヒーターも標準装備に。

出先でのエア補充でいつも泣かされてきたタイヤのエアバルブ形状がL字型に。これは嬉しい。
プッシュ型のヘルメットホルダーを左シートカウル下に“増設”。シート下にある従来型のフック式ホルダーもそのまま残っている。ただ、そちらは毎回シートを外す必要があるので使いにくかった。
耐久性と質感を高めるウェーブキーに変更。不意に曲げてしまうおそれもこれで少なくなっている。
従来E Package車として設定されていたグリップヒーター&ETC車載器はSF、SBともに標準装備となった。ETC インジケーターはメーター内にビルトイン。
SF、SBともにDC12Vの給電シガープラグをシート下の小物入れ後方に標準装備。スマホなどの充電に便利だ。
タンクキャップはホンダ車で’80年代末期より長らく使われてきた7穴タイプから、最近のブランニュー車に多い新型の5穴タイプに切り替わった。内部の仕切り板も変わっている。

カラーバリエーション

車体色はSF・SBともに2タイプの新グラフィックを設定。上がソードシルバーメタリック、下がパールサンビームホワイトとなる。

今回の記事は10月24日(火)に発売となるヤングマシン12月号より抜粋。誌面で全体を俯瞰しながら情報を捉えたい場合は、コチラよりご購入下さい。

(撮影:真弓悟史/山内潤也)

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