スズキのターボに最新動向!

スズキ・リカージョンは逆回転クランクか?!

【SUZUKI Recursion(リカージョン)予想CG ●予想発表時期:調査中】

スズキのターボチャージャー付きスポーツバイク=Recursion(リカージョン)に、最新情報が入った。エンジンは逆回転クランクというメカニズムを採用する可能性があるのだ。

MotoGPマシンと同じメカニズム

逆回転クランクとは、エンジンのクランクシャフトの回転方向が通常の逆に回転することを意味しており、最近ではRC213Vやずっと以前からYZR-M1が採用しているメカニズムとしても有名だ。その効能はホイールの正回転によるジャイロモーメントを打ち消し、安定性の代わりに運動性を高めるというもの。同じ直4を採用し、エンジンの構造がYZR-M1に近いと言われているスズキのGSX-RRもひょっとすると逆回転クランクかも知れない。

8月に公開されたスズキの特許には「操縦安定性を損なうことなく、過給機の配置スペースを確保する」とその目的が書かれている。内容は「エンジン(2)は、排気を駆動源とした過給機(27)と、車両進行方向とは逆方向に回転するクランク軸(23)と、クランク軸の中心より後方に軸線(C2)が設けられるシリンダ(21)と、を備える。過給機は、シリンダの前方に配置される。これらにより、シリンダの前方に過給機を配置するためのスペース(S2)を確保することができると共に、タイヤやホイールの回転による回転イナーシャを相殺することができる」というもので、逆回転クランクについてはMotoGPと同じ効能を挙げている。バランサー軸(26)は、カウンター軸(24)を駆動する役割も負う。さらにメカロスの少ないオフセットシリンダーを採用することでもエンジン前方のスペースを確保できるという超合理的な設計だ。

狙いの本筋は逆回転クランク以上に、ターボを設置するスペースが必要だったと推測できる。そのためにエンジンのバランサーをシリンダー後方に配置する必要があり、結果的に逆回転クランクシャフトを選択したのだろう。実際にリカージョンがこのメカニズムを採用するかどうかは不明だが、この特許が出願されたタイミングが20162月で、201510月の東京モーターショーで展示したエンジン・XE7(下写真)よりも新しいのが気になるところだ。

’15東京モーターショーに出展されたターボ付きエンジン・XE7は出展と同時期に出願された特許図面から明らかに正回転仕様で2軸バランサーを装備、そのうち1つはエンジン前方に位置している。ターボチャージャーはバランサーの上部にセットされているが、本来はバランサーが位置している辺りにターボをセットしたかったのかも知れない。

スズキのターボ付きスポーツバイクのコンセプトモデルであるRecursion(リカージョン)は、’13年の東京モーターショーで初公開され、その時は588ccOHCツインが搭載されていた。車体はアルミフレームでインタークーラーはシートの下というユニークなレイアウトを採用した設計だった。次の’15モーターショーではエンジンだけの展示で、全く設計の異なるインタークーラーター付きDOHCツイン=XE7を出展。完成度は高く、これが市販版に近い状態で、’17モーターショーで完成車を出展する流れと思われてきたが…。

リッターバイクの性能をミドルクラスのサイズで実現するというテーマで’13東京モーターショーに出展されたリカージョン。順番からこれが第一段階だとすると、’15東京モーターショーで出展されたエンジン・XE7が第二段階、さらに今回特許が公開された逆回転クランクのエンジンが第三段階に数えられる。

正回転のXE7か逆回転クランク仕様か?

推測になるが、XE7の出展後に逆回転クランク仕様にエンジンを設計変更したのかも知れない。本誌ではXE7がテスト走行を重ねていたとの情報を得ており、その結果さらに改良が進んだとしてもおかしくはない。また、逆回転クランクエンジンと同じ時期の特許に、フレームとリヤサスペンションの特許出願もあり、全面的に開発が進んでいる様子がうかがえる。最終的にどの仕様のエンジンを採用するか、または、何も発表されずに持ち越しとなるのか? 確定的は情報はないが状況証拠はかなり充実してきており、この秋の発表を大いに期待したいところだ。

GSR250のイラストとともに出願されたフレームとリヤサスペンションの特許は、XE7を搭載していたフレーム(’15年10月特許出願)とうり二つだが、出願時期は少し遅れて逆回転クランクと同時期の’16年初頭。順番的に考えると、逆回転クランクのエンジンになってもフレームは基本的に変わらないとも推測できる。コンパクトなトラスフレームの車体によく曲がる逆回転クランクのエンジン+ターボという組み合わせはかなり刺激的だ。

【SUZUKI Recursion(リカージョン)予想CG ●予想発表時期:調査中】 ’13東京モーターショーモデルから4年。リヤインタークーラーターボエンジン➜上面インタークーラーターボのXE7エンジン、ツインスパーフレーム➜トラスフレームなど、市販に向けて多数の変更が加えられていると思われる期待のミドルターボモデル。このCGでは市販感を高めるためにGSX-S1000F風のフォルムとしているものの、実車ではショーモデルのスズキらしい縦目フォルムを再現してくれることに期待!(CG担当)。

いち

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本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

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