ファッションバイクとは呼ばせない! クラス最高の45psを発揮するスポーツバイクの真価とは?【ハスクバーナ・モーターサイクルズのヴィットピレン401&スヴァルトピレン401海外試乗】
ハスクバーナ・モーターサイクルズのヴィットピレン401とスヴァルトピレン401が初のフルモデルチェンジを受けた。デザインは前モデルを踏襲し、車体は新設計の鋼管トレリスフレームとアルミスイングアームを採用。そしてエンジンは400cc単気筒クラスとしてはトップクラスの45psを発揮し、最新電子制御も満載。その実力を確かめるためにスペインへ飛んだ。
●文:ミリオーレ編集部(小川勤) ●写真/外部リンク:ハスクバーナ・モーターサイクルズ ●BRAND POST提供:ハスクバーナ・モーターサイクルズ
何にも似ていないバイクの創造。シンプルで普遍的、さらにレトロで未来的でもある
バイクのデザインというものは、ある程度カタチが決まっている。人間工学的なことはもちろん、スポーツバイクは低く構えたポジションにカウルが装着され、クラシックテイストは昔ながらのスタイルを踏襲。オフロードやアドべンチャー、ストリートファイターやモタードも比較的決まったスタイルがある。
しかし、ハスクバーナ・モーターサイクルズのヴィットピレン401とスヴァルトピレン401は、その潮流の中にいない。そのデザインに過剰さや過激さはなく、シンプルなのに個性があり、どことなく上品なのだ。
2013年にKTMの傘下となったハスクバーナ・モーターサイクルズは、2014年のEICMAでヴィットピレン401のコンセプトモデルを発表。その後、まだかまだかと言われ続け、2017年のEICMAで市販モデルのスヴァルトピレン401とヴィットピレン401を発表し、2018年から市販化した。今でこそ401シリーズの2台は馴染みがあるが、まさに新しいトレンドの出現だった。
シンプルかつ上質で、好感度がある北欧ならではのセンスは、僕にはモダンを通り越してどこか未来的に映った。世代やキャリア、センスでさまざまな見え方をするのも特徴で、バイク好きだけでなくファッションに感度の高い人々からも脚光を浴びた。
まさに現代おけるカウンターカルチャーのバイクだ。さらに何にも似ていないバイクを創造したばかりか、それまでオフロードイメージの強かったハスクバーナ・モーターサイクルズをロードの世界に浮上させ、6年の年月をかけてそのイメージを着実に拡大させてきた。実際、401シリーズのオーナーさんと話したりすると、ライフスタイル全般において審美眼があり、そのセンスで上手に自分をプロデュースしている方が多い印象だ。だからこの2台を見かけると、バイクだけでなくオーナーさんのファッションや持ち物にも注目してみたくなるのだ。
そんなヴィットピレン401とスヴァルトピレン401が初のモデルチェンジ。スペインのマラガで開催された試乗会に参加してきた。
品格のあるスタイルに、クラス最高スペックのエンジンと電子制御を搭載
スペインで出会ったヴィットピレン401とスヴァルトピレン401は、上質さに磨きをかけ、一回り大きくなった車体はとても清らかに見えた。シンプル/クラシカル/未来的/シック/普遍的/北欧デザイン/ノルディックスタイル…、眺めていると相変わらず多様な印象が頭の中を駆け巡る。すべてを刷新しつつ、ヴィットピレン&スヴァルトピレンらしさをキープ。よくこのデザインを思いついたなぁと改めて感心する。
取り回しは軽く、ポジションも良好。前モデルよりも車格は大きいが、シート高が15mmも下がっているため、安心感が高い。ハンドルはヴィットピレン401の方がわずかに低いが、僕の体格だと2台のポジションにそれほど差を感じなかった。大きな違いはホイールとタイヤ。ヴィットピレン401はキャストホイールにロードタイヤを履き、スヴァルトピレンはスポークホイールにブロックのタイヤを履く。
デザインばかりに目がいくが、エンジンは45psのハイスペック。これは400ccクラスの単気筒としてはトップクラスのパフォーマンスである。フレームやスイングアームも一新。電子制御も充実し、サスペンションは調整機構付きのWP製だ。とにかく高機能&高性能部品のオンパレード。これで79万9000円(2台共通)はかなり頑張っていると思う。
時代や流行りに流されない、まさにタイムレスな存在
次々とカーブをクリアすると、この2台の答えがより鮮明になっていく。峠に入ると、ヴィットピレン401とスヴァルトピレン401は、かなりピュアなスポーツバイクに変身した。市街地を走行していた時から、この手応えはあった。ただその答えがこれほどクリアなものだとは思わなかった。答えが鮮やかになっていくのは、ライダーの操作や思いにどこまでも理想的なタイミングで401シリーズの2台が応えてくれるから。
「もっと素早く向きを変えよう」「もっと鋭く立ちあがろう」…。いろいろと試したけれど、「ちょっとこのクラスの他のモデルではこの領域に行くのは難しいんじゃないか?」と思うほどのところまで応えてくれる。集中力が高まり、不思議と頭も冴えてきて、降りたくなくなるほどだった。その運動性は、まったく持ってファッションバイクのものじゃない。
エンジンは、スタート時に大きめにスロットルを開ける必要があるが、それは明らかな高回転型単気筒だから。通常走行時は3500rpm、スポーツ走行時は6000rpmをキープしたいが、アップ&ダウン対応のイージーシフトが標準装備されているので、これはそれほど難しい話ではない。
普通自動二輪免許で乗ることができるバイクというと、どこかで初心者用をイメージしてしまうこともあるだろう。しかし、この2台はきちんとキャリアを積んだライダーを満足させてくれる。イージーシフトを駆使して、常に良い回転を探し、トラクションコントロールやコーナリングABSに頼ってみる。また、ライダーの荷重コントロールをレスポンスよく感じ取ってくれるWP製サスペンションは、国産車では考えられないほどコストのかかった仕様だ。
バンク中にギヤを落としてみたり、砂の浮いた白線でスロットルを全開にしたりしながら電子制御の仕上がりも試したが、イージーシフトやトラクションコントロールはライダーをしっかりサポート。この2台が見せる理想的なスポーツバイクの振る舞いはうっとりするほどだった。
この2台は「バイクの魅力を知ってもらう」そのための大切な要素が作り込まれている。良い機能パーツはやはり操作が楽しいし、正確なフィードバックをくれる。仮にファッションとして乗り始めたとしても、ライダーがスポーツライディングの世界に目覚める可能性も高いと思った。良いバイクはライダーを育むのだ。
近年、ファッション界ではクワイエットラグジュアリーがムーブになりつつある。それは、その言葉通り、静かで、シンプルだけど品格があるファッションのこと。派手な色やロゴに頼らずともブランドのフィロソフィーが滲み出ており、それにふさわしい素材が採用されていることも大きなポイントだ。佇まいそのものに美しさが宿り、他メーカーと異なるアプローチで進化しているヴィットピレン401とスヴァルトピレン401は、僕にとってはまさにそんな存在。現代のトレンドやクリエイティブもふまえながらも、最初に産み落とされたコンセプトに忠実に深化している美しさがそう感じさせる。今回のフルモデルチェンジが契機となり、いつの時代も愛されるタイムレスな存在として改めて注目を集めるはずだ。
よりスタイルを追求できるカスタムも楽しみたい!
※本記事はハスクバーナ・モーターサイクルズが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。