衣食住、すべてのアイテムをバイクに積んで走るキャンプツーリング。それだけに荷物はとても多くなる。経験を積んで慣れればある程度減らすこともできるが、初心者のうちはとにかく荷物が多くなるもの。なので購入するシートバッグは、チェアやテーブル、焚き火台を持って行くなら、無条件で65~70Lを選ぼう。またバッグと車両の相性は、購入前に用品店で確認した方が無難だ。
シートバッグの場合:パッキングは平物→長物→大物→小物がセオリー
今回は、ヘンリービギンズ(デイトナ)のキャンプシートバッグプロ DH-745(2万6400円)を使用。55L→70Lの容量可変機能を持っており、今回は70Lまで拡張して紹介したキャンプ道具一式を詰め込んでみた。
バックの底には養生目的にピクニックシートを敷き、平たくて大きい焼き網などはその上に収納。重量バランスは二の次でOK。まずはバッグにすべてが収まることを第一に考えよう。
次に入れるのは、タープポールや焚き火台といった長くて硬い、いわゆる長物。60~65cmくらいのたたみ寸法で長物を揃えておくとバッグに収納しやすい。
キャンプ道具は重いものが多い。なので平らな物や長物をバッグの下側に入れて芯を作り、バッグのたわみや型くずれを防ぐ。バッグの剛性メンバーに長物を利用するって寸法だ。
長物の次は大物。今回の場合、一番大きな荷物であるテントの場所を決め、それ以外の隙間に合わせてエアマットやシュラフなどの荷物をパズルのようにはめ込んでいく。
ライディング中に背中に当たりそうな部分には、シュラフやマットなどの柔らかい荷物を入れておくと道中の移動が快適になる。
パッキングに余裕が出てきたら、今度は使用頻度も考慮してみる。道中使うアイテムはすぐ取り出せる場所に入れておくと便利だ。
余った隙間に、ボンベや調味料といった小物類を詰めていく。硬い物はなるべく中央部分の隙間に押し込むと、バッグのシルエットがきれいに仕上がる。
すべての荷物が収まった。ぴったり70Lを使い切ったので、レインウエアやモバイルバッテリーなどは外側のポケットに入れることにした。
防水バッグ+テントバッグの場合
ツアラテック・アドベンチャードライバッグL(49L)と、SWモテックのテントバッグ(22L)を使用し、合計容量は71L。テントバッグに少し余裕を残して全ての荷物が収まった。
防水バッグは一度バイクに積載してしまうと荷物が取り出しにくい。なので、そちらには現地まで使わない物、道中使うかもしれない物をテントバッグに分けて収納することにした。
(左)ツアラテック アドベンチャードライバッグL(49L) (右)SWモテック テントバッグ(22L)
ドライバッグは薄手の防水生地を圧着整形したものが多い。防水性を優先するため開口部は1箇所で、ロールアップして内部を密閉するタイプが主流だ。
荷物を詰め込む手順/ノウハウはシートバッグとほぼ同じ。マットで底部を養生→平物→長物→大物の順で詰めていく。また防水バッグは穴あきが致命的。底部は特に養生を心がける。
また同様に、キャンプアイテム類の角にも注意。テーブルなど鋭利な角のあるアイテムは、グランドシートなどの布類で包み養生しながら詰めていく。
防水バッグ最大の特徴は、コンプレッションによるエア抜き作業。荷物を入れながら膝などでプレスすると、テントやシュラフなどの空気が抜けてよりコンパクトになる。
テントバッグには、道中使いそうなお風呂セットや着替え、バーナー類を収納。最小限の荷ほどきで取り出せるようにする工夫だ。
●写真:武田大祐 ●文:谷田貝洋暁 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
キャンプ大好き二輪ライター・ヤタガイ氏によるバイクキャンプ入門。次ページではショックコード(ゴム紐)を使ったバイクへの荷物積載法について解説する。
〈特集〉ソロで楽しむバイクキャンプ入門
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