KATANA COMPLETE FILE 1980-2019

蘇るカタナ伝説〈07〉これが伝説の”耕運機ハンドル”だ!

カタナであってカタナではない。日本仕様のGSX750Sからはスズキの苦悩が感じられた。

狩られ過ぎていまや絶滅危惧種

排気量上限の自主規制値が750ccで、カウリングと低いセパハンが違法と認識されていた’80年代初頭の日本市場。そんな状況下で国内販売が始まったGSX750Sは……、随所にスズキの苦悩を感じるモデルだった。その象徴と言えるのが、耕運機を思わせる大アップハンドルで、1100用に交換するユーザーが後を絶たなかったため、当時の警察はGSX750Sを標的として徹底的にマーク。この取り締まりは、“カタナ狩り”と呼ばれた。

【SUZUKI GSX750S 1982年】主要諸元■空冷並列4気筒DOHC 4バルブ 747cc 69ps/8500rpm 6.2kg-m/7000rpm 222.5kg(乾)■タイヤサイズF=3.25H19 R=4.00H18 ※国内仕様車

アップハンドルにバックステップのポジションがチグハグな感じ(GSX750S復刻インプレ)

パワーユニットは、低燃費、高出力を誇るTSCCのDOHC4気筒16バルブ。パワーの出かたはトリッキーではないが、底力は十分あり、アクセルを開けた分だけ忠実に加速してくれる。

GSX750Sのポジションはアップハンドルにバックステップと言った感じで、今ひとつスズキらしいポジションから遠ざかった気がする。 輸出モデル、1100刀のドロップハンドルに乗ってしまったせいかも知れないが、安定感がかけてしまった。GSX750Sが1100と同様のポジションならば人車一体感があるのだが、それが許されない日本の運輸省にいらだちをおぼえるのは、私一人だけだろうか?

ライディングポジションのバランスを崩す大アップハンドルの採用によって、日本仕様のGSX750Sはカタナ本来の資質が味わいづらくなっていた。

足まわりは、“スーパースポーツ”を強調するだけに、低速ではやや堅く感じるが、高速になってくるとその本領を発揮する。シャープなハンドリングとサスペンションのマッチングの良さは、ワインディングロードを一定のリズムで走りぬけるときに、操縦のしやすさとなってあらわれてくる。特にハイスピードのコーナリングで、持ち味を十分に楽しむことができる。

ブレーキはフロントがダブルディスク、リヤはシングルディスク。プレーキタッチは、効き始めからロック状態に至るまで幅広くコントロールしやすい。このブレーキング時のバランスを良くしているのが、スズキ自慢のアンチノーズダイブだ。このGSX750Sには、これがダブルでセットされており、ブレーキング時の前のめりな状態を少なくし、バランスの良さとなって出てくる。(林 渉)

【右】750/【左】1100
海外では1100と同じスタイルで販売されたGSX750Sだが、日本仕様はカウル下部のフィンとサイドカバーの刀ステッカーがナシ(後者は購入時に付属)。車名からはカタナの文字が外された。

日本仕様は速度計のフルスケールが180km/hだ。

GSX750Eをベースとするエンジンは、1000/1100の組み立て式とは異なる、一体鍛造クランクを採用。キャブレターはBS32 で、海外仕様の最高出力は81psだった。

【SUZUKI GSX750S 1982】1100と1000のリヤホイールが2.50-17だったのに対して、750は2.15-18を採用。222.5kgという乾燥重量は、兄貴分より9.5kgも軽かった。

【SUZUKI GSX750SS 1982】当初はオプション設定だったウインドスクリーンが標準装備となったのは、’82 年11月に発売が始まったSSからだ。

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