第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

キーオンで「カパッ」と開く!

スズキRE5初期型の“茶筒メーター”を開閉してみた【貴重な映像も収録】

  • 2018/12/23

国産二輪車唯一の市販ロータリーエンジン搭載車・スズキRE5。凝ったメカニズムもさることながら、特徴的なスタイリングもこのマシンの大きな見どころだ。中でも初期型だけに採用される通称“茶筒メーター”はその象徴的存在。キーオンと同時に半透明のカバーが「パカッ!」と開く様子をご覧あれ。

一世を風靡したロータリーエンジン

1973年の東京モーターショーで発表されたスズキRE5は、62psを発揮する497ccの水冷1ローター・ロータリーエンジン(以下RE)を搭載する、日本メーカーで唯一となる市販REモーターサイクルだ(海外にはハーキュレスやノートン、バンビーンの例がある)。‘60〜70年代に「夢のエンジン」としてもてはやされたREは当時、世界中の2/4輪メーカーが研究したものの、日本メーカーで市販にこぎつけたのはマツダ、そして2輪のスズキだけだ(ヤンマーがチェーンソーや船外機に採用した例はある)。

【スズキRE5】1974年末に発売されたRE5。497ccという排気量は日本のRE排気量換算係数・1.5を掛けて750ccに収まるよう設定されたもの。しかし日本の型式認定は取得できず、結果的に輸出専用車となった。

吸気ポートはローターハウジングに配されるペリフェラル型で、低速/高速域をそれぞれ担う計3つのポートを持ち、3000rpmを境に高速ポートを作動させる凝った構造を持つ。キャブレターも低速/高速の2系統を持つ専用のミクニ製。巨大なラジエター(その下部にはオイルクーラーも)や排気管内に冷却風を取り込むラムエアシステムなど、冷却に苦心した痕跡が各部に覗く。

初期型の特徴“茶筒メーター”

当時、次世代エンジンとして注目されたREを搭載するだけに、RE5はデザインもかなりの未来志向だ。手がけたのは4輪の初代VWゴルフやフィアット・パンダなどで知られる名デザイナー・ジウジアーロで、中でもメーターやテールランプなどに採用される、円筒をモチーフとした造形が最大の特徴。これは初期型のみのディテールで、後期型ではGT750と共通の2眼メーター&テールランプとなるため、マニアの間ではやはり初期型の人気が高い。メーター形状から“茶筒”と呼ばれて親しまれるのがこの初期型だ。

誰が名付けたか“茶筒“メーター。球状のウインカーや、独特なケース形状のヘッドライトデザインも面白い。

この“茶筒”が面白いのは形だけでなく、キーオンと同時に半透明のメーターカバーが「カパッ」と開くことだ。ギミックといえばギミックだが、‘70年代に必死に考えたであろう“未来感”が今となっては何とも愛おしく、初期型RE5を象徴する部分でもある。今回、この“茶筒”が開く様子を動画で収めたのでご覧頂きたい。ちなみにこのメーターカバー、「電動で開閉する」とされている文献もあるが、バネ仕掛けで開く機械式で、カバーを閉めるのは手動、というのが正しい。

RE5初期型のメーター。メーターの文字盤は青い半透明カバーで覆われているが……。

キーをオンすると「パカッ」と開く! LEDを用いたギヤポジションインジケーターにも注目されたし。

凝った構造だがカラクリは意外とシンプル。メーターカバーはメインキーに連動する「ツメ」で留まっていて、キーをオンにするとこのツメが引っ込み、バネ仕掛けでカバーが開く…という仕組み。電動ではない。

…というわけで、貴重な映像をどうぞ(笑)

スズキRE5の走行シーンはこちらから!

今回の車両は整備前のためにエンジン始動は叶わなかったが、「RE5の音が聞きたい!」という向きはぜひコチラの記事を。後期型なのでメーター形状の違いもよく分かる。

取材協力:ZEPPAN UEMATSU

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マツ

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「西部警察」と「北の国から」をこよなく愛する本誌編集部員。NSR専門誌・PROSPECのほか、フリーペーパーとして復活を果たしたビッグマシン零(ゼロ)の編集長も兼任する。
■1975年生まれ
■愛車:HONDA NSR250R(1992)/HARLEY-DAVIDSON XL883(2009)