第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

KATANA COMPLETE FILE 1980-2019

蘇るカタナ伝説〈06〉1100台のファイナルエディション

  • 2018/12/20

長い歴史を締めくくるモデルとして20世紀最後の年に登場したSYは数多くの専用設計部品を導入していた。

1100台が限定販売されたファイナルエディション

今後の排出ガス規制の強化を考えると、基本設計が’80年代初頭に行われたGSX1100Sの存続は難しい……と考えたスズキは、’00年にファイナルエディションとなるSYを販売。生産台数は排気量にちなんだ1100台で、当時の価格は99万円だった。エンジンはブラック塗装だが、ケースカバーをアルミの地色、カムカバーをメッキとしている点が、かつてのSDやSE、SSLなどとは異なる。シート表皮とタンデムベルトは専用設計だ。

スズキ GSX1100S SY

【SUZUKI GSX1100SY 2000】主要諸元■空冷並列4気筒DOHC4バルブ 1074cc 95ps/8500rpm 8.6kg-m/4000rpm 232kg(乾)■タイヤサイズF=3.50-19 R=4.50-17 ※国内仕様車

ウィークポイントを克服、走って曲がって止まる(GSX1100SY復刻インプレ)

’80年代を代表する名車として高い人気を保ってきたカタナが、厳しい排気ガス・騒音規制を前にして20年に及ぶ長い歴史に幕を閉じることになった。その最後を飾るべく、限定で1100台生産されるのがこのファイナルエディションだ。

GSX1100Eと共通の空冷DOHCエンジンから、まずはその優秀性を感じ取れる。少しガサツに感じたかつての1100よりもキャブレターのセッティングが緻密になったのではないか……、と思うほどライダーの意に添う綺麗な回り方をする。〝スポーティ?とはまさにこのことだ。

足まわりを近代化したファイナルエディションは、既存の1100カタナとは一線を画するコーナリング性能が味わえるようになった。

一方の操縦性だが、前輪19インチがもたらす全速度域での安心感がまず感じられるものの、リーン開始では意外なほど操舵が軽く、フルバンク状態ではやや心許ない旋回性を示す。むろんそれは不安というレベルではない。

意外に速度が出せるのはブレーキの改良も大きく影響している。φ275mmソリッドディスク+シングルポットからφ300mmフローティングディスク+4ポットへと大幅に強化されたフロントブレーキをテストしてみると、これが実に良かった。指4本がけでも制動力が弱かったあのカタナが、指2本がけでも普通にしっかり止まるのだ。また、強力に利き過ぎないところも自然でいい。もちろんブレーキ強化に伴って変更された新設計のフロントフォークアウターチューブや、補強が入れられたフレームがきれいにバランスしているからこそフィーリングなのだろう。

ノスタルジーではなく、現代の目から見たビッグマシンとして、カタナ・ファイナルエディションをセレクトする意義は十分にある。(柏 秀樹)

スイングアームピボット後部には、剛性向上を目的とした補強パイプを追加。これは当時のカタナカスタムでよく見られた手法だった。

10本のスポークが2本ずつ交差するスズキ独自の星形アルミキャストホールは、SYでついにチューブレスタイヤ対応品となった。

フロントブレーキは一気に近代化。トキコ製キャリパーは対向式4ピストンで、日発精密が製作したφ300mmディスクはフローティング式。

カヤバ製リヤショックはSR 用とよく似た形状だが、リザーバータンク容量を拡大した専用設計品。リヤブレーキは従来型を継承している。

ステップの構造と配置に変更はないものの、SR以前はフレームに溶接されていたV字型のパイプ製ステーは、SYではボルト留めに変更。

メーターはSRと共通。表面を切削加工したトップブリッジは専用設計で、その上面にはシリアルナンバー入りのプレートが装着されている。

車体色には、より深い刀色に輝くソニックシルバーメタリックを採用。赤いSUZUKIロゴもメタリック調として高級感を煽る。シリーズ唯一となる貴重カラーだ。

スズキ GSX1100S SY

【SUZUKI GSX1100SY 2000】

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帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)