ディオと共通エンジン、剛性感のある走り健在

2018ズーマーX タイ仕様の試乗インプレッション

惜しまれつつも生産終了となったネイキッドスクーターのズーマーX。だが、あきらめるのはまだ早い。エンデュランスがタイホンダのズーマーXを直輸入、しかも新型なのだ! ※ヤングマシン2018年4月号(2月24日発売)より

【〇】スポーティな操安性と滑らかな加速フィール

ディオ110と同じeSPエンジンを搭載した新型ズーマーXが、エンデュランスを通じて日本に上陸した。デザインは旧型のイメージを継承しつつよりスポーティになったものの、スクーターとしては珍しく上下のブラケットで支持する倒立フォークや前後12インチタイヤ、シート下のフリースペースなど、基本設計はほぼそのまま受け継いでいる。

まずはエンジンから。最高出力は未発表だがディオ110が9.0psを公称していることから、新型も同程度と推測する。旧型と直接比較していないので断言はできないが、加速フィーリングはより滑らかになった印象だ。スロットルの動きに対するレスポンスが適度に穏やかで、ビギナーでも扱いやすい。アイドリングストップはこの新型から採用された機能であり、エンジンの再始動はスムーズ。個人的にはこれだけでも新型を選ぶ意味があると感じた。ハンドリングは、太いタイヤが生み出す高い接地感と倒立フォークによる車体の剛性感、適度に発生するピッチングにより、操縦する楽しさがそこにある。コンビブレーキも優秀で、一般的なスクーターよりも元気よく走れるのが最大の魅力だ。

【HONDA ZOOMER-X 2018年型タイ仕様 価格:31万2120円 色:つや消し黒×赤、オレンジ×黒、ピンク×黒、赤×黒】ディスコンとなった国内仕様のズーマーX(27万8640円、黄色の車体)もタイホンダで生産されていた。新型はデザインを小変更しつつも、左レバーで前後が作動するコンビブレーキやタイヤサイズ、倒立フォークなど、基本設計はそのまま継承する。

【×】シート下のスペースは収納物が限定される

特徴的なフリースペースは小さめのヘルメットに限定される。さらに隙間が空いているので、それよりも小さなものだと落下の危険あり。

【結論】価格差は約3万円、内容を考えればお買い得感高し

ネイキッドスクーターを名乗るだけあり、見た目だけでなく走りにもコンセプトが貫かれるズーマーX。デビューが2013年なので結果的に国内では短命に終わったが、こういう形で、しかも新型に乗れるのは朗報だ。

わずかに広めのハンドルと着座位置の自由度の高いシートにより、このクラスとしてはゆったりとしたライポジが形成される。足着き性はご覧の通り良好だ。ライダーの身長は175cm、体重は62kgだ。
メーターは指針式からデジタルとなり、よりモダンに。やや広めのハンドルは不変だ。
シート下に設けられたフリースペースも継続。形状やサイズにもよるがメットも収納可。
ディオ110系のeSPエンジンを搭載。108ccの空冷4スト単気筒で、燃費性能に優れ、アイドリングストップも備えている。
主要諸元■全長1840 全幅759 全高1065 軸距1257 シート高763.5(各mm) 車重107kg(乾燥) ■空冷4スト単気筒OHC2バルブ 108.2㏄ 最高出力&最大トルク=未発表 無段変速 燃料タンク容量4.4L ■ブレーキF=ディスク R=ドラム ■タイヤF=100/90-12 R=110/90-12

取材協力:エンデュランス
撮影:飛澤慎
ニュース提供:ヤングマシン2018年4月号(2月24日発売)