2013、2017東京モーターショーで開発を示唆

【スクープ】カワサキ「J」に関係?! ハブステアの特許が公開

あまりにも未来的すぎて現実的なモデルとは考えられなかったカワサキのコンセプトモデル「J」に関連すると思われる特許が、2018年7月19日に公開された。カワサキでハブステアといえば、JとZZR-Xくらいなのだ。

Jという存在が一気にリアルなものに

2013年の東京モーターショーに参考出品された「J」は、川崎重工の電池制御技術を活用したモデル。高速充放電が可能な大容量ニッケル水素電池「GIGACELL(ギガセル)」を動力源とする3輪EVだ。「J」は、異なる走行状況に一台で対応する新しいパーソナルモビリティとして開発され、コンフォートモードではアップライトな姿勢で街乗り走行を、スポーツモードでは前傾姿勢のスポーツライディングが楽しめる可変ポジションを採用した。フロント2輪の操舵はハブステアを採用していることから、7月19日公開の特許は「J」の技術では?! と連想されるのだ。

【川崎重工業 車両の操舵輪支持構造】ハブステアリング式の車両の操舵輪支持構造において、ナックル部材の大型化を防止するための発明。図面上では前1輪に見えるため「J」そのものとは言えないが、ナックル部に関する特許なので前2輪にも応用できる可能性はあるだろう。

「J」の存在はカワサキトップも示唆している

この「J」は2013年の東京モーターショーでは実車のコンセプトモデルが展示され、2017年はCGによる走行動画で紹介された。ここまで強調されると実際に「J」は開発されているのでは? と考えてしまうが、実際2017年の東京モーターショーでは『これからのカワサキについてもうひとつ。いま、IoTやAIの活用が注目されていますが、カワサキも、走りへのこだわり「RIDEOLOGY」を深化させた、コネクテッドモーターサイクルの実現に、取り組んでいきます。前々回の東京モーターショーで発表したコンセプト「J」は、ライディングシーンに合わせて形を変えるEVです。そこにライダーとマシンの双方向コミュニケーション技術を搭載しています。ライダーの心や身体のコンディションを感じ取り、また天候や路面、交通状況などを読み取りながら、瞬時に最適なライディングポジションや情報を提供し、最高の走りを追求するあなたをサポートします』とカワサキ2輪トップの太田和男氏がプレゼンテーションしているのだ。

このプレゼン内容では、コネクテッドモーターサイクルを出すのか、コネクテッドも搭載した「J」を出すのかは明確に判別はできない。ただし、AIによるコミュニケーションが可変ポジション機能を目的の一つとするなら「J」の可能性もあるだろう。次の東京モーターショーは2019年秋とまだ先だが、その時には新たなアナウンスがあることを期待したい。

【KAWASAKI J 2013年東京モーターショー出展コンセプトモデル】欧州向けスクーター「J300」を、川崎重工の電池制御技術を活用し近い将来に具現化した場合のコンセプトモデルと説明された。
【KAWASAKI ZZR-X 2003年東京モーターショー出展コンセプトモデル】こちらも可変ポジションとハブステアを採用している。左■ハイスピードツアラーモード:パニアケースを装着した基本モード。快適な高速走行を可能にする。右上■ツアラーモード:基本モードから開閉式バックレストをオープン可能。右下■スポーツモード:ハンドルバーとウインドシールドをローポジションに設定し、スポーツ走行に最適なモード。

「カワサキ『J』はAI搭載のEVだったことが判明」記事はこちら