人気絶好調のカワサキZ900RS用にヨシムラがショート管の開発を進めているという情報をキャッチした。現在開発中で3月開催の東京モーターサイクルショーで公開される見込みだという。これまでつかんだヨシムラZ900RSカスタム情報と共に、ヨシムラ×カワサキZの歴史についても紹介しよう。
いよいよ集合管の本家が動く
ヨシムラがZ900RS用のショート管を発売するのは大きな意味がある。45年前の春、発売したばかりのZ1にヨシムラの4-1集合マフラーを装着したチューニングマシンが、デイトナスピードウェイで160.19MPH(257㎞/h)をマーク。FIMの速度記録を塗り替えZ1、そしてヨシムラの名を世界に知らしめたのだ。その2年前、’71年にアメリカに進出したヨシムラがCB750のチューニングで発明した集合マフラーは、Z1のパワーも最大限に引き出し、車両とともに大ヒット。4気筒+ショート管は定番のスタイルになっていった。それから45年、Z1の後継としてZ900RSが発売。ヨシムラとしても最速記録から45周年にZで出したいのは、「原点」のショート管なのではないだろうか。
「ヨシムラ」×「Z」×「集合管」の3大ルーツ
最新Z900RS用のストレート管は手曲げと機械曲げの2本立て
Z900RS用のフルエキゾーストはストレートサイクロンが用意される模様。現代によみがえる初代集合管は素材にスチールを採用し、高級つや消し塗装を施すことにより、独特の雰囲気を再現している。JMCA対応で公道走行も可能となる見込みだ。3月23日からの東京モーターサイクルショーに展示されるだろう。
スリップオンも3種類がスタンバイ
マフラー以外のスペシャルパーツにも期待
’73年、ポップ吉村はアメリカにヨシムラ・レーシングを設立し、翌年5月に渡米。しかし、現地で会社を奪われて’75年に無念の帰国。再起をかけて作った新会社が「YOSHIMURA R&D」だった。アメリカで毎日マフラーを作り続け、資金を捻出。〝ヨシムラ〞の仮名文字が使えず、ローマ字ロゴを使用して’76年のAMAに参戦したのが上の黒×赤タンクのストーリーである。カラーリングだけでもこれだけ語ることがあるヨシムラとZ1の歴史が投影されたZ900RSカスタム。このカラーとマフラーはアメリカでの挫折と挑戦の象徴であり、その話を知る者にとっては感慨深いはず。こういった物語までカスタムに反映できるのはヨシムラ×Z900RSならではだ。もちろんハード面でもお楽しみはこれから。下記のラジエターコアプロテクターのほか開発中となっているのはマフラーのみという情報だが、現在のZ900RSカスタムの盛り上がりを見ると、いずれはヨシムラの得意とするカムシャフトや吸気系のサブコンピューターチューニングのパッケージも期待できるかもしれない。